酔っぱらって転んだ時。
交通事故などで頭を強くぶつけた時。
意外と天井が低かったのに、そのまま直進して頭を打った時。
気絶しちゃうような強い衝撃を頭に受けた時、アナタはどうしますか?
「一瞬、目の前が真っ黒になった」、「目から火花が飛んだ」などと表現されますが、実はこれ、結構まずい状態になっていることもあるのです。
見ていきましょう。
頭にはズガイコツがあり、これが大事な「脳」を守っています。
ズガイコツの外側に出血した場合は、大きい「たんこぶ」が出来ます。
ズガイコツの中は、以下のような状態になります。
(1)ズガイコツの中には、行き場の無い血液が溜まる
(2)ズガイコツを押し出すことはできないので、脳を圧迫し始める
(3)圧迫された脳は部分的に機能を停止する
これによって、意識がなくなったり、変な事を口走ったり、手足がピーンと伸びて動かなくなったり、逆に手足がビクビク動いたり、急におう吐したりします。
こういう症状が出た場合は、一刻を争いますので、まず救急車を呼びましょう。
どうやって頭を打ったのか、今どんな状態にあるのか、救急隊員にしっかりと伝える必要があります。
特に、危険なのは、お酒を飲んで転んだ時。
自分でカラダを制御できないので、想像以上に強く頭を打っていることがありますし、アルコールによって出血しやすくなっています。
また、交通事故など、強い衝撃を受けた時も要注意です。
人によっては、血液が固まらなくなる薬を飲んでいることがあり、この場合も(見えていなくても)かなりの量を出血している可能性があります。
実は、頭部打撲に対する応急処置は、安静にして冷やすしかありません。
しかし、頭に強い衝撃を受けた本人は、しばらくボーっとしてしまいます。
まずは、近くにいるアナタができることを考えてみましょう。
名前、今どこにいるか、今日は何年何月何日か、なぜこうなったか、これらが全てスラスラ言えれば、とりあえず意識はしっかりしていると見て問題ないでしょう。
ぶつけたあたりから出血していないかを確認します。
ダラダラと血が流れている場合は要注意です。
すぐに救急車を呼びましょう。
髪の毛があって分かりにくい場合は、白い布などでぶつけたあたりに軽く触れます。
布に血が付かなければ、目立った出血は無さそうです。
意識障害がなく、出血も無さそうなら、今度は首の状態を見ます。
両手足に力が入らない、両手足を動かすことができない、首の後ろに触れると痛がる、こんな時は危険な状態です。
すぐに救急車を呼びましょう。
以上、頭に強い衝撃を受けた時、人は自分で自らの状態を把握することができません。
つまり、その人が生きるか死ぬかは、周りの人がその運命を握っているということが大いにあります。
意識がハッキリしていて、特に出血もしておらす、手足の動きが正常なら、とりあえずは打ったところを冷やすのが先決です。
その上ですぐに病院に行き、頭を検査してもらいましょう。