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「車両保険」は本当に必要?車両保険の必要性をチェックしよう

自動車保険に加入する際には、補償の内容をどこまで手厚くするべきか、悩む方も多いのではないでしょうか。その1つが「車両保険」です。車両保険は任意保険の補償の1つであり、加入するかどうかはご自身で選ぶことができます。補償を手厚くすれば安心ではありますが、そのぶん保険料も高くなりますので、ご自身に本当に必要な補償なのかしっかり判断する必要があるでしょう。この記事では、どのような方がどのような場合に車両保険に入っているとメリットがあるのか、わかりやすく解説します。

INDEX

車両保険は「自分の車の損害」を補償するもの

車両保険が必要なケースとは?

    1. 新車を購入した場合
    2. 運転に自信がない場合
    3. 盗難やいたずらに備えたい場合
    4. 自然災害に備えたい場合

適切な車両保険の保険金額の設定金額とは?

    1. 新車の車両保険金額
    2. 中古車の車両保険金額

保険料をできるだけ抑えるには?

    1. 補償範囲を限定したタイプを選ぶ
    2. 免責金額を高く設定する

車両保険はこんな場面で特に役立つ!

    1. 自損事故を起こしてしまった場合
    2. 過失割合による自己負担が発生した場合
    3. 車が全損してしまった場合

見逃しがち!車両保険の注意点とは?

    1. 車両保険を使うと等級は下がる
    2. 自己負担で修理したほうが良い場合もある
    3. 無過失特約が利用できない場合もある
    4. 車両保険で補償されない自然災害もある

まとめ

車両保険は「自分の車」の損害を補償するもの

車両保険とは、自動車保険の補償の1つです。車両保険は、偶然の事故により「自分の自動車が損害を受けた場合」に保険金が支払われる保険です。自動車保険には、さまざまなものがあり、「他人の車」を補償する目的であれば「対物賠償責任保険」に加入する必要がありますが、「自分の車」の補償には車両保険に加入している必要があります。

車両保険に加入していると、契約している車が事故などで損害を被ったときに、修理費用が補償されます。また、車の損傷が激しく修理できない場合は、車両保険から支払われる保険金を車の買い替え費用に充てることもできます。

車の修理に使える2つの保険

(関連リンク)自動車保険の種類|任意保険ってどんなもの?補償プランを決定する前にチェック

車両保険が必要なケースとは?

車両保険への加入について迷う場合、なにを判断のポイントとすればよいのでしょうか?
以下では、加入を検討したほうがよい具体的なケースをご紹介します。

新車を購入した場合

新車の購入時は、とくに車両保険への加入を検討するメリットがあるでしょう。新車の購入には多額の費用がかかりますので、新車購入直後に事故を起こしてしまった場合、修理費用、車を買いなおす費用など、経済的な負担は大きくなります。

また、車両購入時にローンを組んでいる場合、新車が全損で廃車になってもローンの支払いは残ります。車を買いなおすには、2台分の費用を支払わなければなりません。そのような場合でも、車両保険に加入しておけば、保険金を修理費用や車を買いなおす費用、ローン返済費用などに充てられるからです。

また、新車の場合には、車両保険から支払われる保険金の上限が高い点も、新車購入時に車両保険へ加入したい理由の1つとして挙げられるでしょう。車両保険金額は、通常、契約した時点の車の時価相当額に設定されます。万が一のときに十分な保険金を受け取れる可能性があるので、新車購入の時点で車両保険に加入するメリットが大きいといえます。

運転に自信がない場合

運転に自信がない場合も、車両保険への加入を検討するメリットが大きいと考えられるでしょう。運転に不慣れだったり、運転技術が乏しかったりする場合、事故を起こしてしまう可能性が高いからです。車両保険に加入していない状態で何度も事故を起こすと、修理費用による経済的な負担は大きくなってしまいます。

運転に不慣れな方は、車同士の事故だけではなく、車庫入れなどに失敗して契約している車を傷つけてしまうといった自損事故にも注意しなければなりません(ただし、自損事故を補償の対象としているのは、車両保険の中でも「一般型」とよばれる車両保険のタイプの場合になります)。運転に自信がない方は、車両保険(補償範囲が広い「一般型」)に加入するメリットが大きいといえるでしょう。なお、「一般型」については後述します。

盗難やいたずらに備えたい場合

自宅の敷地外の駐車スペースに駐車している場合、契約する車が人気車種の場合、契約する車が高級車である場合などは、盗難やいたずらのリスクが高くなります。盗難やいたずらのリスクに備えたい場合も、車両保険への加入を検討するメリットがあるといえるでしょう。車両保険に加入しておけば、契約している車がいたずらで傷ついたときや、盗まれたときに、保険金を受け取れます。

自然災害に備えたい場合

日本では、昨今、地震や台風をはじめとする自然災害が多発しています。これらの自然災害によって、自宅の建物への被害だけでなく、自動車の被害も想定されます。例えば、台風による強風でモノが飛んできて契約している車が傷つくことや、ゲリラ豪雨で車が水没することなども考えられるでしょう。

車両保険は、自然災害で発生した車両の損害についても補償の対象となります。野外に駐車している、駐車している場所の近くに河川があるなど、自然災害のリスクが高い場合は車両保険への加入を検討するメリットがあるかもしれません。

ただし、同じ自然災害でも、一般的には地震・噴火またはこれらによる津波は補償されません。これは、一度に巨大な損害を発生させる恐れがあるため、適切な保険料を設定できないためです(保険会社の中には一時金を支払う特約を用意しているところもあります)。

車両保険で補償される自然災害

適切な車両保険の保険金額の設定金額とは?

車両保険は、契約している車が損害を被ったときに、車両保険金額の範囲内で保険金が支払われる保険です。他の補償とは異なり、支払われる保険の「上限」が決められているのが特徴です。そのため、車両保険へ加入時に、支払われる保険金の上限額である「車両保険金額」を決めなければなりません。

支払われる保険金の上限であれば、「高ければ高いほうがよいのでは?」と思うかもしれませんが、契約者が上限を自由に決めることはできません。つまり、契約車両の時価で判断されます。具体的な金額の幅は保険会社で異なりますが、車両保険金額をできるだけ高く設定したい場合は、複数の保険会社から見積もりをとるとよいでしょう。

以下では、「新車の場合」と「中古車の場合」にわけ、車両保険金が決まる具体的なしくみを見てみましょう。

新車の車両保険金額

新車を購入した場合は、購入時に支払った金額を車両保険金額に設定することが一般的です。計算式は「車両保険金額=車の本体価格+付属品+消費税」となります。

付属品に含まれるもの
車に定着されているもの 車に装備されているもの
エアコン フロアマット
カーステレオ 標準工具
カーナビゲーションシステム スペアタイヤ
ETC車載器  
サンバイザー  

なお、納車整備費用、消費税以外の税金(自動車税・自動車取得税・自動車重量税)、自賠責保険料・諸費用などは、購入時に支払った金額に含まれません。すべての費用が含まれるわけではない点に注意が必要です。

減価償却の考え方により、契約2年目以降は、車の価値が下がるため、設定できる車両保険金額も前年より低くなります。ただし、契約期間中に車両保険金額が下がることはありません。車両保険金額が下がるのは、自動車保険を更新するときです。翌年の車両保険金額は、一般的に更新の案内書類などに記載されています。

中古車の車両保険金額

中古車を購入した場合は、車の型式や契約時点の時価相当額などをもとに算出された一定の幅(例:150~180万円など)の中で車両保険金額を設定します。

車両保険金額の一定の幅を決めるのは基本的には保険会社です。ほとんどのケースでは、中古車の購入価格はその一定の幅の中にはいりますが、購入価格や希望額が幅の中に含まれない場合は別途相談することができる保険会社もあるようです。

保険料をできるだけ抑えるには?

「車両保険には入りたいけれど、それでも保険料はできるだけ抑えたい」という方は、以下の点についてもチェックしておきましょう。保険料を抑えるための方法をいくつかご紹介します。

補償範囲を限定したタイプを選ぶ

車両保険には、一般的に2つのタイプがあります。「車両保険(一般型)」と「車対車+A(エコノミー型)」の2種類です。この2つは同じ車両保険ですが、補償範囲が大きく異なります(2種類のそれぞれの名称は各保険会社の自動車保険ごとに異なります。この記事では、「車両保険(一般型)」「車対車+A(エコノミー型)」と呼びます)。

一般的には、「車両保険(一般型)」は補償範囲が広く、保険料は高くなります。ご自身の状況をふまえて、どちらが適切な補償かを選択する必要がありますが、結果として「車対車+A(エコノミー型)」の補償範囲で十分であれば、保険料を抑えることも可能になります。

車両保険は補償範囲によってタイプが異なる
車両保険
(一般型)
車対車+A
(エコノミー型)
他人の自動車との接触や衝突
火災・爆発・台風・洪水・高潮・騒擾(じょう)
飛来中または落下中の物との衝突
落書きやいたずら
盗難
単独事故 ×
当て逃げ ×
地震・噴火・津波 × ×

免責金額を高く設定する

「免責金額」とは、車両保険を使うときに契約者が負担する金額のことです。つまり、「免責金額とは、修理代の自己負担金額」と言い換えることができます。

たとえば、「車両保険金額100万円、免責金額5万円」と設定した場合で考えてみましょう。このケースで、「修理費用30万円」の自損事故を起こした場合、支払われる保険金は「免責金額5万円を差し引いた25万円」です。

しかし、同一のケースで「修理費用2万円」の自損事故を起こした場合には、車両保険から保険金として支払われる金額は「0円」です。免責金額より修理費用の方が少ないため、修理費用は保険金からは支払われず、自己資金で修理をしなくてはならないのです。
つまり、免責金額(自己負担額)を低く設定すれば、契約者が支払う保険料は高くなりますが、車両保険を使うときに保険会社から支払われる保険金額が高くなります。一方、免責金額を高くすれば、保険料は安くなりますが、車両保険を使うときに保険会社から支払われる保険金額は低くなります。

そのため、契約者が支払う保険料を少しでも抑えたい、という場合には「免責金額を高く設定する」という方法も検討してみるとよいでしょう。

なお、設定できる免責金額は保険会社で異なります。また、一定の条件に合致するときに免責金額を0円にできる特約などを用意している保険会社もありますので、各保険会社に確認をしてみましょう。

車両保険はこんな場面で特に役立つ!

車両保険が特に役立つタイミングとして、以下のようなケースがあります。

自損事故を起こしてしまった場合

車両保険が役立つタイミングの1つが、自損事故(相手がいない事故)を起こしたときです。ご自身の車の補償に使える保険は「車両保険」しかありません。

自損事故の例

車の補償なので「対物賠償保険」に加入していれば大丈夫ではないか、と思いがちですが、対物賠償保険は、「他人の財産」に損害を与えてしまった場合には補償されますが、「自分の所有物」は対物賠償保険の補償対象になりません。自損事故に備えたい方は、車両保険の「一般型」へ加入しましょう。

なお、自損事故を補償の対象としているのは、一般的に車両保険の「車両保険(一般型)」です。「車対車+A(エコノミー型)」の場合には対象とならないため、注意が必要です(保険会社によって補償対象が異なりますので、詳細は各保険会社にお問い合せください)。

過失割合による自己負担が発生した場合

ご自身の過失で車同士の事故を起こしてしまった場合も車両保険は役立ちます。

一般的に、車同士の事故であっても、相手方に100%の責任がある事故の場合には、ご自身の車の損害額については相手方の対物賠償保険から支払われます。しかし、車同士の事故では、双方に責任(過失)が発生することも多く、ご自身の修理費の全額が相手方の対物賠償保険から支払われるとは限りません。

そのような時に役立つのが車両保険です。車両保険に入っていれば、ご自身の過失で自己負担になる車の修理費用も補償してくれるからです。以下の例を見ていくとわかりやすいでしょう。

【ご自身にも過失のある車同士の事故の例】
 前提条件

過失割合にもとづく修理費用の負担金額

※契約している保険金の上限を超えていない場合。「免責金額」を設定している場合は、免責金額内の金額は自己負担。

車両保険は、車同士の事故で自己負担しなければならない場合でも修理費用(ご自身の過失部分)を補償してくれます(免責金額を除く)。上の例であれば、車両保険から20万円(免責金額を除く)が支払われるため、自己負担を回避できます。車同士の事故で修理費用を自己負担できない場合には、あらかじめ車両保険への加入を検討しましょう。

車が全損してしまった場合

車両保険は、車が全損した場合も役立ちます。車が全損したときに、車両保険から補償金額の全額が支払われるからです。「全損」と一言で言っても意味合いとしては以下の3つを含みます。

(1)契約している車が修理できないほど壊れた場合
事故に遭った車が修理不可能な状態まで物理的な損害を受けてしまったことをいいます。
(2)修理費用が契約している車の時価相当額を上回る状態になってしまった場合
同じ条件の車を購入するほうが安いので、修理できる状態であったとしても全損として扱われます。
(3)契約している車が盗まれてしまった場合
車両保険から支払われる保険金を受け取ってから盗まれた車が見つかった場合は、見つかった車を手放すか、保険金を返金して見つかった車に乗るか選ばなくてはなりません。

車両保険から支払われた保険金の使い道は、車の所有者が自由に決められます。車の修理費に充てることはもちろん、車の買い替え費用に充てることもできます。また、これらをせずに車を手放すことも可能です。

見逃しがち!車両保険の注意点とは?

車両保険を使うと等級は下がる

車両保険に加入する前に押さえておきたいのが、等級との関係です。車両保険を使うとノンフリート等級がダウンします。ノンフリート等級とは、事故歴に応じて保険料の割引・割増率を決定する仕組みです。ノンフリート等級は1~20等級に分かれており、新規契約は基本的に6等級からスタートします。1年間、保険金支払い事故を起こさなければ、次年度は等級が1つ上がります。
反対に、保険金支払い事故を起こすと等級は下がります。保険料の割引率は等級が上がるほど(つまり20等級に近づくほど)大きくなり、3等級以下は保険料が割増となります。

保険金支払い事故は、ノンフリート等級が3等級下がる「3等級ダウン事故」とノンフリート等級が1等級下がる「1等級ダウン事故」、ノンフリート等級に影響しない「ノーカウント事故」に分かれます。 当て逃げなどで車両保険を使った場合は3等級ダウン事故、飛び石でフロントガラスが割れたなど不可抗力の事故で車両保険を使った場合は1等級ダウン事故に該当します。

事故で等級が下がると保険料が割高になることも

飛び石やいたずらなど、ご自身に過失のない事故であっても1等級ダウン事故に分類される点に注意が必要です。等級が下がると翌年の保険料は高くなります。受け取れる保険金の額と翌年の保険料増額分を確かめてから車両保険を使うか検討しましょう。

自己負担で修理したほうが良い場合もある

事故や損害状況によっては、車両保険を使わないほうが良いケースもあります。代表的な例として挙げられるのが、受け取れる保険金よりも翌年以降の保険料負担が大きくなるケースです。車両保険を使うとノンフリート等級が1等級または3等級ダウンするので、翌年以降の保険料はアップします。翌年以降の保険料がどのくらい上がるのか気になる場合は、保険会社に相談するとよいでしょう。

無過失特約が利用できない場合もある

等級ダウン事故とあわせて押さえておきたいのが、車両無過失特約です。車両無過失特約とは、ご自身に過失のないもらい事故で車両保険を使った場合にノーカウント事故として扱われる特約です。つまり、同特約が適用されれば、車両保険を使っても翌年の等級は下がりません。

ただし、車両無過失特約が適用されるのは、一定の条件を満たす場合だけです。具体的には、原付・二輪自動車を含む車との接触または衝突事故であること、ご自身に過失がないこと、相手の車と運転者を確認できることなどの条件を満たさなければなりません(詳しい条件は、契約する保険会社でご確認ください)。たとえば、自転車にぶつけられた場合は、ご自身に過失がなくても車両無過失特約を適用できません。自転車にぶつけられた事故で車両保険を使うと、翌年の等級は3等級ダウンします。もしものときに頼りになる特約ですが、あらゆる事故に適用できるわけではない点に注意しましょう。

車両保険で補償されない自然災害もある

車両保険と自然災害の関係にも注意が必要です。車両保険は、すべての自然災害による損害を補償の対象にしているわけではありません。補償の対象にしているのは、台風・洪水・火災・高潮による損害です。地震・噴火またはこれらによる津波で生じた損害は補償の対象外となっています。地震・噴火、これらによる津波で契約している車が損害を受けた場合、修理費用などは基本的に自己負担になります(保険会社の中には、これらの自然災害で損害を受けたときに一時金を支払う特約を用意しているところもあります)。

まとめ

車両保険は、契約している車が事故などで損害を被ったときに、修理費用などを補償してくれる保険です。補償範囲はタイプによって異なりますが(「車両保険(一般型)」と「車対車+A(エコノミー型)」)、車同士の事故、飛び石、盗難、いたずら、火災、台風、洪水などで車が損害を被ったときにも保険金が支払われ、幅広いリスクに備えられる点がポイントです。

車両保険に加入すると、契約者が支払う保険料はアップしますので、加入を迷う方がいるかもしれません。しかし、保険料の金額だけで「加入する」「加入しない」を決めるのではなく、補償内容などを理解したうえで、必要性を検討することをおすすめします。保険料が気になる場合は、補償範囲が狭い「車対車+A(エコノミー型)」に加入することや、免責金額を高く設定することなどを検討してもよいでしょう。

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