2015.05.19

「温度×時間×面積」=やけどの重症度~重症度を見極めて適切な手当てを~


皆さん、やけどで「水ぶくれ」ができてしまった場合どうしていますか?
もしかして、潰してしまっていませんか?
プクーッと膨らんで、気になって気になって、ついついイジイジ…とイジっているうちに潰してしまう。
そんな経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

それアカン!
アカンよ、アカンアカン!
取り乱し半分、マジメ半分で、インパクトを残したかったので、「アカン」にしておきました。

下手に水ぶくれを破ってしまうと、そこから細菌が入り込んで、完治が遅くなってしまいます。
しかも、水ぶくれの中には皮膚の再生を促す滲出(しんしゅつ)という液体が溜まっているので、くれぐれも安静に保護してあげてください。

というように、やけどには皮膚がほんのり赤くなってヒリヒリするものから、水ぶくれになって痛むもの、変色して痛みさえ感じなくなるものまで、様々な症状があります。

見た目だけではその重症度を判定することはできず、軽症に見えても実は重症だったり、年齢や体質によって症状が異なることもあるので、簡単な手当を押さえていきましょう。

やけどの重症度は「温度×時間×面積」で決まる?

こういう式を見ると、なんとなく、算数や数学の時間を思い出しますね。
ちなみに、台形の面積の求め方は、「(上底+下底)×高さ÷2」みたいな感じで、義務教育で習得済みだと思いますが、やけどの重症度の求め方は知らないですよね?
自分から言っておいてアレですが、知ってたらビックリします。


やけどの重症度は「温度×時間×面積」で求めます。
やけどの緊急時に、温度と時間と面積を測ってる時間なんてないとは思いますが…

改めて、やけどとは、熱や電気、化学物質、放射線などによって生じる皮膚組織の損傷のことをいい、その損傷が皮膚の奥深くに及んでいくほど、症状が重くなります。

そして、やけどの深さは大きく分けて3段階に分かれます。

最も浅い損傷(Ⅰ度熱傷)では、皮膚が赤くなり痛みを伴います。
しかし、皮膚の損傷が内側に達すると(Ⅱ度熱傷)、水ぶくれができて痛みも強くなっていきます。
そして、最も重い症状になると、皮膚全層が損傷し(Ⅲ度熱傷)、神経まで侵されて、痛みさえ感じなくなってしまいます。
Ⅲ度熱傷までなってしまうと、皮膚は変色し、酷く焼けただれたような跡が残ります。

やけどは、当然ですが、高熱のものが長い時間皮膚に触れるほど重症になります。
そして、皮膚の損傷範囲(面積)が広いほど予後が悪く、成人の場合、Ⅱ度熱傷とⅢ度熱傷のやけどの範囲が合計で15%以上になると、命の危険性が危惧されます。
この15%って意外と狭く感じませんか?

なお、温度・時間・面積以外にも、年齢や体質、損傷箇所やその後の処置が重症度に影響します。
例えば、身体の小さな乳幼児や高齢者であれば受傷範囲が狭くても危機に陥ってしまったり、住宅火災などで受傷した場合は気道熱傷や一酸化炭素中毒を併発してしまうこともあります。
また、治療の過程で皮膚と筋肉が癒着してしまって皮膚がひきつった状態のままになり、関節を自由に動かせなくなることもあるので、注意が必要です。

病院を受診する目安は?

当然ですが、やけどは甘く見ていると大変なことになりかねないので、早めの処置が大事です。

皮膚が赤くなってヒリヒリする程度の場合は、流水または保冷剤、氷などで患部を冷やして様子を見ましょう。
この時、皮膚のバリア機能は損傷していて、雑菌が侵入しやすい状態になっているため、患部は清潔にしておくことが大切です。
そして、はじめは軽症だと思っても、どんどん患部が腫れてきたり、化膿している様子が見られたら迷わず病院を受診してください。


何より、やけどの処置や治療はスピードが命です。
昔から、熱いものに触れたらすぐ水で冷やすと教え伝えられてきたのは人類の知恵のようなものです。

皮膚の色や痛みの状態を見極め、重症度に応じて適切に対処していきましょう。






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