うっかりミスでガードレールにぶつかり、車は大破、運転者本人も大ケガを負ってしまった。
こうした単独の事故(自損事故)はちょっとした不注意で起こり得るものです。
このような場合、強制加入の保険である「自賠責保険」から保険金が出るかというと、残念ながら運転者には保険金はおりません。
なぜかというと、「自賠責保険」はあくまでも被害者(相手)に対する補償であり、加害者(運転者)への補償ではないからですね。
一言でいうと、単独事故の最低限の補償をしてくれる保険です。
自損事故保険とは、単独で事故を起こした場合や、停車している車に衝突など明らかに衝突した運転者に責任がある場合の事故によるケガや後遺障害、死亡を補償します。
自賠責保険では保険金が支払われない場合に、この自損事故保険で保険金が支払われることになります。
より具体的に言うと、
●電柱に衝突した、ハンドルを切り損ねてガードレールにぶつかった、崖から転落したといった単独事故
●不注意でセンターラインをはみ出して対向車に衝突したといった事故
などが補償されることになります。
こうしたケースは明らかに運転者に責任がありますよね。
さて、このような補償をしてくれる自損事故保険ですが、実は最低限の補償という意味合いが強いです。
単独事故の他、相手のいる事故なども補償してほしい。
こうしたニーズに応えるのが、「人身傷害補償保険」です。
つまり、幅広く事故に対応できるようにしたいのであれば、人身傷害補償保険への加入が望ましいですね。
なぜなら、自損事故保険でカバーできる補償は、人身傷害補償保険の補償内容と重複しているからです。
人身傷害補償保険は、運転者自身の過失分を含め、実際にかかった治療代などを補償してくれるものです。
ということで、自損事故保険は、最低限の補償を得たい方にはうってつけの保険です。
ただし、注意したい部分もあります。
実際に保険を利用する場合です。
実は、自損事故保険を一度利用すると、等級が3等級下がります。
これはペナルティのようなもので、その後の保険料がアップすることになります。
そのため、自損事故によるケガなどの治療費があまりかからないのであれば、あえて保険を利用しない方が、その後のアップした保険料支払いを考慮すると望ましい、という場合があります。
自損事故保険を実際に利用するかどうかは、状況に応じて決めた方がいいかもしれません。
もしも利用するのであれば、当たり前ですが保険会社への連絡を行いましょう。
また、警察への届出も行っておくと、車両保険など他の保険の手続きもスムーズに運びます。
いざという時のために、少し意識しておいてください。