2016.08.23

【ドローンの可能性】空の産業革命「5年後には1,000億円規模?」

少し未来の話をしよう。


『最近、株価がジリ貧だとか、日本はずっと低成長だとか、景気の悪い話が多すぎる。夢のある話はないものか。』と溜め息をついて批評家ぶっていても仕方ないので、少しは希望が持てる明るい話題として、今回はドローンを取り上げます。

その字面は、ポケモンGOで出現してくる新しいキャラクターのような響きもありますが、今回述べるドローンは至って真面目な方のやつで、昨年総理官邸の屋上や長野県の善光寺境内に落下したことでも世間を騒がせた飛行物体のことですね。

『あぁ、ラジコンみたいな機材のことか。そう言えば、テロで使われたら大変なことになるかもしれないとか何とか言われてたな。そんなものが夢のある話?』という疑問もごもっとも。

あのような事件で注目を集めたドローンは、少し危険なもの、厄介なものといったイメージを抱いている方も少なくありません。
ところが、そうしたマイナスイメージとは裏腹に、もしドローンが本格的に産業分野で活躍するようになれば、2015年時点で100億円前後の市場規模が5年後には1千億円超と、わずか5年で10倍以上の飛躍的成長を遂げるという試算があるくらいです。
そして、数字上のインパクトもさることながら、ドローンが産業分野でしっかり機能するようになれば、我々の暮らしや産業構造が大きく変革する可能性を秘めているので、ドローンは“空の産業革命児”とも呼ばれています。


“空の産業革命”と聞くと、なんかスゴイことが起きそうな予感がしませんか?

ドローンとは?


ドローンは、元々は軍事用に開発された無人航空機のことを指していましたが、現在世界中で主に「ドローン」と呼ばれているものは、無人飛行する小型のマルチコプターのことです。
ちなみに、回転翼を2枚持つものがヘリコプター、3枚以上持つものがマルチコプターと呼ばれます。


じゃあ、ラジコンも小型で無人飛行するけど、ラジコンとドローンではどう違うのか?というところですが、ラジコンとドローンを同じ括りで紹介している場合もあれば、GPS機能を備えて目的地まで自動飛行できるラジコンを特にドローンと呼んでいる場合もありますので、現在のところ両方の捉え方があると考えておいてください。
いずれにせよ、ドローンはラジコンの一種です。


ドローンの産業利用

すでに始まっているドローンの産業利用と画期的な成功例


では、そんなドローンを産業利用したら将来どんなことが起きるかですが、将来ではなく、一部産業ではすでに画期的なことが起きていますので、事例をいくつかご紹介します。


<1>建設現場での測量
従来の測量方法で5日程度必要な現場測量を、ドローンと専用プログラムを活用して行えばたった1日で完了。(工数1/5)


<2>農地への農薬散布
人手で農薬散布を行う場合は1ヘクタールあたり約160分かかるのが、ドローンに農薬噴霧器を搭載して飛行散布させれば約10分で終了。(工数1/16)


ドローンの産業利用は建設業や農業にとどまりません。


<3>宅配や物資輸送
国内でも実証実験が進んでいるのが、ドローンを利用した宅配。
ドローンを使えば、山間僻地や離島であっても短時間で物資を届けることができますし、過疎地で暮らす人々にも生活物資をより届けやすくなります。
また都心部であっても、ドローンは渋滞知らずで、特に高層マンションやビルの上階では、エレベーター待ちで足止めされることなくスピーディーに物資を届けられます。
なお、災害が多い日本では、被災地にスピーディーに救援物資を届ける切り札として、ドローンの活用が期待されていますね。
そして肝心のドローンが運べる物量ですが、現在国内で販売されている業務用ドローンで10kg程度です。
一方、海外では数百kgの物資を運搬する機種も開発されています。


<4>点検や監視
ドローンを使えば、上空から施設の点検や監視を行えますので、犯罪防止や各種メンテナンスの効率化も期待されています。
特にアメリカなど国土の広い諸外国では、数百km以上のパイプライン施設などがあって、これらの点検を行うには膨大な人員と時間が必要ですが、ドローンを活用すれば難作業を現状の数十分の一という工数で実施できるようになります。


<5>GoogleがWi-Fi基地局としての活用を目論む
Googleは、太陽光発電を搭載し上空に数年程度飛行し続けることのできるドローンを“空飛ぶWi-Fi基地局”として活用することで、全世界のモバイル通信環境を劇的に向上させるという構想を持っています。



ドローンが空の産業革命児と呼ばれるのも、納得ですよね。


ドローン実用化における課題


そして当然、ドローン普及には克服しなければならない特有の課題があります。

例えば、ドローンに10kg程度の金属を運ばせるとしましょう。
その10kgの金属が上空から落下して、もし人を直撃したらどうなるか分かりますね。
仮にドローンが、産業用として大活躍するようになり、日本上空を縦横無尽に飛び回るようになれば、何かしらの事故が起きる可能性は無視できません。
他にも、ドローンはカメラを搭載していますから、ドローンを飛ばせばビルの高層階であっても、盗撮や覗きを行えてしまうので、様々なプライバシーが容易に侵害されやすくなります。
また、総理官邸に落下した際も話題になったように、テロリストがドローンに危険物を積んで目的地まで運ぶなど、テロ行為を助長する危険性も孕んでいます。


よって、ドローンの産業利用を無制限に許可して構わないという訳ではなく、一定のルールと法規制が必要でしょうし、場合によっては、“ドローン操縦資格制度”も必要になってくるでしょう。

現在日本政府では、ドローンの規制と産業利用促進の両面から検討中で、新たな法制度の枠組み等が2016年夏から秋にかけて懸案される見込みです。


最後に


空の産業革命と言われるくらいに、大革新をもたらす可能性に満ちたドローン。
大きな変化を起こす分、副作用も大きく出ることもあるでしょう。
ただし、基本的にイノベーションというのは諸刃の剣的な側面もあるので、悲観的になりすぎる必要はありませんし、負の部分ばかり見つめていては、時代は進化しません。

悪い部分をどうなくしていくか、いかに最小限にとどめるかが今後の課題で、官民含め社会全体で克服する方向に動けば、ドローンの普及はますます進んでいくでしょう。
要注目トピックです。


なお、楽天もドローンを活用したサービスを始めていますので、興味のある方はチェックしてみてください。





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