ただ折れただけではない、ものスゴイ骨折って、見たことありますか?
骨折により、皮膚に小さな穴が開いてしまったり、さらにひどくなると骨が皮膚を突き破って、外まで飛び出してしまったり。
あまりの痛みや衝撃で、失神しちゃう人もいるようですね。
こんな、ものスゴイ骨折のことを、「開放骨折」といいます。
同じ骨折でも、開放骨折はいろんな意味で、普通の骨折とは大きく異なることをご存じでしょうか?
開放骨折は、細い骨がたった一箇所折れているだけであっても、外界と繋がっているという点で、応急処置を間違えると、治り方に大きな問題を残します。
「感染」が厄介だからです。
骨はとっても固い組織ですが、感染に弱いという特徴があります。
たとえピンホール程の傷でも、骨折部位と外界が繋がってしまうと、そこから病原菌が入り込み、骨そのものが感染することがあります。
こうなると、大きな後遺症が残ったり、切断が必要になったりしてしまう可能性もあるのです。
開放骨折の特徴は以下の2つです。
■神経・血管・筋肉などの損傷がひどいために、痛み・腫れが強い
■骨折部位のすぐ近くから出血している(大量出血のこともある)
当然ながら、傷が大きいほど大量に出血します。
ピンホール程度のほんのわずかな傷でも、骨折部位のすぐ近くであれば、開放骨折の疑いがあります。
救急車を呼ぶ前に開放骨折に気付いたら、必ずそのことも伝えましょう。
なんて怖い開放骨折!
すぐに病院へ行かなくちゃ!
と、その前に。
現場でしなければいけないこと。
それは応急処置です。
ここからは、一般人のあなたでもできる応急処置をお教えします!
出血量を減らすために、出血部位を心臓より高くすることを考えます。
ただし、出血している部分や、飛び出ている骨に、絶対に触れてはいけません。
足の場合は、身体を起こし、心臓を足より高くするだけでもOKです。
腕の場合は、寄りかかるように座るか、仰向けに横になり、痛みのない姿勢で、可能な限り腕を高くあげておきます。
次に、出血部位よりも心臓に近いあたりで、動脈をしばらく抑えて止血します(圧迫止血)。
まだ使っていない清潔なタオル、キレイなシャツなどで、傷口をふんわり覆います。
このとき、絶対に上から抑えつけてはいけません。
飛び出している骨を押し込むのは厳禁。
ギリギリ形を保っている骨にトドメを刺すことになります。
次に、手近なところに使えるモノがあれば固定します。
無理に動かそうとせず、そのままの形で、骨折している部分の上下の関節まで、動かないように固定しましょう。
開放骨折がキレイに治るかどうかは、ケガをしてからの時間にかかっています。
タイムリミットは6時間程度。
それまでに設備の整った医療機関できちんと治療を受けることができないと、切断が必要になる可能性もあります。
特に交通事故の場合は、先に110番にかけてしまいますが、開放骨折に気付いたらすぐに119番、救急車を呼びましょう。
開放骨折を見ると、周囲の人は動揺し、何もできないかもしれません。
もし、その中で冷静な人がアナタだけの場合、先頭を切って応急処置を始めなければなりません。
まずは、骨折の状況を確認して…
そこで待った!
他人の血液に直接触れることは、今度は自分が感染するリスクもあるのです。
そんなときは、ビニール手袋やビニール袋を使って、自分の手を覆うこと。
どうかお忘れなく!
以上、開放骨折の応急処置についてでした。