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トップ 知って得する!自動車保険コラム 自動車税(種別割)の還付金は廃車で受け取れる?条件や手続きを解説

自動車税(種別割)の還付金は廃車で受け取れる?条件や手続きを解説

自動車税(種別割)の還付金は廃車で受け取れる?条件や手続きを解説

(公開日:2024年8月29日)

「一時的に車が必要なくなった」「あまり乗らないから車を譲渡したい」などの理由で、車を手放そうと検討している場合、支払った自動車税(種別割)が還付金として戻ってくる可能性があります。

しかし、還付金を受け取ることができる可能性があったとしても、「手続きが煩雑なのではないか」「時間や手間がかかるのではないか」など心配する方もいるかもしれません。実際に、手続きのタイミングによって還付金額が変わったり、地方税の未納があるなどの状況によって結果的に還付されなかったりすることもあるため、あらかじめ基本的な知識を備えておいたほうがよいでしょう。
この記事では、自動車税(自動車税種別割)の還付金を受け取ることができる条件、手続き方法、注意点などをわかりやすく解説します。

INDEX

自動車税(種別割)とは?

  自動車税(種別割)とは?

自動車に関する税金には、以下のようにいくつかの種類があります。

【自動車に関するおもな税金】

そのなかのひとつである「自動車税(種別割)」「軽自動車税(種別割)」は、自動車の使用者や所有者に課税される地方税です。車の所有者は、車の種類や総排気量などに応じて「自動車税(自動車税種別割)」または「軽自動車税(軽自動車税種別割)」のいずれかの納税が義務づけられています。

2019年10月以降、自動車税は「自動車税種別割」へ、軽自動車税は「軽自動車税種別割」へと名称変更されました(この記事では「自動車税」といいます)。

自動車税は、毎年4月1日時点で車検証に記載された車の所有者に課されます。また、地方税の一種(自動車税は都道府県税、軽自動車税は市町村税)のため、4月から翌年3月までの1年分を原則一括払いで納付します。

自動車税や軽自動車税の税額は毎年5月初旬に自宅へ郵送される納税通知書に記載されており、5月末を納付期限とする自治体が一般的です。軽自動車税においては4月末を納付期限としているケースがあります。

なお、原則として軽自動車税には還付のしくみがない(軽自動車税を納め過ぎたときや減免を受けたときは除く)ため、ここからは自動車税を中心に解説します。

自動車税の税額

自動車税の税額は、車の種類や用途、総排気量、総積載量などに応じて決まります。具体的には、乗用車は総排気量、トラックなどは総積載量で税額が決められます。

乗用車の場合、下表のとおり、原則として総排気量が大きいほど自動車税の税率も重くなります。

乗用車(自家用車)の自動車税の税額
総排気量 自動車税の税額
初回新規登録が
2019年9月以前
初回新規登録が
2019年10月以降
1リットル以下 2万9,500円 2万5,000円
1リットル超~1.5リットル以下 3万4,500円 3万,500円
1.5リットル超~2.0リットル以下 3万9,500円 3万6,000円
2.0リットル超~2.5リットル以下 4万5,000円 4万3,500円
2.5リットル超~3.0リットル以下 5万1,000円 5万円
3.0リットル超~3.5リットル以下 5万8,000円 5万7,000円
3.5リットル超~4.0リットル以下 6万6,500円 6万5,500円
4.0リットル超~4.5リットル以下 7万6,500円 7万5,500円
4.5リットル超~6.0リットル以下 8万8,000円 8万7,000円
6.0リットル超 11万1,000円 11万円
電気自動車 2万9,500円 2万5,000円

※出典:東京都主税局「自動車税種別割」

ただし、上表は標準課税で、初回新規登録から13年超のガソリン車とLPG(液化石油ガス)車、11年超のディーゼル車の自動車税額は重くなります(自家用車の場合はおおむね15%の重課)。

税率が重くなる(重課)車がある一方、環境性能に優れた車は税率が軽くなる(軽課)可能性もあります。

乗用車(自家用車)のグリーン化特例
対象車種・要件 特例による自動車税の軽減率
  • ●電気自動車
  • ●燃料電池自動車
  • ●天然ガス自動車
  • ●プラグインハイブリッド自動車
おおむね75%

※出典:国土交通省「自動車税のグリーン化特例の概要」をもとに当社作成

グリーン化特例は、2023年4月1日から2026年3月31日に新車新規登録がおこなわれた車に対し、翌年度1年限り自動車税の軽減を受けられるものです。なお、初回新規登録をおこなった年度分の自動車税は通常の税額で支払います。

自動車税の還付金を受け取る条件

自動車税の還付金を受け取る条件

自動車税は原則として1年分をまとめて支払うため、年度中に車を手放し抹消登録をすると、その翌月以降分の自動車税が還付されたり、納め過ぎや減免によって還付されたりするケースがあります。還付される条件は大きく分けて次のとおりです。

【自動車税の還付条件】

それぞれについて、詳しくみていきましょう。

条件①一時抹消登録をおこなっている

一時抹消登録とは、一時的に車に乗らなくなったときに税金がかからなくなるため、支払った分の税金が還付される手続きのことです。一時抹消登録をすると、自動車の登録が一時的に取り消され、公道を走ることはできなくなります。

しかし、車自体はそのままのこり、不特定の方や車が自由に通行できない私有地や私道であれば走行できます。長期出張などでしばらく乗る予定はなくてもまた乗る予定がある、欲しい方がいれば譲りたいときなどに便利な手続きです。

車に再び乗る場合は中古車として新規登録、知人に譲渡するなどして所有者が変わる場合は譲渡証明書をともなう所有者変更など、車の保有状況に応じてその都度必要な手続きをおこないましょう。
なお、一時抹消登録の手続きに必要となるおもな書類は以下のとおりです。

【一時抹消登録の手続きに必要となるおもな書類】

※1 住所、氏名が変更されている場合は、「変更登録」に関連する申請書および手数料印紙、名義が変更されている場合は「移転登録」に関連する申請書および手数料印紙が追加で必要になります。
※2 車検証記載の所有者氏名・住所と印鑑証明書の氏名・住所が一致しない場合は、変更の経緯がわかる「住民票・戸籍謄本・戸籍抄本」などが必要になります(現在の住民票などで変更の経緯が確認できない場合には、別途「住民票の除票または戸籍の附票」などが必要)。
※3 所有者本人が直接申請できない場合で代理人が申請するときは印鑑証明書の印鑑(実印)を押印した委任状が必要です。

条件②永久抹消登録をおこなっている

車の抹消登録には、一時抹消登録のほかに永久抹消登録もあります。永久抹消登録でも、自動車税の還付を受け取ることができます。

永久抹消登録とは、車を解体するとき(廃車)や、なんらかの事情により車が使えなくなったとき(滅失や用途廃止)の手続きです。

解体による申請の場合、書類に「解体報告記録がなされた日」と「移動報告番号」の記入が必要になるため、車の引取業者やリサイクル券(使用済自動車引取証明書)などで事前に確認しましょう。

滅失や用途廃止の場合は追加で別の書類などが必要なため、事前に運輸局へ確認してください。なお、永久抹消登録では手数料印紙は不要です。

永久抹消登録の手続き後は、対象車の登録情報が完全に抹消されます。通常はスクラップや罹災などで乗れなくなった状態の車に対しておこなわれる手続きであり、手続きを終えた車は存在しなくなるため、二度と新規登録できません。

永久抹消登録の手続きに必要となるおもな書類は以下のとおりです。

【永久抹消登録の手続きに必要となるおもな書類】

※4 車検証記載の所有者氏名・住所と印鑑証明書の氏名・住所が一致しない場合は、変更の経緯がわかる「住民票・戸籍謄本・戸籍抄本」などが必要になります(現在の住民票などで変更の経緯が確認できない場合には、別途「住民票の除票または戸籍の附票」などが必要)。
※5 代理人が申請する場合は、所有者の印鑑の代わりに、印鑑証明書の印鑑(実印)を押印した委任状が必要です。

条件③自動車税を納め過ぎている・減免を受けている

車を所有していても、抹消登録とは別に自動車税の還付金を受け取ることができる場合があります。具体的には自動車税を納め過ぎたときや、ご自身の身体の障害などを理由に自動車税の減免を受けたときなどです。

還付時期は納税先となる都道府県にもよりますが、納め過ぎや減免などの事実が発生した日から2ヵ月以内が目安です。また、自動車税を納め過ぎていた場合には、還付されるまでの日数に応じて還付加算金が追加されます。

なお、原則、軽自動車税は還付のしくみがありませんが、税金を超過して納めていた場合は本人に戻す自治体もあります。

自動車税の還付金を受け取るための手続き

自動車税の還付金を受け取るための手続き

自動車税の還付金の受け取りにあたっては、基本的にご自身で申請手続きをおこなう必要はありません。車の抹消登録を理由に自動車税が還付されるとき、自動車税の納め過ぎや減免を受けたときなど、還付条件に該当すれば、納付先の自治体によって還付手続きが自動的に進められます。

しかし、受け取る段階では一定の手続きが必要な場合もあります。自動車税の還付金は、おもに以下の方法で受け取ることができます。

自動車税の還付金のおもな受け取り方法
受け取り方法 内容
金融機関の窓口 自治体から送付される還付通知書(支払通知書、送金通知書など)を使って、金融機関の窓口で手続きをおこなう※6
ゆうちょ銀行の窓口 ゆうちょ銀行から送られてくる振替払出証書を使って手続きをおこなう
金融機関口座への振込み※7 あらかじめ振込み先口座を登録した方を対象とする など

自動車税を口座振替で支払っているなどの理由で事前に振込み先口座を登録している場合、自動車税の還付金は口座に入金されます。また、車の抹消登録の手続きで提出する「自動車税種別割申告書」で振込み先口座を記入しておけば、口座振込みを利用できます。

口座登録がない方は、自動車税を納付した自治体からの還付の通知を待って、金融機関の窓口で還付を受けます。ゆうちょ銀行での手続きには、振替払出証書が必要です。ほかの金融機関との書類の違いに注意するほか、本人確認書類などを求められる場合もあるため事前に持ちものを確認してください。

また、支払通知書などの送付や口座振込みの時期は、運輸支局などで車の抹消登録の手続きを終えてから2ヵ月後が目安です。

近年は、マイナンバーカードを使った公金受け取り口座の登録が進められています。そのため、自動車税の還付に関する書類送付を取りやめる自治体が増えており、振込み先口座のオンライン登録に対応している自治体もあります。

なお、解体などで車の永久抹消登録をする場合は、自動車税に加えて自動車重量税も還付されます。自動車重量税は車検証の有効期間にあわせて支払う税金(国税)で、新規登録時は3年分、それ以降は車検のたびに2年分をまとめて納めます。還付申請は、永久抹消登録と同時におこなわれます。

自動車重量税は、車を手放した翌日から車検の満了日までの期間が還付の対象です。1ヵ月未満は切り捨てとなるため、車検ののこり期間が1ヵ月に満たなければ還付金を受け取ることができません。

※6「県税過誤納金等支払請求書兼領収証」に記載の住所・氏名と身分証明書の住所・氏名が一致しない場合は、現在の住所・氏名を追記したうえで、変更内容が確認できる個人番号カード、住民票(マイナンバーの記載がないもの)、運転免許証裏面などを提示します。
※7 自治体によっては、ゆうちょ銀行も含まれます。

本人以外の代理人が還付金を受け取るには委任状が必要

自動車税を納税した本人(納税義務者)以外の代理人の方が自動車税の還付金を受け取るには、代理人を証明するための委任状が必要です。

委任状の形式は、フォーマットが指定されていたり、支払通知書の裏面に委任状欄を設けていたりなど、自治体によりさまざまです。また、自動車税の領収証書原本などの書類や提出期限などルールを設けている自治体もあるため、確認のうえ対応しましょう。

自動車税の還付金を計算する方法

自動車税の還付金を計算する方法

車の抹消登録をした場合、どれくらいの還付金を受け取ることができる可能性があるのか、自動車税の還付金額を具体的に計算してみましょう。自動車税の還付金額は、抹消登録や税金の納め過ぎなど、原因となった事実が起こった翌月から1ヵ月単位で計算されます。

計算式と具体例は、以下のとおりです。

たとえば、初回新規登録2019年10月以降の自家用車(総排気量2.5リットル超~3.0リットル以下)をお持ちの方が、自動車税として5万円を一括納税し、同じ年の10月に抹消登録した場合の計算は以下のとおりです。

なお、多くの自治体では自動車税の還付金は100円未満の端数は切り上げとなるため、実際の還付金額は2万900円となります。自治体によって計算の順序や100円未満の端数の扱いが異なるため、正確に計算したい場合は納税先の自治体のウェブサイトなどで確認しましょう。

自動車税の還付を受けるときの注意点

自動車税の還付を受けるときの注意点

自動車税の還付には特別な手続きは不要で、条件に該当すれば自動的に手続きが進みます。しかし、自動車税の還付を受ける際に以下の注意点があります。

【自動車税の還付を受ける際の注意点】

それぞれについて、詳しく説明します。

3月に抹消登録すると還付を受けられない

自動車税の還付を受ける場合、前年4月から3月までの1年分の納税額を月あたりで換算し、月割計算された金額を受け取ることができます。還付金の対象となる月数は、車の抹消登録や自動車税の納め過ぎなど、原因となる事実が生じた翌月からカウントされます。

そのため、2月に抹消登録すれば翌月3月分は還付対象ですが、3月に抹消登録すると日割り計算はされず、自動車税は還付されません。

地方税の未納があると還付を受けられない

自動車税は都道府県に納める地方税(都道府県税)の一種で、もしそのほかの都道府県税に未納があれば、自動車税の還付金は未納分に充当されます。

還付金を未納分へ充当することは地方税法上に規定されており、自治体から自動車税の還付を受ける本人(納税義務者)への事前の通知は必要ありません。

そのため、都道府県税の未納金額が自動車税の還付金額を上回っている場合は、還付されない可能性があります。

車の名義変更や軽自動車税では還付を受けられない

車を手放す手続きには、抹消登録とは別に他人への譲渡などによる車の名義変更(移転登録)もあります。しかし、名義変更は車を使用できなくする手続きではないため、抹消登録のように自動車税の納税義務はなくならず、還付対象とはなりません。

なお、名義変更ではナンバープレートを返却せずにそのまま使用できるので、名義変更のみでは還付金は受け取ることができません。

車の新しい所有者に自動車税が課されるのは、名義変更された後の4月1日です。年度の途中に他人に譲渡して車の名義変更をおこなっても、還付金を受け取ることはできません。事前に当事者同士で負担割合などを相談して、金銭トラブルを招かないよう注意してください。

また、軽自動車に課される軽自動車税(軽自動車税種別割)は、自動車税のような月割での課税や減額に対応していないため、年度途中に廃車しても還付されません。

月をまたぐと還付金が減る

自動車税の還付金額は、原因となる事実が生じた翌月から1ヵ月単位で計算されるため、月をまたぐと還付金が減ります。

たとえば、抹消登録の手続きを完了した日が8月31日と9月1日では、わずか1日の違いでも自動車税の還付金額に1ヵ月分の差が出ます。

車を乗り換えるときは自動車保険の手続きも忘れずに

車を乗り換えるときは自動車保険の手続きも忘れずに

廃車や他人への譲渡などで、今まで乗ってきた車から新しい車へ乗り換える場合は、自動車保険の手続きも忘れずにおこないましょう。自動車保険を契約済みであれば、契約車両の変更手続きをすることで補償をそのままに保険を継続できます。

車の乗り換えをきっかけに自動車保険の見直しをおこなう場合は、自動車保険の一括見積もりがおすすめです。一括見積もりをおこなえば、複数の自動車保険へ一度に見積もりを依頼することができ、補償内容や保険料、サービスなどを比較・検討できます。

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まとめ

まとめ

自動車税は、原則として4月1日時点で車を所有している方が、4月から翌年3月までの1年分を一括払いします。ただし、年度途中で購入や廃車(抹消登録)をした場合には1ヵ月単位の納税や減額に対応しており、抹消登録の手続きをしたときや納め過ぎ、減免があったときなどには還付されます。

なお、自動車税の還付に必要な申請手続きはとくになく、条件に合えば還付金を受け取ることができます。ただし、地方税の未納分に充当される、抹消登録のタイミングによって還付金額が1ヵ月分変わるなど、注意点もあります。

車を手放したのに還付金を受け取ることができないときには、車の名義変更のみおこなっているケースや軽自動車税で還付の対象外になっているケースなどが考えられますので確認するとよいでしょう。

監修者情報

ファイナンシャルプランナー 竹国 弘城先生

監修 竹国 弘城(ファイナンシャルプランナー)

RAPPORT Consulting Office (ラポール・コンサルティング・オフィス)代表。名古屋大学工学部機械・航空工学科卒業。証券会社、生損保代理店での勤務を経て、ファイナンシャルプランナーとして独立。お金に関する相談や記事の執筆・監修を通じ、自身のお金の問題について自ら考え、行動できるようになってもらうための活動を行う。ミニマリストでもあり、ミニマリズムとマネープランニングを融合したシンプルで豊かな暮らしを提案している。趣味はサウナ(サウナ・スパプロフェッショナル)。
https://www.rapportco.com/

【保有資格】
1級ファイナンシャルプランニング技能士、日本FP協会会員(CFP®)

※CFP®、CERTIFIED FINANCIAL PLANNER®、およびサーティファイド ファイナンシャル プランナー®は、米国外においてはFinancial Planning Standards Board Ltd.(FPSB)の登録商標で、FPSBとのライセンス契約の下に、日本国内においてはNPO法人日本FP協会が商標の使用を認めています。

※このページの内容は、一般的な情報を掲載したものであり、個別の保険商品の補償/保障内容とは関係がありません。ご契約中の保険商品の補償/保障内容につきましては、ご契約中の保険会社にお問い合わせください。

※税制上・社会保険制度の取扱いは、このページの掲載開始日時点の税制・社会保険制度にもとづくもので、全ての情報を網羅するものではありません。将来的に税制の変更により計算方法・税率などが、また、社会保険制度が変わる場合もありますのでご注意ください。なお、個別の税務取扱いについては所轄の税務署または税理士などに、社会保険制度の個別の取扱いについては年金事務所または社会保険労務士などにご確認のうえ、ご自身の責任においてご判断ください。

(掲載開始日:2024年8月29日)

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