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トップ 知って得する!自動車保険コラム 過失割合と過失相殺とは?|交通事故問題に欠かせない知識

過失割合と過失相殺とは?|交通事故問題に欠かせない知識

(最終更新日:2023年1月19日)

自動車で交通事故を起こしたり巻き込まれたりした場合、事故の当事者間で賠償金額やその支払いについて話し合いをして取り決めをする必要があります。

賠償金額は、当事者双方の過失を考慮したうえで、責任の度合いに基づき算出するため、その基準となる「過失割合」「過失相殺」の考え方はしっかり理解しておく必要があります。

そうすることで、万が一、事故が起きてしまったときにも、スムーズに示談交渉を進めていくことができます。

INDEX

過失割合とは

  1. 1. 過失割合を判断する重要性
  2. 2. 過失割合はだれが決めるのか
    1. 1. 当事者間で話し合う
    2. 2. 当事者間で解決しない場合
  3. 3. 実況見分調書の重要性
    1. 1. 実況見分調書に含まれる内容
    2. 2. 実況見分調書の入手方法

過失相殺とは

  1. 1. 過失割合の考え方
  2. 2. 過失割合を修正する場合
  3. 3. 具体的な過失相殺のケース
    1. 1. 過失割合が「20:80」の場合
    2. 2. 過失割合に修正が入った場合
  4. 4. 過失割合が「0」の場合の注意点

まとめ

過失割合とは

交通事故が起きた際には事故の当事者間で、どちらに責任があるのか、どちらの過失の割合が大きいのか、といったことを話し合いで決める必要があります。交通事故における過失割合とは、発生した事故に対する「過失の大きさを割合で示したもの」となります。交通事故の過失割合は、大きく以下の3つに分けることができます。

過失割合 状況 該当例
自身の一方的な過失 相手に不注意や落ち度がない交通事故(相手の過失割合:自身の過失割合=100:0) 赤信号で停車中の自動車に後ろから追突した場合など
相手の一方的な過失 自身に不注意や落ち度がない交通事故(相手の過失割合:自身の過失割合=0:100) 駐車場内で駐車している自身の自動車に接触・追突された場合など
自身と相手、双方の過失 交通事故を起こした双方に不注意や落ち度がある事故 信号のある交差点へ青信号の直進車と青信号の右折車が侵入し衝突した場合など

(交通事故の過失割合の違い)

過失割合を判断する重要性

過失割合をどう判断するかによって、その後の損害賠償金額に大きく違いが出てきます。
過失割合は過去の判例に基づいて判断されますが、以下の図のように、過失割合が「10」違うだけで、損害賠償金額に大きな違いが生まれることもあり得ます。損害賠償金額に大きく影響するのが過失割合ですので、判断基準は十分に理解しておきましょう。

交通事故の過失割合のポイント 100万円も差額が生まれる

過失割合は誰が決めるのか

過失割合は、事故の当事者双方で主張が食い違う場合があります。そもそも過失割合は誰が決めるものなのでしょうか。

当事者間で話し合う

一般に、過失割合は過去の判例などに基づき判断しますが、実際に過失割合を決めるのは当事者同士の話し合いです。ほとんどの場合、当事者が加入している自動車保険の保険会社が示談交渉を行うので、事故当事者双方の保険会社の話し合いで決まることが多いといえるでしょう。

事故現場に立ち会う警察官は民事不介入を原則とするため、過失割合の決定にかかわりません。民事不介入とは、警察は民間の紛争に介入しないとする原則です。つまり、基本的には事故の当事者や保険会社それぞれが、過去の判例などに基づき話し合いで過失割合を決めることになります。

当事者間で解決しない場合

過失割合は、交通事故の当事者が負担する損害賠償額を決定する重要な要素です。前述のように、損害額1,000万円の交通事故で過失割合が「80:20」と「90:10」の場合を比べると、過失割合は「10」異なるだけですが、損害賠償額には100万円の差が生じます。

また、過去の判例など一定の判断基準があるとはいえ、交通事故の状況はさまざまですから、「この過失割合で間違いない」と誰もが言い切れるケースはそう多くありません。万が一、相手側から提示された過失割合に納得できず、示談交渉が進まない場合は、訴訟によらず簡易かつ迅速に紛争解決を目指すADR(裁判外紛争解決手続)を利用する、簡易裁判所へ民事調停を申し立てる、裁判を起こして裁判所に適切な過失割合を判断してもらうといった手段があります。

実況見分調書をはじめとする証拠の重要性

過失割合を決定するうえで重要な資料となる1つが「実況見分調書」です。実況見分調書とは、人身事故が起きたときに当事者立ち合いのもと警察が作成する事故状況をまとめた書類です(物損事故の場合は物件事故報告書を作成)。

実況見分調書に含まれる内容

実況見分調書には、主に以下の内容などが記載されています。

【実況見分調書に含まれる内容】

実況見分調書には事故状況が詳しくまとめられているので、裁判や示談交渉で過失割合を決める有力な証拠の1つと考えられています。実況見分調書の作成に立ち会うときは、自身の記憶を正確に伝えることが大変重要です。作成した実況見分調書の内容を、後から変更することは難しいとされているからです。

実況見分調書の入手方法や過失割合に関するその他の証拠収集

実況見分調書はコピーを入手することができますが、警察の捜査段階では非公開となっています。また、入手には実況見分を行った警察署で加害者の送致先検察庁、送致番号、送致日などを確認したうえで、送致先検察庁で加害者の送致番号と送致日を伝えて実況見分調書の閲覧・謄写を申請し、さらに送致先検察庁にて実況見分調書の閲覧・謄写するといった手間がかかります。そのため、こういった面からも弁護士のサポートを受けられるとよいでしょう。

なお、過失割合についての交渉においては、実況見分調書だけでなく、ドライブレコーダーの録画や近隣の防犯カメラの映像、事故車両や現場の写真、目撃者の証言などの客観証拠が非常に重要です。できるだけ数多く証拠を手元に残しておくのが理想的です。

過失相殺とは

過失相殺とは、交通事故の当事者のどちらか一方ではなく、どちらにも過失がある場合、過失割合に従い双方が損害額を負担するために、損害額から過失割合相当分を差し引くことをいいます。交通事故は、一方だけに過失があるものと双方に過失があるものにわかれます。双方に過失がある交通事故で、一方だけが損害賠償責任を負うのは不公平になります。損害を公平に負担するため行われているのが過失相殺です。

過失割合の考え方

例えば、以下のような過失割合の場合、損害賠償金額はどうなるでしょうか。

・AさんはBさんの損害に対し、Bさんの過失割合30%を引いた70%を負担する
・BさんはAさんの損害に対し、Aさんの過失割合70%を引いた30%を負担する

事故当事者 Aさん Bさん
車両損害額 100万円 100万円
過失割合 70% 30%
支払う損害賠償金 70万円 30万円

AさんはBさんに70万円(Bさんの車両損害額100万円×70%)、BさんはAさんに30万円(Aさんの車両損害額100万円×30%)の損害賠償金を支払わなければなりません。

交過失割合 自身70% 相手30% 過失相殺

(過失割合にしたがって損害額の負担が決まる)

相手の車両に対する損害賠償金は、自動車保険の対物賠償保険に加入していれば限度額の範囲内で対物賠償保険から支払われます。ただし、損害賠償金額が対物賠償保険(事故によっては対人賠償保険)で設定している限度額を超えると、超えた金額は自己負担になります。また、自身の車両の損害に対し相手から支払われる損害賠償金が不足する場合、不足分は支払限度額の範囲内で自身が契約している車両保険から支払われます。

過失割合を修正する場合

交通事故の過失割合は、過去の判例などをもとに実際の状況を加味して決定します。ただし、交通事故の当事者のどちらかに考慮しなければならない要素がある場合は、基準となる過失割合を加算・減算し修正します。過失割合を修正する要素としては以下のようなものがあります。

該当する事故例 修正要素
歩行者と自動車の事故 夜間・横断禁止場所・幹線道路での交通事故 直前直後横断(車両の直前、直後に道路を横断すること)・ふらふら歩き・佇立(しばらく立ち止まること)・後退など
四輪車同士の事故 酒気帯び運転・わき見運転などの著しい過失・居眠り運転・無免許運転・直近右折(交差点で直進車の至近距離で右折)・早回り右折(交差点の中心の直近の内側などを進まない右折)など
自転車と四輪車の事故 高速度進入(時速20キロメートル超での進入)・自転車の2人乗り・わき見運転・酒酔い運転など著しい過失・自転車の手放し運転など重過失・夜間の交通事故
その他特殊なケース
(無免許、緊急車両との事故…等)
無免許・一時停止義務の怠り など

※この表は横スクロールできます。SCROLL

(過失割合を修正する要素)

具体的な過失相殺のケース

過失相殺は、相手へ支払う損害賠償額に大きな影響を与えます。具体的な過失相殺のケースを見ていきましょう(※以下の(1)、(2)は例示であり、実際の事故の状況によって過失割合は変わることがあります)。

(1)過失割合が「20:80」の場合

信号のある交差点で、互いに青色で侵入した直進車両Aと右折車両Bが衝突したケースです。交差点で右折する車両は直進する車両や左折する車両を妨害してはならない(道路交通法34条)ので、右折車両の過失割合が高くなります。
例えば、AさんとBさんの過失割合は「20:80」程度が想定されます。

事故当事者 Aさん Bさん
車両損害額 100万円 100万円
過失割合 20% 80%
支払う損害賠償金 20万円 80万円

この場合では、AさんはBさんの損害に対し過失割合80%を引いた20%を負担し、BさんはAさんの損害に対し、過失割合20%を引いた80%を負担することになります。双方の損害額が100万円だとするとAさんはBさんに20万円、BさんはAさんに80万円の損害賠償金を支払うことになります。

(2)過失割合に修正が入った場合

信号のない交差点で、一時停止、十分な安全確認をせずに右折した車両Aが、右側から速度制限20キロメートル程度オーバーで交差点に進入した車両Bと衝突したケースです。 このような交通事故では、一時停止、十分な安全確認をしなかったAさんの過失割合が高くなり、例えば、AさんとBさんの過失割合は「85:15」程度が想定されます。

ただし、今回の交通事故ではBさんが時速20キロメートル程度の速度オーバーをしていたため、この点を修正要素として加えなければなりません。 そのため、過失割合は「75:25」に修正されるケースがあります。

事故当事者 Aさん Bさん
車両損害額 50万円 70万円
過失割合 75% 25%
支払う損害賠償金 52.5万円 12.5万円

この場合では、AさんはBさんの損害に対しBさんの過失割合25%を引いた75%、BさんはAさんの損害に対しAさんの過失割合75%を引いた25%を負担することになります。したがって、Aさんの損害額が50万円、Bさんの損害額が70万円だとすると、AさんはBさんに52.5万円、BさんはAさんに対し12.5万円の損害賠償金を支払うことになります。

過失割合が「0」の場合の注意点

自動車保険に加入している場合、基本的に保険会社が契約者に代わって示談交渉を行ってくれます。例外として挙げられるのが、相手だけに過失がある交通事故です。つまり、「相手の過失割合:自身の過失割合=100:0」の場合、保険会社は示談交渉を代行できません。 これは、契約している保険会社に保険金を支払う必要が生じないためです。自身の過失割合が「0」の場合、自身で加害者あるいは加害者側の保険会社と示談交渉しなければなりません。

このようなケースに備えて検討したいのが、自動車保険にセットできる「弁護士費用特約」です。弁護士費用特約をセットしておけば、損害賠償請求するためにかかった弁護士費用や訴訟費用、調停費用などを保険金として受けとれます。一般的な上限額は、1回の事故で補償を受ける人1人あたり300万円です。ただし、弁護士費用の範囲は保険会社により異なり、また、弁護士費用のうち、あらかじめ保険会社の同意を得た費用のみを支払うとしている保険会社もあります。過失割合「0」の交通事故で、加害者側が納得できる賠償金額を支払ってくれない場合や加害者側が自動車保険に加入していない場合などに頼りになります。

まとめ

交通事故における当事者双方の不注意や落ち度の割合を「過失割合」、過失割合に従い双方が損害額を負担することを「過失相殺」といいます。過失割合は過去の判例などに基づき、双方の保険会社が話し合いで決定することが一般的です。話し合いで合意に至らない場合はADR(裁判外紛争解決手続)や民事調停、あるいは裁判によることもできます。過失割合、過失相殺とも損害賠償に深くかかわる要素です。あらかじめ理解を深めておくことで、過失割合の判断が適正かどうかを自身で判断することができるので、万が一の際に慌てずに対応ができます。

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