車を購入するときに気になる備えは、やはり事故を起こしてしまった場合の備え。
一方「盗まれる」ことに対する備えは、案外抜けてしまいがちです。
ところで、知っていましたか?
車上荒らしの認知件数自体は平成14年をピークに年々減少しているものの、それでも平成25年の統計で年間8万件以上も発生しています。
そして、検挙率は、たった2割程度です。
つまり、車上荒らしに遭った人のうち、およそ80%の人は、泣き寝入りをせざるを得なかった、ということになります。
おまけに、車上荒らしに遭ったとしたら、当然車両も壊されてしまいます。
つまり修理代も払わなければなりません。
「盗まれること」への備え、必要ですよね?
任意保険でセットになっていることも多い車両保険は、あくまで車両そのものの損害を填補することを目的としています。
ですから、車上荒らしによって盗まれた、車の中の物品については、補償の対象外になります。
車両保険に入っているから大丈夫だと思っている、そこのあなた!
車両保険でカバーしてもらえるのは、車の修理費用とカーナビのみです。
間違えないようにしてくださいね。
カーナビは、車に“装着”されているものなので、車両と一体のものとして、車両保険で補償されるのです。
また、車両保険とセットになっていることが多い「車両積載動産特約」というのは、『車両盗難に遭った際に、車の中に置いていたものを補償するもの』です。
要するに、残念ながら、車自体は盗まれていない車上荒らしは、補償の対象外になってしまいます。
大事なパソコンが盗まれていたら…?
お気に入りのキャンプ用品が盗まれていたら…?
保険で補償されないとなると、車から降りる度に、大事な荷物を下ろさなければなりません。
では、どうすればいいのでしょうか?
「車上荒らし」で盗まれた物を保険で補償してもらうには、「車上荒らし用の別の特約」に入らなければなりません。
保険会社によって、特約の名称は違うようですが、「身の回り品特約」などと呼ばれることが多いようです。
ただ、特約に入っているからといって、何でも補償されるわけでもないので要注意です。
対象外となるのは、お金や株券などの有価証券、貴金属類、ペットなど。
大事なペットを車内に置きっぱなし、そんなこと滅多にないとは思いますが…
また、通常の保険では5,000円程度が免責金額というものになっていて、補償されないことが多いみたいです。
例えば、56,000円のカメラが、車上荒らしによって盗まれてしまった場合には、5,000円を差し引いて、51,000円が補償されるということです。
さらに、「身の回り品特約」に入るには、「一緒に車両保険に入ることが必須」となっている保険会社が多いようです。
車両保険に入っているかどうかも、身の回り品特約に入る場合には要チェックです。
以上、車上荒らしも保険でカバーすることはできます。
しかしですね、十分な補償をしてもらえるとは限らないうえ、何よりも、盗られたものは返ってはきません。
大事なパソコンも。
お気に入りのキャンプ用品も。
愛するペットも。
補償で同じものは返ってはこないのです。
車から離れるときは、必ずロックする。
長時間、車を放置しておかない。
本当に大事なものは、積みっぱなしにはしない。
悲しいことにならないように、普段から、このような心がけを実践してくださいね。