2015.04.01

強制加入?義務?自賠責保険のアレコレに少し触れてみよう


自動車保険について、“自賠責保険は強制加入”“任意保険に入っておけば安心”といった言葉を耳にするかもしれません。

そして、「任意保険」については多数あるプランの中から自ら選ぶことが多く、自動車を運転する前段階で目に触れる機会が多いと思いますが、「自賠責保険」とはどういうものなのか、よくわからない方も多いのではないでしょうか。


ということで今回は、自賠責保険の基本について解説していきます。

“自賠責保険は強制加入”ってどういうこと?


自賠責保険の正式名称は「自動車損害賠償責任保険」です。
内容については『自動車損害賠償保障法(自賠法)』で定められています。

自賠法によると、自賠責保険に加入していない自動車(原付も含む)は、運行の用に供してはいけないとされています。
つまり、走行させられないということです。

この規定に違反して、自賠責保険に加入していない自動車を走行させた場合には、1年以下の懲役または50万円以下の罰金に処されます。
また、自賠責保険の保険証明書は、常に自動車に備え付けておかなければなりません。
保険証明書を備え付けずに自動車を走行させた場合には、30万円以下の罰金に処されます。

このような規制が、“自賠責保険は強制加入”と言われている所以です。

自賠責保険の被保険者は誰?


保険会社から、事故に際して保険金を支払われる人を「被保険者」といいます。
自賠責保険の被保険者は、自動車の保有者と運転者です。<自賠法11条>

ここでいう保有者とは、自動車の所有者、その他自動車を使用する権利を有する者のことです。
ですので、例えば、従業員に業務上で自動車を使用させている雇用主なども該当してきますね。

ちなみに、自動車を盗んだ人は、被保険者にはなりません。
当然ですが、自動車を盗んだ人が事故を起こして、誰かに怪我を負わせたり死亡させたりした場合、保険金は支払われません。

自賠責保険と任意保険の違い


まず、任意保険は自賠法によって加入の強制はされておらず、あくまで自分の意思で加入する点で自賠責保険と異なります。
ここは周知のことかと思います。

それから中味ですが、自賠責保険は人身事故による損害のみを填補しますが、任意保険はこれに加えて、対物事故等による損害の填補も目的としています。
人身事故に関しては、任意保険は、自賠責保険の負担額では損害を全部填補できない場合に適用されることになります。
自賠責保険は自動車を「運行の用に供している」最中の人身事故のみを対象としています。
普通の走行中のみ、と考えていただければ分かりやすいと思います。
それに対して、任意保険の適用範囲は広く、「所有・使用・管理」に起因する人身事故も対象としています。
例えば、車庫への格納、駐車場での陳列の最中に起こった事故による損害も填補されます。

さらに自賠責保険は、被害者の救済を目的とすることから、自損事故は救済外です。
また、運転手の父母、配偶者、子が被害者のケースでは、損害は填補されません。
任意保険では契約内容にもよりますが、自損事故についても多くの場合は損害が填補され、原則として、親族間の事故についても保険金が支払われるようになっています。
その他、被害者の救済という目的から、自賠責保険は任意保険と比較して、保険会社の責任が免除されるケースが制限されています。
被害者に過失がある場合でも、7割以上の重大な過失がある場合に限り、2割から5割の減額が認められるに過ぎません。
この点で、広く被害者の過失による減額が認められる任意保険と大きく異なっています。



簡潔にまとめると、自賠責保険は適用範囲は狭いものの、加入が強制され、免責が原則的に認められない、比較的厳しい内容の保険だということになります。
ここは必ず覚えておいてください。


これから自動車を購入する方も、現在自動車を運転している方も、この機会に自分が加入している自動車保険の内容について、今一度確認してみましょう。






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