(最終更新日:2024年1月22日)
自動車保険にはさまざまな割引制度がありますが、そのうちのひとつに「セカンドカー割引」があります。セカンドカー割引を利用すると、保有する2台目以降の自動車について、自動車保険の保険料をおさえることができる可能性があります。たとえば「子どもが免許を取得したので自動車をもう1台購入することになった」など、活用できるシーンは多いでしょう。
この記事では、セカンドカー割引の適用条件やメリット、利用時の注意点についてわかりやすく解説します。2台目以降の車の自動車保険への加入を検討中の方は、ぜひ参考にしてください。
自動車保険の「セカンドカー割引」とは、すでに自動車保険に加入されている方が、2台目以降の自動車で新しく自動車保険に加入する場合に保険料を割引できる制度です。
自動車保険には「無事故」や「事故有」などの区分に応じて、保険料の割引や割増がされる「等級制度」があります。等級は1~20等級までの20段階で定められており、等級が上がるにつれて保険料の割引率が高くなるしくみです。
等級が上がるほど保険料の割引率が高くなる
通常、新規で自動車保険に加入する場合には6等級からのスタートとなり、その後の1年間、保険を使う事故を起こさなかった場合には7等級へと進みます。
しかし、セカンドカー割引の適用条件を満たすと6等級ではなく7等級からのスタートにできるため、保険料の割引率が高くなります。
セカンドカー割引の適用で保険料がおさえられる
では、セカンドカー割引ではどれくらいの割引を受けられるのでしょうか。
一般社団法人 日本損害保険協会によると、等級による割引率の違いは以下の表のとおりとされています※(割引率は、保険会社や保険商品によって異なります)。ひとつ等級が上がるだけでも割引率が上がり、保険料が抑えられるため、セカンドカー割引は積極的に利用するとよいでしょう。
自動車保険の等級による割引率・割増率
【2023年1月~(改定後)】 | ||
---|---|---|
等級 | 無事故 | 事故有 |
20等級 | -63% | -51% |
19等級 | -57% | -50% |
18等級 | -56% | -46% |
17等級 | -55% | -44% |
16等級 | -54% | -32% |
15等級 | -53% | -28% |
14等級 | -52% | -25% |
13等級 | -51% | -24% |
12等級 | -50% | -22% |
11等級 | -48% | -20% |
10等級 | -46% | -19% |
9等級 | -44% | -18% |
8等級 | -38% | -15% |
7等級 | -27% | -14% |
6等級 | -13% | |
5等級 | -2% | |
4等級 | 7% | |
3等級 | 38% | |
2等級 | 63% | |
1等級 | 108% |
出典:損害保険料率算出機構「自動車保険 参考純率改定のご案内」
セカンドカー割引には、いくつかの適用条件があります。
保険会社によって適用条件は異なりますが、一般的に次にご紹介する条件に当てはまらなければ、セカンドカー割引は受けられない場合があるため注意しましょう。
セカンドカー割引を受けるためには、現在加入している1台目の自動車保険の等級が11等級以上である必要があります。
たとえば、1台目の自動車が自動車保険に加入した直後のタイミングであった場合には、セカンドカー割引は適用されません。
1台目の自動車保険の等級が11等級以上であること
現在加入している自動車および2台目以降の車の用途・車種は、「自家用8車種」である必要があります。
自家用8車種とは以下のことを指します。
なお、「〇ナンバー」とは、ナンバープレートの地名の横にある分類番号のことであり、3桁の番号が3で始まる数字であれば「3ナンバー」、5で始まる数字であれば「5ナンバー」などと一般的に呼ばれます。
ご自身の自動車が該当しているかどうか、あらかじめ確認しておきましょう。
「自家用8車種」とは?
1台目の自動車の所有者は、個人であることが前提となります。自動車の所有者は、車検証で確認できます。所有者がディーラー、ローン会社、リース業者などになっている場合もありますが、その場合には車検証記載の使用者を所有者とみなすため、使用者が個人であれば問題ありません。
2台目以降の自動車の所有者が個人であり、なおかつ以下の①~④のいずれかに該当する必要があります。
2台目以降の自動車の記名被保険者(おもに運転される方)が個人であり、なおかつ以下の①~③のいずれかに該当する必要があります。
ここまでセカンドカー割引の概要や適用条件をお伝えしてきましたが、あらためてセカンドカー割引を適用することで得られるメリットや利用時の注意点について整理しましょう。
セカンドカー割引の大きなメリットは、保険料をおさえられる点です。
通常、自動車保険の等級は6等級からスタートしますが、セカンドカー割引が適用されると自動車保険の契約後7等級からのスタートとなるため、保険料の負担をより軽減できます。
セカンドカー割引を受けるためには、先ほどご紹介した条件をすべて満たす必要があります。割引が受けられないケースとして注意したほうがよいのは、1台目の自動車保険に加入している親が「別居の子」のために2台目の自動車を購入したものの、「別居」であるためセカンドカー割引を受けられないという場合です。
適用条件として、「同居の親族」という点がありますので、注意しましょう。また、現在加入している自動車保険の等級も11等級以上でなければならないため、1台目の自動車保険に加入してすぐにはセカンドカー割引を受けられませんのでご注意ください。
最後に、セカンドカー割引に関するよくある質問について回答していきます。
一般的に1台目の自動車保険の保険会社と2台目の自動車保険の保険会社が違う場合でも、セカンドカー割引が受けられる場合があります。
なかには1台目と2台目が同じ保険会社の場合、セカンドカー割引にプラスして割引される保険会社もあるため、各保険会社のウェブサイト上で確認しましょう。
セカンドカー割引という名前から、3台目以降の車には割引が適用されないのではと思っている方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、セカンドカー割引は2台目以降の車が対象であるため、3台目の自動車保険にも適用されます。また、保険会社によっては、3台目以降になると割引率がさらにアップする場合があるため、より自動車保険の保険料をおさえることができます。
自動車保険の補償内容や割引の有無などは、保険会社や商品によってさまざまです。複数ある商品をひとつずつ比較していくこともできますが、必要な補償や希望するサービスをより手軽に選びたいという方には、自動車保険の一括見積もりサイトが便利です。
一括見積もりサイトでは、複数の保険会社の商品を一度に比較・検討できるため、ご自身にぴったりの保険商品が見つかりやすいでしょう。
新規で自動車保険に加入する場合、通常は6等級から始まりますが、セカンドカー割引を利用できると7等級からのスタートになります。等級の数字が上がるほど保険料の割引率が高くなるため、セカンドカー割引の利用で保険料が抑えやすくなります。ただし、今回ご紹介したセカンドカー割引はあくまでも一般的な内容であり、保険会社によっては内容が少し異なる可能性もあるため、2台目の自動車保険加入の前に保険会社にあらかじめご確認ください。
また、セカンドカー割引の利用とあわせて気をつけておきたい点として、自動車保険を2台以上契約すると、人身傷害保険や個人賠償特約など1台目と2台目の自動車保険とで補償内容が重複することがあります。それぞれの自動車保険の契約内容を確認し、補償が重複していないかにも注意しましょう。
外資系生命保険会社にて営業、その後税理士事務所に勤務しながらファイナンシャルプランナー資格を勉強し、CFP®と1級FP技能士を取得。その後、自身のFPとしての知識と投資・資産運用の経験を活かし独立、㈱あせっとびるだーずを設立し現在に至る。法人として株式投資や不動産投資をおこないつつ、ファイナンシャルプランナーとしての相談業務や投資と資産運用を教えるマネースクールなどを運営する。
https://fpoffice.okane-iroha.com/
【保有資格】
1級FP技能士・CFP®・宅地建物取引
※CFP®、CERTIFIED FINANCIAL PLANNER®、およびサーティファイド ファイナンシャル プランナー®は、米国外においてはFinancial Planning Standards Board Ltd.(FPSB)の登録商標で、FPSBとのライセンス契約の下に、日本国内においてはNPO法人日本FP協会が商標の使用を認めています。
※このページの内容は、一般的な情報を掲載したものであり、個別の保険商品の補償/保障内容とは関係がありません。ご契約中の保険商品の補償/保障内容につきましては、ご契約中の保険会社にお問合せください。
※税制上・社会保険制度の取扱いは、このページの最終更新日時点の税制・社会保険制度に基づくもので、すべての情報を網羅するものではありません。将来的に税制の変更により計算方法・税率などが、また、社会保険制度が変わる場合もありますのでご注意ください。なお、個別の税務取扱いについては所轄の税務署または税理士などに、社会保険制度の個別の取扱いについては年金事務所または社会保険労務士などにご確認のうえ、ご自身の責任においてご判断ください。
( 掲載開始日:2022年10月24日 )
2212880-2401
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