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自動車保険の車両入替とは?車を入れ替える条件、手続き、猶予期間についても解説

自動車の任意保険とは?必要性や補償内容、選び方、自賠責保険との違いも解説

(最終更新日:2021年6月30日)

車を買い替える場合、自動車保険では「車両入替」という手続きが必要になります。万が一、この手続きを忘れてしまうと、新しい車に保険がかけられていない状態で乗っている…ということもあるので、注意が必要です。この記事では、この車両入替について知っておきたいポイントや、手続きを忘れた場合のリスクを解説します。また、車両入替を利用した保険料を抑えるための工夫もご紹介します。

INDEX

【自動車保険の車両入替とは?】

車を買い替えるときには、自動車保険の「車両入替」の手続きが必要となります。車両入替とは、自動車保険の補償の対象となっている契約車両を新しい車に入れ替えること。つまり、現在契約している自動車保険の補償を、新しい車に適用させる手続きです。

万が一、この車両入替を忘れていた場合には、どのようなリスクがあるのでしょうか?

車両入替とは?

車両入替の手続き忘れで補償が受けられないことも

車を買い替えたにもかかわらず車両入替手続きを行わないと、新しい車は自動車保険をかけていない状態になってしまいます。つまり、車両入替を行わない状態のまま事故を起こしてしまうと、自動車保険の補償を受けられないおそれがあります(なお、法的に加入が義務づけられている「自賠責保険」の場合には、ディーラーなどの販売店を通じて購入する際には一緒に手続きをすることが一般的です)。

車種が変わると、車両入替後に保険料が変わることも

自動車保険の保険料は、自動車の車種や型式などによって異なります。そのため、車両入替を行うと、保険料が変更になる場合もあります。一般的には、車両入替で保険料が高くなった場合は保険会社に保険料の差額を支払い、保険料が安くなった場合は保険会社から保険料の差額が返還されます。なお、支払い方法は保険会社によって異なりますので、契約している保険会社に確認しましょう。

「車両入替時にも、保険会社の割引を活用して賢く保険料を抑えよう」

ファイナンシャルプランナー 竹下さくら先生

FP竹下先生のアドバイス

自動車保険は「人」にではなく「車」に付ける保険のため、車両を入れ替えたら補償対象の「車」も変更を。手続きを失念していると、任意保険なしの状態で運転するという危険な状態になるとともに、前の車に付けっぱなしの自動車保険料も無駄になってしまいます。

さて、グレードが高い新車に車両入替すると、気になるのは自動車保険料のアップですね。保険会社によっては「新車割引」や「asv割引」などの各種割引もありますので、上手く活用してみてください。

ちなみに、「新車割引」は初年度登録から一定期間にわたり保険料の割引を受けられるもので、現在、多くの保険会社で取り扱われています。取り扱いがない保険会社もありますし、割引の対象となる車種や期間、割引率も各保険会社で異なります。また、「asv割引」は自動ブレーキがついていると保険料負担が軽くなるというもので、所定の条件を満たした先進安全自動車(ASV:Advanced Safety Vehicle)の場合に利用できます。なお、「車両入替」は、軽自動車から普通乗用車への場合も可能です。逆に、普通乗用車から軽自動車に車両入替をするときは、前述の新車割引の適用は受けられない保険会社もあるので注意が必要です。

【車両入替手続きをするための条件とは?】

車両入替は、どのような場合でも行うことができるわけではありません。車両入替ができない場合もあります。具体的には、以下の「車両入替後の所有者」と「車両入替後の車の用途車種」についての条件を満たす必要があるため、注意しましょう。

「車両入替後の所有者の条件」を満たしているか

車両入替を行うには、買い替えた車の所有者が以下のいずれかに該当する必要があります(ただし、細かな条件については、保険会社によって異なります。契約中の保険会社でご確認ください)。

【車両入替後の所有者の条件】
(1)現在の契約車両と同じ所有者
(2)証券記載の記名被保険者
(3)(2)の配偶者
(4)(2)または(3)の同居の親族

「車両入替後の車の用途車種の条件」を満たしているか

車両入替をするためには、買い替えた車の車種、用途などに条件があります。車両入替の可能車種は、基本的には「自家用車」に限られ、車両入替後の自動車の用途車種が被保険自動車の用途車種と同一であることが必要です(ただし、細かな条件については、保険会社によって異なります。契約中の保険会社にご確認ください)。

【車両入替後の車の用途の条件】
(1)自家用小型乗用車
(2)自家用普通乗用車
(3)自家用軽四輪乗用車
(4)自家用小型貨物車
(5)自家用軽四輪貨物車
(6)自家用普通貨物車(最大積載量0.5トン以下)
(7)自家用普通貨物車(最大積載量0.5トン超2トン以下)
(8)特種用途自動車(キャンピング車)

【現在の車を廃車にして、別の車に乗り換える場合】

現在乗っている車を廃車にする場合、所有するその他の車と車両入替を行うことにより、廃車にする車の自動車保険の契約の等級を引継ぐこともできます。また、入れ替えるべき自動車がすぐに手配できない場合には、「中断制度」を利用すれば、一定期間内に限り、解除(解約)した契約の等級を継承することができます。中断制度とは、今の等級を再契約時に引き継げる制度です。ただし、中断制度の利用にはいくつかの条件が設けられています。保険会社により条件は異なりますので確認しましょう。

なお、廃車にして別の車に乗り換える際に契約中の自動車保険を解約する場合には、解約のタイミングによっては保険料の返還を受けられますが、返還保険料は短期保険料率という係数を乗じて求めます。残っている期間分だけ返ってくるわけではないので注意が必要です。

「自賠責保険の廃車手続きはタイミングに要注意」

ファイナンシャルプランナー 竹下さくら先生

FP竹下先生のアドバイス

車を廃車にするときは、保険にも目配りが必要です。特に要注意なのは自賠責保険です。
保険期間がまだまだ残っているタイミングであれば、自賠責保険はそのまま継続して車両入替すれば良いのでは、と思う人もいるかもしれません。けれども、自賠責保険の場合は、車両入替するためにクリアすべき条件が厳しく複雑なため、解約するほうが合理的な現状があるようです。

なお、自賠責保険は、廃車日ではなく解約申請日を基準にして解約返戻金が還付されるため、廃車後速やかに一時抹消登録証明書などで手続きを済ませることが、解約返戻金の目減りを防ぐコツです。対して、任意保険については、廃車の事実を証明する書類などの用意は不要なため、乗らなくなったタイミングで速やかな解約が可能です。

また、契約者本人の名義を、車両入替後は法人名義に変更したいという声はよく耳にしますが、残念ながら、この場合、車両入替は利用できません。法人名義で新たに契約する必要があります。

【車両入替の手続きのタイミングは?納車当日でもよい?】

車両入替の手続きはいつ行えばよいのでしょうか。手続きを行うべきタイミングについて解説します。

車両入替手続きは、買い替えた車が納車されるまでに行います(契約変更日を納車日に設定)。万が一、納車後に手続きを始めてしまうと、手続きが完了するまで無保険の状態となり、補償が受けられなくなってしまうからです。したがって、買い替える車の納車日がわかったタイミングで車両入替の手続きを始めるとよいでしょう。納車日前に手続きを済ませておけば、乗り換えのタイミングで補償の対象が切り替わります。

車両入替の猶予期間がある場合

納車日の前に車両入替の手続きを済ませておけば買い替えた車の納車と同時に補償が切り替わります。そのため、車両入替手続きを忘れて買い替えた車で事故を起こしてしまった場合には、原則として補償されません。ただし、車両入替の猶予期間がある場合もあります。具体的には、自動車保険の中には買い替えた車を取得してから「30日以内」など一定期間内に車両入替手続きを行えば、「手続き完了までの間、以前と同じ補償を受けられる」という特約などが付帯されているケースがあります。

車両入替のタイミング 自動車保険の補償が切り替わるタイミング
納品日前の場合 買い替えた車の納車と同時に補償が切り替わる。
納車日以降の場合 買い替えた車は無保険の状態のまま。車両入替の手続き完了まで、補償はされない。 (ただし、買い替えた車を取得してから一定期間内に車両入替手続きを行えば「手続き完了までの間、以前と同じ補償を受けられる」という特約を付帯している自動車保険もある。)

ただし、このような特約が適用されるには各自動車保険が設定する条件を満たさなければならないことが多いため、基本的には、納車日までに車両入替手続きを済ませるほうがよいでしょう。

「あなたの契約する自動車保険には自動補償の特約はある?」

ファイナンシャルプランナー 竹下さくら先生

FP竹下先生のアドバイス

車を買い替えた場合に、保険についても車両入替の手続きが必要だということは、慣れないことだけに、うっかり忘れてしまうことはあり得ます。けれども、その間は無保険の状態になり、事故を起こして初めて補償切れに気づき後悔する人が少なくありません。そのため、今の車を手放して新たに車(自家用8車種)を取得する場合は、保険の車両入替の手続きを失念していても、30日以内に保険会社に通知して了解されれば、契約時の条件で自動補償する特約がある自動車保険も数多くなっています。ご自身の自動車保険にもこの特約があるか確認してみるとよいでしょう。

また、車両入替の当日に事故に遭った場合のことが気になる人がいるかもしれませんね。納車当日を変更日として、納車前に車両入替の手続きをしたケースで言えば、自動車販売店に新しい車を取りに行くまでは今の車に保険が適用され、新しい車を運転した段階で自動車保険の補償は新しい車に切り替わりますので大丈夫です。

なお、納車日が休日で当日に保険の変更手続きができない場合は、前述の自動補償がある自動車保険であれば、30日以内に変更手続きをすることで、遡って補償されるので安心です。

【車両入替の必要書類と手続きの方法・手順は?】

車両入替の一般的な手続きの流れは以下の通りです(具体的な手続きの方法は保険会社によって異なります。詳しくは、契約中の保険会社へご確認ください)。

(1)車検証などの必要書類を用意して保険会社へ連絡する

車両入替の手続きを行う際の手順として、まずは契約している保険会社へ連絡します。一般的には、電話やウェブサイトをはじめ、契約者用の専用ページなどで手続きを進めることもできるでしょう。

手続きに際しては、新しい車の納車日のほか、車検証に記載されている情報、積算距離計の数値などが必要になるので、保険会社へ連絡する前に必要書類等を用意しておきましょう。

車両入替に必要な主な情報
車検証 買い替えた車の車検証(車検証がない場合は、売買契約書などで車名・型式・初度登録年月・ナンバープレート・車台番号・所有者・使用者を確認)
積算距離計の数値 古い車の積算距離計の数値および買い替えた車の積算距離計の数値
車の購入価格の内訳 買い替えた車の購入金額(値引き前)がわかる書類
金融機関情報 金融機関の口座情報またはクレジットカード

(2)差額分の精算をする

車両入替で保険料が変更になる場合、差額分を精算します。追加分はクレジットカード決済、コンビニ決済などで支払います。

(3)買い替えた車が納車される

(1)および(2)の手続きを終えれば、納車日から買い替えた車が補償の対象になります。

「車検証がない!?車両入替の際に必要書類が見つからない場合には」

ファイナンシャルプランナー 竹下さくら先生

FP竹下先生のアドバイス

車両入替の際には、乗り替える車の車検証と、契約している保険の保険証券番号が必要になります。乗り替える車の車検証は、納車前でも販売店などに問い合わせればコピーをもらえます。 どうしても間に合わない場合は、車の売買契約書などの確認を。メーカー名と型式、初度登録年月、ナンバープレート番号、車台番号、所有者または使用者氏名など、必要な情報を提出できるようにしておきましょう。

しばらくハンドルを握らないという場合には「中断証明書」を発行しておくと、また運転を始めるという際に、新たに自動車保険に申し込むよりも保険料を割安にできる可能性が高まります。

【車両入替後も現在の車を利用し続ける場合はここもチェック!】

新たに車を購入したうえで、これまで利用していた車についても廃車等を行わずに使い続けることもあるでしょう。この場合のポイントはこれまで利用していた、車両価格の安くなった車を新規契約とすることで、新しい車を新規契約するよりも保険料を抑えられる場合があるため、ぜひ押さえておくとよいでしょう。

「等級の引継ぎ」で保険料が抑えられることも

同居の親族が新たに車を購入する場合には、ご自身の契約車両との車両入替とともに「等級の引継ぎ」が行える場合があります。この等級継承が行えることにより保険料の総額が抑えられる可能性が出てきます。これは、同居の子どもが初めて車を購入するときなどに有効な方法です。具体的には、子どもが初めて車を購入したような場合に、親の車と車両入替の手続きを行うことで自動車保険の契約車両を親の車から子どもの新しい車に移行することができるというものです。

自動車保険の保険料は契約者の年齢などの条件によって大きく影響を受けるため、一般的には若い人ほど保険料は高くなると考えてよいでしょう。したがって、子どもが初めて自動車保険に加入する場合には、年齢が若く等級も低いため、保険料は高くなります。しかし、車両入替で親の等級を引き継ぐことができれば、親の保険料は自動車保険の新規加入で等級が下がり高くはなるものの、年齢条件により子どもが新規加入する場合に比べれば抑えられることがあります。したがって、車両入替と等級引継ぎをあわせて利用することで、保険料の総額を抑えられる可能性が出てくるのです。

同居の親子間における等級の引継ぎ

※車両入替手続きには、記名被保険者の変更も含みます。

(注)等級を引継ぐことができる条件は、保険会社によって異なります。契約中の保険会社にご確認ください。

【同居の親族との車両入替をする場合の手続きの流れ】

(1)親が加入している自動車保険の契約車両を子どもが購入した車両へ入れ替える(車両変更)
(2)親が加入している自動車保険の記名被保険者を子どもに変更する
(3)親は新規で自動車保険に加入する

他人から車を購入する場合には名義変更を忘れない

車の購入は、自動車ディーラーだけではなく、別居の親族や友人、知人などから車を購入する場合もあるでしょう。そのような場合は、車両入替手続きの前に所有者(名義)を変更しなければなりません。所有者が友人や知人などのままだと、車両入替手続きを進められないケースが多いからです。所有者の変更は、使用の本拠となる場所(基本的には車の管理・責任者の所在地)を管轄する運輸支局または自動車検査登録事務所で行えます。

「保険料を抑えるために効果あり!”吐き出された車”の活用法」

ファイナンシャルプランナー 竹下さくら先生

FP竹下先生のアドバイス

「吐き出された車」という言葉を耳にしたことはあるでしょうか。自動車保険の保険期間中に新たに購入した車へ車両入替の手続きを行った結果、無保険となったまま引き続き所有される車のことを、このように呼ばれることがあります。

吐き出された車は、今後の所有車での自動車保険を割安に契約する際に、車両入替と等級の引継ぎを工夫することで、割安な保険料での契約を可能にできるポテンシャルを秘めています。前述の親から子への等級引継ぎのようなケースもその具体例の1つです。気になる人は保険会社に確認してみるとよいでしょう。

なお、車両入替は、新しい車に付ける自動車保険が同じ保険会社でも別の保険会社でも、等級は引き継がれるしくみです。ただし、別の保険会社の場合、保険が満期となる日の翌日から7日以内に手続きをしなければ、等級は消滅して等級の引き継ぎはできなくなるので、特に注意が必要です。

まとめ

車を買い替えた場合には、自動車保険の「車両入替」を行わなければなりません。この手続きを忘れると、事故を起こしたときに補償を受けられないおそれがあります。車両入替手続きは、納車日までに済ませることが基本です。特約などがついている場合、納車後の手続きも可能ですが、特約などの適用には条件があります。できるだけ納車日までに車両入替手続きを済ませましょう。車両入替手続きは、契約中の保険会社へ連絡することで進められます。

監修者情報

ファイナンシャルプランナー 竹下さくら先生

監修 竹下さくら(ファイナンシャルプランナー)

慶応義塾大学にて保険学を専攻。損害保険会社・生命保険会社勤務を経て1998年FPとして独立、現在に至る。今は個人のコンサルティングを主軸に、講演、執筆を行う。主な保険分野の著書に『「保険に入ろうかな」と思ったときにまず読む本』『知らないと損をする!間違えない保険選びのツボ』日本経済新聞出版社、『1時間でわかる やれば得する! 保険の見直し100の鉄則』技術評論社、『世界一シンプルな保険選び』日本文芸社などがある。
https://www.office-takeshita.com

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