2016.02.19

SMAP解散騒動に映える、人を動かす至上のパワー

→The story is just beginning→→


さて、先月ですね、国民的アイドルグループSMAPの解散報道が日本列島を一気に席巻し、さらには日本を飛び出して欧米のニュースメディアでも報じられるといったことがありまして、改めて、ジャニーズ事務所が生んだ世紀のブロックバスターの威力を思い知った、今日この頃ではないでしょうか。

そしてこの件、結果的には危惧された最悪のシナリオは避けられたということで、安堵した方、どこか肩透かしを食らった方など様々かと思いますが、今回はそんな言わばSMAP事変に便乗しまして、そこから少しばかり別のベクトルにお話をストレッチしていきます。


ちなみに、個人的には木村拓哉さん推しです。
SMAPメンバーの中でも、特に彼がこれまで放出してきた力こそが、ここから書いていくことの要旨になったりしますので、軽く頭の片隅にインプットしておいていただければと思います。

プロローグ


そんなこんなの先月、こちらもご多分に漏れず、こんな掛け合いを展開しました。



『SMAPが解散したら、どうなっちゃうんですかね?』

『まあ、SMAPが解散しても、そこまでどうもならないと思いますね。現に当時まだまだ人気のあった光GENJIもそうですし、海外でも事実上解散している人気グループはいくらでもありますから。あと、テレビCMとかでSMAPを起用している企業のイメージが悪くなるんじゃないかといった話もよく出るんですけど、難しいところですよね。消費者はタレントさんを消費してるんじゃなくて、あくまで商材を消費してるはずですから。もちろん、起きた事の内容にも依りますが。』



そうですね、タレントやアイドルというのは現実世界では見られない“夢”を与える職業だと言われることもありまして、“夢”を壊すようなことに言及しない方がいい場や空気感もそれなりにあったりする訳ですが、どうでしょう。




といった感じで、前説はこんなところにしておいて、今回のSMAP解散騒動に対する世間の一連の挙動に垣間見えるもの、すなわち、人を動かす【影響力】というものに着目してみようという次第であります。

影響力とは?~木村拓哉のスゴさ~


本来、SMAPなどの、いわゆる芸能プロダクション(⇒アメリカのハリウッドでいうところのCAA、WME、ICMなどのタレント・エージェンシーと同格)に所属するタレントの方々は、一般消費者からすると家族でも友人でもスポンサーでもない場合がほとんどなので、彼らが離散し、その活動を観られなくなったとしても、直接的な利害関係がない時点で、ハッキリ言ってしまえば悪影響は何もありません。
にもかかわらず、日本全体を巻き込み、海を越えて波及するほど熱い関心事になってくるのには、どういった力が作用しているのか?というのが、まさにここでの関心事です。

日本においては、テレビのリーチ力、特に民放地上波のメディアパワーが凄まじいということもあるのですが、そこも加味したうえで、SMAPが世の中にとってどういった存在なのかといったところに目を向けてみると、当然、その「影響力」について考えざるを得なくなってきますよね。
SMAPは「影響力」がものごっつい強いということです。
だから、膨大なハレーションが起きた、ということになります。


なぜこんなにも改まって、比較的当たり前なことを力説しているのかと疑問に思うかもしれませんが、ここで履き違えてほしくないことがありまして、皆さんが普段『影響力がある』と考えているものの中で、それって本当に影響力ですか?強制力ではないですか?というものが往々にしてあるということを、今一度考えてみてもらいたい感じです。


「影響」の語源は、その漢字が示す通り、“影が形に従い、響きが音に応じる”意から来ていて、これはホタルの“引き込み現象”にも通ずるものがありますね。
要するに、半ば“自然現象”の域に入ってきますね。
もっと簡潔に言うと、「影響」というのは何かを『力ずくで動かす』のではなく、『対象自ら動いてもらう』、または『勝手に動いてしまうような状態を生み出す』パワーであると言えます。
言わば、《空気》によって動かすことを指します。

一方で「強制力」というのは文字通り、ルールや法規制、ある種の一般常識などで縛ることによって、強制的に動かすパワーです。


こうして見比べると、「影響力」の偉大さと必要性を感じられると思います。



そして、木村拓哉さんが遺憾なく発揮してきたのが、この影響力です。
これまでも、彼が起用された広告の商材は売れまくり、身に着けるファッションアイテムは売り切れが続出し、発したセリフは流行語になり、ドラマや映画で演じた職業への就職希望者が増加するといったように、影響力の権化みたいな存在ですね。

ここで意識しておきたいのは、どこかの誰かが、あるいは木村さん本人が、買え!使え!なれ!ヘイ!と言っている訳でも、そうしないことによって何かしら悪い事が起こる訳でもないということで、つまりは自然にモノが売れ、言葉が使われ、その職業に就きたいという人が増えていった、ということですね。
能動的に、ヒト・モノ・カネ・情報が動いたということに他なりません。

こういった現象が引き起こされるのが、真に、影響力によるものだと言えます。

人間のあらゆる属性は影響力へと転化していく。


なお、ハリウッドスターやプロスポーツ選手の年俸が何億円?!といったニュースは、すぐさま世界を駆け巡るのですが、本当にそれだけの価値があるのか?どうしたらそれだけのお金を貰えることになるのか?と疑問を持ったり、多少は穿った見方で世の中の設計を洞察してみると、影響力というものの実態に近づくことができると思います。
しかしながら、一方でそれは、彼ら演者やプレーヤーをプロデュースし、ディレクションしている側の手腕であるところも非常に大きいのですが、そういったスターの発掘や育成に関する経済話は、またの機会に述べてみたいと思います。
当面そんな機会はなさそうですが。

そして、影響力が強いか弱いかといったところが、最たるマンパワーでありマンバリューになってくるというのは、実に人間臭いと言いますか、人間社会においては本質を捉えた考え方な訳ですね。
しかもそこは、強制的に動かすよりも、自然同調的に動かす方が、価値が高くなってくるということです。

ともすれば、カッコイイ、男前、美しい、カワイイ、オシャレ、頭が良い、学がある、才能がある、海外経験が豊富、センスが半端じゃない、優しい、器が大きい、度胸がある、要領がいい、素直とか、そういった人間の性質は全て、影響力に転化していく訳で、こう考えると、影響力というのは人間社会を生きるうえでの至上のパワーだと言っても過言ではない気がします。

マネージメントとリーダーシップの違い~リーダーシップは影響力の成せる業~


そして、21世紀に入ってからというもの、この影響力の有無や程度が、マネージメントとリーダーシップの住み分けに関する議論、ビジネスやマーケティング界隈における経営談義を、よりヒートアップさせていて、何かが人気となって(※SMAPも株式会社ジャニーズ事務所の商品と言える)売れるようになるためには、強制力ではなく、影響力によって人を動かさなければならないといったことが、加速度的に意識されるようになってきています。
ここ、ドチャクソ大事ですね。
特に、商材や人材がコモディティ化しまくってきている時代では、クリティカルすぎる着眼点です。


マネージメントとリーダーシップについて見ていくと、まず、両者は別物です。
混同されて論じられている節がない訳ではないので、ここまでの流れに沿って、かいつまんで説明しますが、マネージメントは強制力によって人を統制することであり、リーダーシップは影響力によって人を動かすことだと言えます。
ここは、押さえておきましょう。
そして、それらを持つ側からすれば、マネージメントというのは外から付与される権限的な体裁を帯びていて、リーダーシップというのは自分の中から出てくるもので、自らで鍛えるスキルでありセンスそのものです。
また、組織における上司と部下の関係を思い起こすと分かると思いますが、マネージメント職に就いている上司から命令や指南が出たら、たとえそれが間違ってそうであっても、マネージされている側の部下は半ば従わざるを得ない温度感になってきますよね。
一方で、リーダーシップというのは、リーダーをフォローする側が主体的に従っているところに、その特徴があります。
リーダーシップを持った者に周りの人間が従うのは、従わないとダメだから、義務だから、何か良くない事が起きる可能性があるから、というよりも、そうした方がいいのだと自ら判断しているから、そして何よりも、リーダーのために動きたいと能動的に思っているからです。
リーダーシップが喚起するのは、負のモチベーションではなく、正のモチベーションです。
そして、そもそもリーダーというのは、誰かに任命されてなるものではなく、いざなわれるものだと考えていいでしょう。


皆さんの周りにいる、あの人って優秀だよね、カリスマだよね、オーラあるよねという人が、果たして強制力を行使している結果によるものなのか、純粋に影響力を発揮している結果によるものなのか、あるいは両方ともなのか、といった見極めは非常に大切です。
というのも、たいていの場合、組織やチーム、携わるプロジェクトによって、人を引っ張って推進すべき人間像というのは変化していくものなので、本当にその集団や成長フェーズに求められるリーダーが存在しているかどうかというのは、経営的な観点から見ても、決して手の抜けない部分になってくるからです。

“キムタクだから許される”は核心を突いている。


ここまで読んでもらえると分かると思いますが、影響力というのは、極めて属人的な要素ですよね。
つまり、その人でないと出せないアウトプット、ルックス、才能、経験から養われたセンスといったものがダイレクトに周りに伝わることで、あの人はヤバい、イケてる、セクシーだという空気が醸成されて、その空気によって結果的に、人が自然と動いているということになります。

一般的に分かりやすいところで言えば、“それはキムタクだから許される、他の人が同じことをやっても通用しない、マネできない、ケガをする”といったことですね。

こんな表現に、見事なまでに影響力の真髄が投影されている訳で、また、そこのポジショニングがしっかり取れると、その一帯は良い感じのブルーオーシャンですし、競合はほぼいません。
ナンバーワンではなく、オンリーワンというのは、まさにこういう状態でしょう。
単純に希少価値がものすごい、よって、世の中から求められる確率も断然高くなる。
これは、ヒトだけでなく、モノでも情報でも、世の中の商材全てに同じことが言えるはずですね。

大小関係なく影響力のあるリーダーであれ。


そして、例えばアメリカでは、マネージメントよりもリーダーシップの方がポジティブに受け取られる傾向がますます強くなってきていて、“マネージャーであるよりもリーダーであれ”といった類のメッセージが近年多くなっています。

故スティーブ・ジョブズ氏がAppleのマネージャーだったと言うと、どことなく違和感を覚えませんか?
Appleのリーダーだったと言う方が、シックリきませんか?

また、アメリカは長らく世界を導く立場にあるので、そこで研究されている経済学や経営学も、その影響力でもって他の国にも拡散していくという構図な訳で、そこから、リーダーシップというのは必ずしも明確な権限を持った者だけが体現すべきものではなく、集団を構成する全員が、自発的な意志と筋の通った行動習慣を持つべきなのだという考え方が主流になっていきます。
言い換えると、皆それぞれが自分なりの影響力を発揮していきましょう、それが結局のところ各々の武器になって、結果的に集団総和のパワーも強くなるのだから、ということになり得ます。


エピローグ


マネージメントが、飛行機の運行を管理するパンサーだとすれば、リーダーシップは、それ自体がエンジンにあたります。
たとえ向かう先が正しくても、整理整頓された操縦しやすい状態にあっても、エンジンがしっかり稼動しないと機体のパフォーマンスが良くならず、低空飛行が続きやすくなりますし、さらに未来予測が立ちにくい場合には、不測の事態にさらされても決して軸ブレを起こすことのない、パワフルで機動的なエンジンが必要です。

そして、ビジネスやマーケティングに当てはめてみると、広告を出さないと売れない、PR活動を止めたらにっちもさっちもいかない、継続的に広告を出していてもジリ貧状態、自転車操業から抜け出せないとなると、その商材はもはや、影響力がないから響いていない、売れる空気ができていない、と言って相違ありませんね。
ひいては、強制力によって消費者に買わせる構造になってしまっている、ということになり得てしまいますが、この続きは、皆さんそれぞれのフィールドで、一人ひとりのリーダーシップにお任せ、ということで。



もう、相当うるさいと思うので、以上です。






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