2017.11.07

車中泊・逆にみめよい・軽キャンパー

その五・七・五のクセ


さて、ここ数年、割と車中泊がブームになっているが、かつての車中泊というのは、当日駆け込みでホテルや旅館に宿泊しようとして断られたときの苦肉の策みたいなものだった。

しかし、昨今の流行は仕方ない系とは違い、率先して車中泊を楽しもうとする人が増えてきている。
その主なモチベーションとしては、宿の予約なしで旅に出ることができ、かつ宿泊費が節約できるという点がある。
また、車中泊派が増えたことによって、キャンピングカー、特に軽自動車のキャンピングカーである軽キャンパーの人気が高まっている。


的なことで今回は、車中泊関連の要点のおさらいを。

Ⅰ)車中泊

車中泊がドライブ旅行のトレンドに

車中泊の流行は、2009年3月末~2011年6月中旬に高速道路が一律1,000円になったあたりに起因する。
高速料金が安くなり、高速を降りずにSAやPAで車中泊する人が増え、低価格化による渋滞を回避するために、夜間に移動しようとする人も増えた。
その流れで、ホテルや旅館ではなく、車で仮眠して旅をする人が少しずつ増えていった。
その後も、今度は下道を走って移動する旅行者が増えてきて、現在の車中泊ブームに繋がった。

車中泊の魅力

車中泊のメリットは、事前にホテルや旅館を予約しなくてもいいという点と、宿泊に予算をかけなくていいという点に尽きる。
面倒な事前準備なしに思い立ったらすぐ出掛けることができるうえ、好きな場所に好きな時間に移動でき、好きな場所で泊まって寝られることもメリットで、チェックインや食事の時間までに到着しなければならないという煩わしい束縛も何もない。
かつ、目的地の近くでその場のノリで宿泊できるというところに特別感もある。
例えば、海が目当てなのであれば、海の目の前で泊まることも可能である。

道の駅

当然ながら、車中泊と道の駅との相性は抜群。
ただし、注意点もいくつかある。
大事なのは、道の駅が車中泊者のためにあるわけではないという認識。
道の駅はあくまでもドライブの中継ポイントであり休憩ポイントであって、旅館でもキャンプ場でもない。
それをわきまえ、車中泊する場合は、あくまでも静かに眠ることを心掛け、大音量で音楽を流したり、大騒ぎしたりするのはNG。
車外での自炊も控えたい。
また、駐車スペースの中でも奥まった場所に停車するなど、他の車への配慮も必要。

Ⅱ)キャンピングカー

キャンピングカーがホット

車中泊が増えた影響から、キャンピングカーの所有者も急増している。
キャンピングカーと聞くと、アメリカのような広大な土地を走って旅するイメージがあるかもしれないが、最近のキャンピングカーは小型化が進んでいて、軽自動車のキャンピングカーも増えているのが現状。

昔は老夫婦が全国をゆっくり旅して回る目的で求められることも多く、そもそも高額なので、そこまで売れるものではなかったが、このところ年代を問わずジワジワと人気が出てきている。
幕張メッセなどで開催されている『ジャパンキャンピングカーショー』も毎年盛況とのことで、国内のキャンピングカー保有数は2016年に10万台を超えたほど。

注目の軽キャンパー

このキャンピングカーブームの中でも特に顕著なのが軽キャンパー。
巨大なキャンピングカーは、やはり土地の狭い日本では不都合も多い。
であれば軽自動車をキャンピングカー仕様にしてしまえという発想から、軽自動車をベースにキャンピングカー仕様にカスタムした車両がお目見えし、見た目の可愛さからも女子の支持を集めているという。

幻のN-CAMP

N-CAMP

現在の軽キャンパーの主流は、カスタムキャンピングカー。
一方で、ディーラー純正キャンピングカーも登場していて、中でも過去に注目を集めたのが、ジャパンキャンピングカーショー2015で発表されたコンセプトカー、HONDA N-CAMP。
HONDAの人気軽自動車、N-BOXをキャンピングカー仕様にするために車長を短くし、リアに着脱式のトレーラーを付けられるようにした車体。
普通の駐車場にも停められるうえ、完全に独立したトレーラーキャンパーで、内装や設備も充実している。
何より、大人気のN-BOXを踏襲したデザイン性に、市場に出てくるのを待ち焦がれている人は多いらしい。

Ⅲ)RVパーク

RVパーク

キャンパーフレンドリーなRVパーク

RVパークというのは、まだまだ聞き慣れないが、日本RV協会より認定された、キャンピングカーが停泊できるスペースのこと。
もちろん普通車でもOKで、快適に安心して車中泊が出来る場所を提供するために、日本RV協会が推進しているもの。
一般的な駐車場に比べて、ゆったりとしたスペースが確保されており、一週間程度の滞在も可能。
さらに、電源設備も用意されていて、ほとんどのRVパークで入浴施設の利用も可能とのこと。

なお、キャンプ場のように外で自炊などはできないが、道の駅の駐車場よりも自由度が高い。
車中泊が浸透していく時代における次世代スポットと言える。

道の駅にRVパーク

ちなみに、現段階では道の駅に隣接するものが多いRVパークだが、今後は様々な施設との提携も考えられている。
すでに日帰り温泉に隣接されたRVパークは存在するが、その他、温泉旅館の駐車スペースにRVパークを設置することで、温泉利用を促進する計画などもある。
また、車中泊の場合にアルコールを摂取することは憚られるが、地元のレストランや料理店の駐車場にRVパークがあれば、料理を肴にお酒を楽しみ、そのまま車で眠るなんてことも可能だ。
とにかく、RVパークは伸びしろだらけなので要チェック。

道の駅 こすげ


なお、参考として、山梨県の『道の駅 こすげ』に設置されているRVパーク。
東京から車で約2時間の距離にある小菅村は、“東京から最も近い日本の原風景を保つ場所”と謳われるほど自然豊かな場所で、ここのRVパークでは、美しい景観はもちろん、気軽にジップスライドが体験できる「フォレストアドベンチャー・こすげ」や、美人の湯として名高い「小菅の湯」があるなど、アトラクションが豊富。
こういう場所作りが全国的に進めば、車中泊もどんどん広がっていくだろう。

さいごに


これまでは野宿同然のイメージをなかなか払拭できなかった車中泊だが、今や旅行における有力な選択肢となってきている。
言わば、新しい価値観によって生まれた、新しい旅のスタイル。


車もアウトドアも好きという人はもちろんだが、ホテルや旅館に泊まることは重要でないと考える人なら、車中泊は結構オススメなので、気が向いたら是非。






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