自動車の運転免許証は、定期的に更新をしなければ失効してしまいますよね。
人によって更新時期(誕生日の前後)は異なりますが、中には『うっかり更新を忘れていた…』なんて方も一定数はいらっしゃると思います。
当然ですが、免許の更新を忘れると、思わぬ事態に発展してしまう恐れがあります。
金銭的、時間的に損するだけでなく、免許失効には大きなリスクが潜んでいることがあるのです。
そこで今回は、免許の更新を忘れると具体的にどのようなデメリットがあるのかについて、詳しくご紹介します。
まずは、運転免許の更新のアウトラインを説明します。
免許の更新手続きは、有効期間満了年の誕生日の1ヶ月前から1ヵ月後までの間(誕生日の前後1ヶ月間)に行います。
有効期間満了日(誕生日の1ヶ月後)が土日祝(振替休日を含む)や年末年始の場合は、その日の翌日まで手続きが可能です。
また、更新手続き時には以下の書類等が必要で、住所変更・氏名変更・本籍地変更を伴う場合は、それらを証明および確認できる書類も別途必要になります。
●更新前の運転免許証
●更新連絡書(ハガキ)
※更新手続きする場所、日時、必要書類、費用などが記載されている
※紛失した場合でも、通常の更新手続き、住所変更を伴う更新手続きは問題なく可能
●運転免許証更新申請書
※更新する場所(運転免許センター、試験場、警察署)にあるので、事前準備は不要
●6ヶ月以内に撮影した申請用写真1枚
※運転免許センターや試験場で更新する場合は必要ないことも多い(更新連絡書に必要かどうかの記載がある)
※この写真は「申請用」の写真で、免許証に貼る写真は更新手続き場所で撮影する
運転免許証の更新にかかる手数料について、「更新手数料」は一律で2,500円ですが、「講習手数料」は運転者の区分によって変わってきます。
ですので、2,500円プラス、以下の金額を合わせたお金を用意しましょう。
【講習手数料】
優良運転者講習受講者:500円
一般運転者講習受講者:800円
違反運転者講習受講者:1,350円
初回更新者講習受講者:1,350円
以上が、免許更新の概要になります。
『更新を忘れても、後日手続きをすれば特に問題ないでしょ?』とお考えのあなた。
それは大間違い。
免許を1度失効した後に手続きすると、免許取得日が再交付日に変更されてしまいます。
つまり、以前はゴールド免許であったとしても、手続き後は、ブルー免許に変更されるということです。
そして、ゴールド免許からブルー免許に変わると、
●次回の更新が3年後になる(ゴールドは5年)
●次回の更新時には初心者講習を受けることになる
などのデメリットが発生し得ます。
また、免許を失効している期間には、車を運転することはできません。
この状態で車を運転すると、「無免許運転」と同じ扱いになってしまうことがあるのです。
そして、無免許運転の罰則はというと、
●3年以下の懲役、または50万円以下の罰金
●減点25点
と定められているため、免許の失効には十分注意する必要がありますね。
ただし、実際には、更新時期から「半年以内」は正式な失効として扱われることはありません。
そのため、検挙されても無免許運転にはなりませんが、民間の保険が適用外になってしまうことがあります。
免許の失効では、失効後の期間によって扱いが変わってきますので、具体的な違いを見ていきましょう。
■半年以内
学科試験…免除
技能試験…免除
■半年超~1年以内
学科試験…仮免許試験のみ免除
技能試験…仮免許試験のみ免除
■1年超
学科試験…免除なし
技能試験…免除なし
見てもらえると分かるのですが、失効後の期間が長いほど、再取得時の手間が増えてしまうのです。
ただし、失効後半年~3年以内の方で、病気などやむを得ない理由があった場合には、学科試験・技能試験ともに例外的に免除されます。
「うっかり忘れていた」ケースでは、失効後1年が過ぎると免許を取得していないのと同じ扱いになってしまうため、十分に注意しておきましょう。
免許の更新時には、全てのドライバーが講習を受講することになりますが、この講習の受講料は、ドライバーの区分によって変わってくるので、免許の更新を忘れると金銭的に損をしてしまうことがあります。
以下が、受講料の区分ごとの違いです。
・優良運転者講習…4,400円
・一般運転者講習…4,700円
・違反運転者講習…5,250円
・初回更新者講習…5,250円
本来ゴールド免許であった人が免許の更新を忘れてしまうと、優良運転者ではなく初回更新者として扱われるため、金銭的には850円の損をしてしまうことになりますね。
さほど大きな金額ではないですが、もったいないですよね。
また、失効後半年超~1年以内のケースでは、本試験を受けなければ免許を再取得することはできません。
本試験の手数料については、都道府県ごとに若干違いが見られますが、受講料と交付料を合わせると、3,800円前後となっています。
失効後1年超のケースでは、はじめから免許を取得し直すことになるため、さらに多くの費用を負担することになります。
世の中には、免許の更新を忘れないように日頃から工夫している人もいらっしゃいます。
『忘れてしまいそうで不安…』という方は、以下、ご紹介するアイデアを実践してみましょう。
携帯電話のアラーム機能を、目覚まし時計として利用している方は多いはずですよね。
このアラーム機能で免許更新期間を設定しておけば、更新忘れを防ぐこともできるのです。
ただし、この方法を実践する場合には、2つ注意することがあります。
1つ目は、「何のためのアラームかを設定すること」です。
更新期間にアラームが鳴ったとしても、目的が表示されなかった場合には、『何のアラーム…?』と、ほぼ確実に忘れてしまいます。
そのため、アラームを設定する際には「免許の更新!」という目的を入力しておくことが望ましいでしょう。
2つ目は、「機種変更する可能性」です。
当たり前ですが、アラームを設定したとしても、機種変更すると新しい携帯電話にはその情報は共有されません。
したがって、免許の更新前に機種変更をする可能性がある方は、新しい携帯電話にもアラームを設定するように心がけましょう。
カレンダーに更新期間(誕生日から1ヶ月前後)をマークしておけば、誕生日が訪れる度に更新を意識することができます。
毎年のカレンダーにチョコっとマークしておけば、自然と更新時期を意識するクセが身につくことでしょう。
上記の2つを実践しても、不安な方は冷蔵庫など家の目立つところに免許証のコピーを貼っておきましょう。
家の中でも、トイレやテレビの横など、自分が普段よく見る場所にコピーを貼っておけば効果的です。
運転免許証の更新を忘れると、いろんなデメリットが生じてしまいます。
特に、更新期間から半年を超えると、試験に合格しない限り、免許を再取得することができないので要注意です。
こうやって少し意識するだけでも、ウッカリ忘れは防止できますからね!
以上、免許の更新についてでした。