2015.11.13

夢も、ビジョンも、センスもある。が、金がない!「クラウドファンディング」をご存知?

「成功」するかどうかは分からない。でも、「成長」することはできる。

こんにちは。
毎度、経済何でも伝道師、ピタゴラです。


今回はですね、株式市場が盛り上がりムードにある昨今において、ジャパニーズ・ドリームという表現に最もふさわしいであろう「起業」にまつわるお話をします。

前置きとして、10年前などと比べると、現在の日本では起業というものが本当に夢物語ではなくなっています。
例えば、金融機関からお金を借りなくても(→負債を抱えなくても)事業を興せる環境が、加速度的に整ってきていますし、VC(ベンチャーキャピタル)の資金がそれなりに余っているような状況で、有望な投資先を常に探しているような潮流にあったりします。
シードアクセラレーターと呼ばれるような、初期のスタートアップをガッツリ支援するような企業も徐々に増えてきていますね。


さて、本題へと入る前に、まずはイマジネーションを最大限に高めて、前のめりになっていただきたいと思います。


『「成功」するかどうかは分からない。でも、「成長」することはできる。』


エンジンかけて参りましょう!


Prologue<プロローグ>

想像してみてください。

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あなたは、かねてからの自分の想いを、ビジネスを通じて具現化すべく、野心と自信に満ち溢れた「起業家の卵」です。

実行したいビジネスアイデアは山の様で、どれも勘所を押さえていて、上手くいきそうな気がしています。
そして、まだまだ年齢も若く、フットワークは超絶に軽く、求心力もあり、ビジネスをガンガン推進していけそうです。
カリスマ性もあります。

ビジネスを拡大させることができた暁には、積極的に次なる投資を行うと共に、世の中を少しでもハッピーにしたい。
心の底から偽りなくそう思っています。

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実に素晴らしいですね。
応援したいと思いますよね。



余談ですが、「ソートリーダーシップ(Thought Leadership)」という言葉があるように、特にこれからの時代においてビジネスの成否を担っているのは、大きく属人的な部分だったりします。
人の情熱が金を動かし、情報を動かし、人を動かしていくのですが、世の中の商材が真の意味でコモディティ化していく渦中では、真摯に人の心を動かすことであったり、「先見性」や「見通し」と共に、熱量と破壊力の伴ったセンスとソリューションを声高に示唆することが、非常に大事になってくる訳ですね。

この度、題材として2本目の映画の製作が行われたスティーブ・ジョブズ氏がいかんなく発揮していた素質は、このソートリーダーシップだと思いますし、“ビジネスアーティスト”あるいは“ビジネスエンターテイナー”になれるかどうかが決定打なのだといった議論が、にわかに増えてきています。



当メディアINLIFE編集長さんのコラムにも、そういった内容のものがあります。





話を本筋に戻しますが、上記の若者に足りないと思われるモノは何でしょうか?

野心も、アイデアも、若さもあります。



経験でしょうか?
そうかもしれません。
ただ、勢いと熱意があれば、経験は積んでいけます。











はい、そうですね。
【お金】です。






起業やスタートアップにとって、お金は「ガソリン」であり「信用」である。

そこまで想像に難くないのですが、センスある経営者の能力を最大限に発揮させるうえで、絶対的に不足しているのはお金だというのは自明です。
ビジネスが軌道に乗るまでは、言わば耐久戦なんですね。

『親が大富豪なので~』
『totoBIGが当たったので~』

こういった方々は例外なのですが、ほとんどのビジネスの場合、資金調達が最大の難所になってきます。

お金があれば、事業の推進スピードを維持しながら、さらに加速させることさえもできますし、事業の継続性を担うのもお金の役割ですよね。


そして何より、お金はビジネスの信用を生みます。


例えば、あなたがインターネットで、知らない会社を検索した時に、信用できるかどうかを何で判断しますか?

資本金、上場か未上場か、従業員規模、売上…
これらは全てお金があってこそなのです。







はい、そこで!
今回の主役である、クラウドファンディングが満を持して登場ですね。

クラウドファンディングは、端的に、豊富な財を有する人たちの支援によって、起業家などがビジネスに邁進できる仕組みです。

クラウドファンディングの概要と事例

クラウドファンディング

クラウドファンディングの語源を説明しますが、

“Crowd”=群衆
“Funding”=資金集め

この2つを合わせた造語です。


「皆で力を合わせて大金を集めよう!」という響きだけを聞くと、少しお祭り的な感じもありますが、クラウドファンディングには、資金提供者に対するリターンの有無などを基準に、大きく分けて以下3つの種類が存在しています。

■金銭的リターンのない「寄付型」
■金銭的リターンが伴う「投資型」
■当該プロジェクトが提供する、何らかの権利や物品を購入することで支援を行う「購入型」


ただ、起業家支援をイメージさせる「寄付型」や「投資型」のクラウドファンディングは、日本ではまだまだ実績も少ないのが現状です。
日本では、資金決済に関する法律上、個人間での送金や投資について制限があるので、「購入型」が最も認知されていて、気軽に参加できる点がウケています。


では、そんな「購入型」のクラウドファンディングの事例は、どういったものがあるのか、チラッと覗いてみましょう。

著名人の講演

著名人に講演をしてもらうために、その講演費用を皆で捻出するものです。

購入によるリターンとしては、

・講演で著名人の話が聞ける
・講演の後の懇親会に参加できる(立食パーティーや名刺交換会的なイベントなど)
・講演のパンフレット等に名前が載る

などがあります。

取材

こちらは、ジャーナリストの津田大介氏が成功させた事例(⇒チェルノブイリ復興の実態を探るプロジェクト)もあるのですが、資金援助を受けることで、特定の地域への取材やインタビューを行い、支援者の知的好奇心を満たすようなタイプのものです。

購入によるリターンとしては

・取材内容やインタビューをまとめたDVDや写真集の配布
・プロジェクトメンバーとの食事会への招待

などがあります。





これ、どことなく、AKB48の売り出し方に似ているかも…と感づいた方はいらっしゃいますか?


そうですね。
応援するためにCDを購入することで、その見返りとして握手会に行けたり、一緒に写真が撮れたりするという点で、結構近いものがあります。

クラウドファンディングの今後の展望

そんなクラウドファンディングですが、今後国内でどのように発展していくのでしょう。


日本との相性を考えて、現実味のある展望を挙げてみます。

ソフトウェア等の開発支援

2014年8月、総務省は、“第二のスティーブ・ジョブズ”を探すという名目で、優秀で意欲のある開発者の発掘支援として300万円の援助金を出すという、お触れを出しました。

これは事実上、「国をあげてビジネス支援を行っていく」という意志表示と見て取れますね。

そして、「お金を持っているところ(国)」が「お金は無いけど技術があるところ」に手を差し伸べるという構図です。

前述したように、法律の都合上、大規模なお金が動く上場支援や経営支援等では、クラウドファンディングはNGとなる可能性は無きにしも非ずですが、世の中がより便利になるソフトウェア等の開発とは馬が合うかもしれません。

映画やドラマ等の製作支援

映画やドラマの撮影というのは、想像以上に大金がかかります。
例えば、アメリカのハリウッド映画の超大作であれば、数百億円かけて製作されるなんてこともあったりしますよね。

キャストやスタッフへのギャラ、移動車、ロケ費、スタジオ利用料、編集費、小道具、飲食代…
いくら映像関係の技術が発展しても、製作費用全体はなかなか下がっていかないのが現状です。

面白いアイデアや画期的な技術を支援するうえで、クラウドファンディングとマッチするかもしれません。




Epilogue<エピローグ>

世界中で経済格差が問題になることが往々にしてあります。

経済格差を量る指標で、国連とCIAが調査算出しているジニ指数(※0に近づくほど格差は小さい)というものがありますが、その指標を見てみると、少しばかり電撃が走ります。

アメリカ:45.0%(2007年)
日本:37.6%(2008年)

なお、世界一は南アフリカの65.0%(2005年)


先進国の中では格差の緩い国だと思われがちな日本でも、アメリカに肉薄するところまで来ていることを示しています。



そんな中、富める者が持たざる者を支援し、格差の溝を少しでも埋めていければ、どんなに幸せでしょうか。
クラウドファンディングのミソは、ここにあります。

日本には元来、困った人がいればボランティアに参加したり、経済的な支援を行うといったように、相互扶助文化が根付いているので、この助け合い精神とクラウドファンディングとの相性は良いかもしれません。




そして、自らが率先して発案し、夢を語り続け、描く未来に賛同してくれる周囲からの支援によって前進していくこと。
これは、時や場所は関係なく、人間社会を生きるうえでの磐石のセオリーでもあります。


大量生産・大量消費の時代はすでに過ぎ去りました。
今は、モノは必要な分だけ生産し、適切に消費し、不足分は潤沢なところから持ってくる、そんなエコシステムが機能する時代であり、私たちは新たなパラダイムの中に生きています。

今回ご紹介したクラウドファンディングも、そんなパラダイムからの産物なのです。





以上、ピタゴラでした。






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