2016.10.27

【自賠責保険をおさらい】ほとんど気にしたことないやろし、ここで一回気にしよ。

当たり前に潜む盲点/灯台下暗し


自動車保険の中でも普段はほぼ意識することのないであろう強制保険、自賠責保険。
何か事が起きてから、それを理解しようなんて考えていませんか?

今回は、自賠責保険の歴史も少し振り返りながら、どんな保険か改めて見ていきましょう。

自賠責保険


まず、自動車保険には“強制”と“任意”、2種類の保険が存在していて、自賠責保険が前者で、任意保険が後者ですね。

◇自賠責保険は「強制保険」

自賠責保険というのは強制で、車、バイクを所有する人は必ず加入しなければなりません。言い方を変えれば、自賠責保険に加入していれば、自動車を所有し運転する権利があるということになります。もちろん、運転免許は必要です。

そして、自賠責保険は交通事故に遭われた全被害者を救済するという目的のもと機能しており、例えばあなたが事故を起こした際は、慰謝料を含む損害賠償が発生するわけですが、仮にあなたが一文無しであっても、自賠責保険が被害者に対して必要最低限を補償する役割を果たします。

補償内容と限度額は以下の通りです。

●傷害による損害:対象者1名につき120万円まで
●死亡による損害:対象者1名につき3,000万円まで
●後遺症による損害(常時介護を要する場合):対象者1名につき4,000万円まで
●後遺症による損害(随時介護を要する場合):対象者1名につき3,000万円まで

参考:国土交通省 │ 自賠責保険ポータルサイト



なお、車や物の破損は補償対象外なので、人に怪我はなく、物を破壊した場合の物損事故は完全適用外となります。

◇自賠責保険に未加入の場合は?

もしも自賠責保険に未加入の場合は、自賠責保険から支払われるはずの補償は加害者自ら支払わなければなりませんし、任意保険の適用範囲は自賠責保険の超過分という規定なので、間違いなく大きな自己負担を強いられます。
また、事故を起こさなくとも重い罰則があり、自賠責保険は自動車損害賠償保障法(自賠法)による法的拘束力があるので、未加入で自動車を運転するだけでも、以下のような罰則が科せられます。

●1年以下の懲役または50万以下の罰金
●違反点数6点で免許停止処分


さらに、自賠責保険証明書は運転中に所持しておかなければならず、所持していないだけで、30万円以下の罰金が科せられてしまいます。
ここ、意外と知らない人も多いので、お忘れなきように。

◇任意保険が自賠責保険をカバー

そして、補償が莫大な大事故の場合は、自賠責保険のみでは不十分です。そこで、自賠責保険では賄えない補償範囲を充当してくれるのが任意保険ですね。

任意保険は補償額が増えるだけでなく、加害者補償や物損事故など、自賠責では足りないあらゆるところをカバーします。
対人賠償責任保険をはじめ、数多くの任意保険がありますが、自身のカーライフに応じて適宜加入しましょう。


自賠責保険の歴史

自賠責保険の歴史


武士が馬に乗って戦う時代から自賠責保険は存在した、ということはありません。


日本の自賠責保険が登場したのは、1955年に自動車損害賠償保障法(自賠法)が制定されてからです。
1950年代から高度経済成長を迎えたことで、自動車保有台数が急激に増え、それに伴い交通事故による死傷者も急増しました。
そのタイミングで施行されたのが自賠法で、自動車走行にあたっての自賠責保険加入が義務付けられ、交通事故の被害者が必要な補償を得られるような設計になりました。

ちなみに、任意保険の歴史は自賠責よりも古く、1914年頃に遡ります。
当時は自動車がかなり少なく、事故の被害者救済というよりも、車そのものを保護するための保険という枠組みでした。
その後、自賠法を契機に、自賠責保険では足りない補償を拡張させるものへと変化していきます。

自賠責保険の制度が任意保険よりも後に整備されたというのは意外に思われるかもしれません。


自賠責保険の契約・変更・解約

自賠責保険の契約・変更・解約


自賠責保険の補償内容は細かく定められており、状況に応じた補償額も決められています。
また、保険会社によって料金やサービス内容が変わることはないので、任意保険とセットで加入するのが通常です。
当然、手続き等は保険会社の窓口で行います。

加入手続き

損害保険会社の支店、あるいは車販売店、バイク販売店で行います。なお、保険には有効期限があり、長期間で申し込むほど保険料はお得です。

基本的には車両を購入する段階で見積もりの中に含まれていて、車検期間に合わせて手続きをすることになります。これは車検の際に自賠責保険証明書が必要になるからです。一方、原付や250cc以下のバイク(軽二輪自動車)は車検がないので、加入や更新手続きを自主的に行わなければなりません。その場合の手続き場所ですが、上記に加え、郵便局、コンビニ、インターネットで可能です。また、保険適用開始までの日数は申し込み方法によって異なるので注意しましょう。

登録内容変更手続き

自賠責保険証明書の記載事項に変更があった場合、変更手続きが必要となります。例えば、車両を知人に譲ったなど、車両が譲渡された場合には契約者変更を行わなければなりません。その際の必要書類は、自賠責保険承認請求書、自賠責保険証明書、譲渡人の実印、印鑑証明書です。

なお、引っ越しの場合は住所変更の手続きをしなければなりません。必要書類は、自賠責保険証明書、契約者の印鑑です。

解約手続き

自賠責保険の解約は基本的には廃車の場合に行うもので、必要書類は自賠責保険証明書、配車(納車)証明書類、契約者の印鑑、銀行口座内容が分かるもの、本人確認書類ができるもの、保険標章(※原付、バイクのみ)です。
なお、保険は車に対してかけられているので、譲渡などの理由では解約できません。
契約有効期限が1ヶ月以上残っていれば還付があるので、廃車と同時に解約するのが望ましいです。


おわりに


最低限これだけは押さえておきましょう。

■自賠責保険は強制保険であり、車やバイク単位で加入していなければ運転できない
■自賠責保険証明書は、運転中に所持しておかなければならない


特に、原動機付自転車や250㏄以下のバイクでは、うっかり自賠責保険の満期が過ぎてしまっていたということも十分にあり得ますので、車検がない分、自発的な確認がマストです。
車やバイクを他人から借りる際も、自賠責保険証明書が携帯されているかのチェックは忘れずに行いましょう。






NEXT/STORY