2015.04.07

自賠責保険だけでは足りない?任意保険との共働きでいきましょう

「自賠責保険」は「任意保険」と出会って初めて強くなる


自賠責保険は、自動車事故によって発生した損害を全て填補するものではありません。
人身事故の被害者の救済のために、最低限の損害賠償を補填するものに過ぎません。
そのため、自動車損害賠償法では、支払われる保険金額について限度額が定められています。(金額は全て被害者1人当たりのもの)

自賠責保険は任意保険と出会って初めて強くなるということは認識しておきましょう。

以下、自賠責保険のみでの補償額を具体的に見ていきます。

被害者が死亡した場合の補償額


死亡による損害について、支払われる保険金の限度額は、3,000万円と定められています。
この3,000万円の中には、葬儀費用(100万円まで)、逸失利益、死亡慰謝料が含まれています。

なお、逸失利益とは、交通事故によってその被害者が死亡しなければ、その後得られたであろう経済的な利益のことです。
計算式は複雑ですので、ここでは割愛します。
いざとなったら計算はその道のプロにお任せしましょう。

死亡慰謝料とは、被害者が死亡したことによって発生する被害者本人や遺族の慰謝料のことを指します。
この3,000万円とは別に、被害者が死亡するまでの間にかかった治療関係費や文書料、休業損害や入通院慰謝料については、120万円を限度として支払われます。

被害者が傷害を負った場合の補償額


(1)介護が必要な後遺障害が残った場合

被害者が傷害を負って、その後、後遺障害が残ったとします。
この後遺障害については、金融庁及び国土交通省により、障害の程度に応じて14の等級が定められています。
そして、その等級に応じて自賠責保険の保険金額の支払い基準が決められています。
介護が必要なケースとして想定されているのは、1級及び2級に該当する場合です。

例えば、1級に該当するものとしては、両目を失明した場合や、両腕の肘から先を失った場合、両足の膝から下を失った場合が挙げられます。
2級に該当する例としては、両目の視力が0.02以下になった場合や、両腕の手首から先を失った場合、両足の足首から先を失った場合が挙げられます。
1級に該当し、かつ介護が必要な後遺障害が残ったケースでは、4,000万円を限度として、保険金が支払われます。
2級に該当し、かつ介護が必要な後遺障害が残ったケースでは、3,000万円を限度として、保険金が支払われます。
この中には、逸失利益(被害者が後遺障害を負わなければ、その後得られたであろう経済的利益)と後遺症慰謝料が含まれます。
そして、これとは別に、120万円を限度として、介護が必要な後遺障害が固定した時点までの治療関係費や文書料、休業損害、入通院慰謝料が支払われます。


(2)要介護に至らない後遺障害が残った場合

(1)で紹介した場合以外で、後遺障害が被害者に残ったケースでは、各等級に応じて定められた限度額の範囲内(1級3,000万円から14級75万円まで)で、逸失利益や後遺症慰謝料に対する保険金が支払われます。
その他、120万円を限度として治療関係費、入通院慰謝料等が支払われるのは1の場合と同じです。


(3)後遺障害が残らなかった場合

被害者が傷害を負ったものの、その後、後遺障害が残らなかったケースでは、120万円を限度として、治療関係費、入通院慰謝料等につき保険金が支払われることになります。




以上、自賠責保険で支払われる保険金は低額である、という印象を持ちましたか?
実際、交通事故の被害者やその遺族には、自賠責保険でカバーしきれない損害が発生しているケースが非常に多いです。

自賠責保険でカバーできる範囲を超える損害については、加害者が任意保険に加入している場合、任意保険でカバーされることになります。


このように、自賠責保険はあくまで最低限の被害者救済を目的とするものであるということは意識しておきましょう。






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