2017.02.08

奥秩父の冬の絶景「三十槌の氷柱」は、ロマンティックが全然とまってくれない

◇新宿から高速と下道で約2時間半


季節は冬。

冬といえば、コタツにミカン。
ではなく、冬景色だ。

そう、筆者は美しき冬の絶景を拝みたいのである。

一方で、雪国育ちの筆者は、例えば大都会東京の仮に積もったとて薄っすらとしか積もらない、積もっているつもりの雪、言わばツモリちゃんでは全くもって感動しない。
それは寒い寒い、である。

要するに、美が寒さを超えなければならない。
鳥肌が寒さからではなく、美から来ないといけないのである。



あ~あ~。
Ah~Ah~。
どこかに関東ならではの、美しき景観を持つ秘境はないものだろうか。


と、秘境リサーチを続けていると、埼玉の奥秩父に1月から2月にかけての期間しか味わえない絶景があるとの情報をキャッチ。

そこは「三十槌の氷柱」。
絶景が見られるのは夜で、いわゆるライトアップ系らしい。




は?
サン・ジュウ・ツチ・ノ・コオリ・バシラ?
おい、途中に伝説の生き物が入ってきとるやん。


と小ボケをかましながら、正しくは“みそつちのつらら”だ。
コオリバシラと書いて、ツララと読む。
漢字を勉強中の学生諸君、覚えていたまえ。


さて、とにかくだ。
そこに秘境があるのなら行かなければ気が済まないのが、自称秘境通の性である。


Hiho Hiho to ミソツチノツララ


「三十槌の氷柱」へは、東京の新宿から車で約2時間30分。

練馬ICまで都道を進んで関越自動車道に入り、花園ICで降りて秩父および寄居の標識に従い、国道140号線方面へ。
そのまましばらく走って皆野寄居有料道路に乗り、国道140号線に入って、あとは小一時間下道を進めば到着だ。


周辺には案内板があり、入り口にも交通整備員が立っているので迷うことはないだろう。




この日、到着したのは15時過ぎ。

「三十槌の氷柱」がライトアップされる17時までは少し余裕があるわけだが、ビフォーアフターを見比べようということで、車を停め、いざ参ろう。

三十槌の氷柱への下り口



見るからに急な下り坂を降りていくと、途中に鳥居がある。


どうやら水天宮を祀っているらしく、大昔から水難除け、安産、家内安全を祈願するために、たくさんの人がやってきたのだとか。


下まで滑ってしまわぬよう安全祈願をいたしながら、目的の氷柱のある場所まで歩みを進めた。
なお、滑らない=受験に落ちない、ということで受験生的にもご利益がありそうですな。




ということで、早速お目当ての「三十槌の氷柱」とご対面。
これがライトアップ前だ。

三十槌の氷柱



うむ。
たしかに綺麗は綺麗だが、ライトの力を借りていない状態の純粋な氷柱にしては上出来なんじゃないの、といったところか。

ふっふっふ。
雪国出身の目を舐めるでないぞ。
冬の審美眼を舐めるでない。
サブイボが立たないぞ。
美から来るサブイボが立ってこないぞ。



みたいなことで、気を取り直して、別の氷柱を見に行こうではないか。



続きまして、上流にある氷柱。

上流にある氷柱



うむ。
先ほどの氷柱は完全な自然物だが、こちらの氷柱は人工的に作り出したものらしい。
人工なだけあって成長が早く、氷柱のサイズも段違いで、かなりダイナミック。


よく子どもの頃に、氷柱の下で遊んじゃいけません!と怒られたものだが、実際にこのデカさの氷柱が頭に落ちてきたら…と考えるだけで恐ろしや。

良い子の皆はオモシロ半分で氷柱取りをしてはいかんぞ!

と、高尚な人種を気取りつつ注意喚起を済ませたところで、さらに離れた場所にあるという、もうひとつの氷柱を見に行くことに。
氷柱をめちゃんこ近くで見られるというのに、あまり人がいないという穴場的スポットのようだ。



一旦来た道を引き返し、川に沿って歩いていくと、右側にコテージがいくつか建てられている。
というのも、「三十槌の氷柱」がある場所は、「ウッドルーフ奥秩父オートキャンプ場」直下の河川敷であり、春から秋にかけてはキャンプ客が川遊びをする場所だそう。


隠れた氷柱があるのは、そのコテージ群の下。

離れた場所にある氷柱



ほっほぉ。
さすがにここまで寄ると、自然の神秘が感じられるのではないだろうか。

個人的にはこの氷柱が一番お気に入りだ。


暖炉がステキすぎるカフェ


一通り回って、まだライトアップまで時間があるということで、入り口にあったカフェで食事がてら暖でも取ろう。

三十槌の氷柱入り口にあるカフェ



建物の大部分が木で出来ており、室内は梁がむき出しになっている。
木造好きにはたまらない造りである。


カフェ内観



部屋の奥には暖炉が設置されており、主観全開で失礼するが、軽井沢のあるいは西伊豆の別荘的な雰囲気を醸し出している。


カフェの暖炉



うん、ステキやん?
ね、ステキやん?


んで、ひとしきり物色したところで席に着き、メニューに目を通す。



秩父と聞けばうどんを想うが、以前『秩父華厳の滝』に行った時に、とぅるっとぅるのうどんを食べたので、今回は「舞茸ご飯セット(税込800円)」に決定。

さらに、秩父のB級グルメとして有名?な「みそポテト(税込300円)」も注文。




しばらく待って、料理到着。

舞茸ご飯セット、みそポテト



まず舞茸の香りが鼻腔をくすぐり食欲MAX!!



けんちん汁からいただこう。


し、染みるぅぅ~。
ごぼう、にんじん、大根といった野菜の甘みと豚肉の旨味が汁にちゃんと溶け出してるぅぅ~。
冷え切った身体をしっかり温めてくれるぅぅ~。



はい、文字だけでは表現力にどうしても限界があるので、もう早く、次は舞茸ご飯。



舞茸の出汁がご飯に染み込んでるぞぉぉ~。
ほんのり効いた醤油の香ばしさと相まって箸が止まらないぞぉぉ~。



はい、最後は、みそポテト。
どうやらジャガイモの天ぷらに味噌ダレがかかっている模様。



おっとぉぉぉ!
ジャガイモがホクホクしてるぅぅぅ!
ホクホクってしてるぅぅぅ!
ホックホックホックぅぅぅ!
あま~い味噌ダレがホックホクのジャガイモに絡んで大・恋・愛☆



というわけで総評すると、どれも家庭的な美味。
インパクトこそ小さいが、これぞ日本のオカンの味。
正月に食べる母親の料理を思い出し、ノスタルジックな気分になりましたよ。

おう、なっちまったよ。

おふくろぉぉぉぉぉぉぉ!!!


ライトアップされた氷柱に恍惚


テンションあげあげの食事を終えると、そろそろ氷柱がライトアップされる時間に。


陽は徐々に傾いて、それに伴ってだんだん人も増えてくる。
入り口にあった鹿のオブジェも電飾で光り輝いており、暗い夜道を照らしている。




勇み足で坂を下り、氷柱の前へ。


三十槌の氷柱ライトアップ



うわ、ええやんけ!!
いやいや、めっちゃええやんけ!!!


普通に感動。
さっきライトアップされていないパターンのやつを見て、別にたいしたことないなぁとか思っていた分を取り返したい衝動に駆られて、さらに感動。


様々な色にライトアップされた氷柱は極めて幻想的で、ロマンティックがとまらない。
全然とまってくれない。


今にも、プルルルルゥハッ!とSHAKEの最初の木村拓哉さんばりに叫びたくなる衝動に駆られながらも、周りのロマンスにややこしい水を差すのも悪いので、心の中で留めておいたぜ。


とにかく、言葉が氾濫するほどに美しいのだ。
それだけは分かってくださいな。


言うなれば、ライトアップ無しの氷柱の美しさがレベル40だとすれば、ライトアップ後はレベル100ぐらいある。
これぞ劇的ビフォーアフター。
匠もビックリ、オドロキ、モノノキ、ツララッキー。


諸々のドンズベりはさておいて、たかが氷柱、されど氷柱。



そんなこんなで、奥秩父の冬の絶景をしっかりと心に焼き付け、帰路についた。


あとがき


埼玉県奥秩父にある、冬のおよそ2ヶ月間しか拝むことのできない絶景「三十槌の氷柱」は、凛とした美しさを体感したい人にはだいぶオススメのスポット。

ちなみに、ライトアップされた氷柱を見た後は暗い道を帰らなければならないので、注意を怠らないように。


冬の季節は何かと引きこもりがちになってしまうが、せっかくその時期にしか見られない風景、体感できないエンタメがあるのなら、享受しないともったいないのである。


なお、氷柱のライトアップは1月初旬から2月中旬頃までと相当短い期間になっているので、気になる人はすぐにでも足を運んでみよう。
もちろん、来年でもいいよ。
再来年でもいいね。
10年後でもいいよね。

いや、どこまでいくね~ん、アホちゃうか~、思い立ったらすぐ行きなはれや~。
(※筆者は関西人ではございませんが、オマージュを込めて随所に使用させていただきました)



◇text:日下部貴士/A4studio



「三十槌の氷柱」INFO


■住所
埼玉県秩父市大滝4066-2

■電話番号
0494-55-0862
(秩父市大滝総合支所産業振興課)

■営業日
1月初旬から2月中旬頃まで
※2017年は1月7日(土)から2月19日(日)まで

■営業時間
8:00~17:00
※ライトアップ時は平日19:00・土日祝21:00まで

■料金
無料
※駐車場は普通車500円・バイク200円







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