2016.01.14

ドライブレコーダーが事故の瞬間を捉えたー!その映像や音声って証拠になる?

ドライブレコーダーは優秀です。

ドライブレコーダーは、映像や音声を自動で記録することができる、自動車専用のレコーダーのことでした。

また、ドライブレコーダーでは自分の走行状況を記録することができるため、未来的な自動車保険である“テレマティクス保険”にも活用されているという優れものです。



ところで、そんなドライブレコーダーが、事故の際の「証拠」として扱われるケースがあることをご存じでしょうか?
ただし、どのような映像や音声も、決定的な証拠として扱われる訳ではありません。

ドライブレコーダーによって自分の身を守るには、いくつか注意するべきポイントがあります。

今回は、ドライブレコーダーが実際に証拠として扱われた事例や、設置する時の注意点などをご紹介します。

ドライブレコーダーの映像が証拠になることもある


ドライブレコーダーの映像や音声が証拠になった、実際の判例をご紹介します。

車線変更時の衝突

乗用車Aが片側二車線の右車線を走行しており、左車線に車線変更しようとしたところ、同じく右車線を走行していた乗用車Bが後方から衝突しました。

しかし、乗用車Bの運転者は、
『乗用車Aが無理に左車線に割り込んできた』
と主張したことから、乗用車Aの運転者と意見が食い違いました。
つまり、乗用車Bの運転者は、
『元々左車線を走っていた』
と主張した訳です。


こちら民事裁判にまで発展しましたが、そこで証拠となったのは乗用車Aのドライブレコーダーです。
幸いにも乗用車Aにはフェンダーミラーがついており、そのミラーに映り込んだ映像から、乗用車Bが右車線を走行していたことが判明しました。

信号無視による衝突

乗用車Aが信号無視をして、乗用車Bに衝突しました。
乗用車Bの運転者は、乗用車Aの運転手に対して修理代を請求しましたが、乗用車Aは認めず、示談は成立しませんでした。
そして、少額訴訟へと発展しました。


こちら数回の弁論が行われましたが、乗用車Bが事故状況を捉えたドライブレコーダーを提出した次の弁論で、乗用車Aの運転手は修理代の支払いを受け入れました。
ドライブレコーダーの映像が、示談成立の直接的な原因になったかどうかは不明ですが、示談成立に影響を及ぼしたことは明らかです。

乗用車とバイクの事故

信号のある交差点で乗用車が右折しようとしたところ、右側から直進してきたバイクと衝突し、バイクの運転者が死亡してしまいました。

乗用車の運転者は、
『信号は赤だったが、右折の矢印信号が出ていた』
と主張し、事態は刑事裁判まで発展しました。

しかし、近くを通りかかったタクシーのドライブレコーダーを確認したところ、乗用車が交差点に進入する90m手前の地点で、すでに矢印信号が消えていたことが判明しました。

裁判官はこの映像を証拠として採用し、危険運転致死罪を認定する結果となりました。

ドライブレコーダー記録を証拠として使用する際に気を付けたいこと

上記のように、ドライブレコーダーは証拠として扱われることがありますが、全ての裁判で「証拠能力がある」とされる訳ではありません。

なぜ、証拠として認められないことがあるのでしょう。
以下ではその理由と、ドライブレコーダーを証拠として扱う際の注意点についてご紹介します。

映像の信用性

パソコンなどのデバイスが広く普及した現代では、ドライブレコーダーの映像や音声を簡単に編集することもできてしまいますので、当初の予定より提出が遅れると、改ざんを疑われてしまう恐れがあります。

なお、「事故が発生した直後のタイミング」で、警察官などと一緒に映像を確認すれば、改ざんを疑われる可能性は低いですが、証拠品として提出する際は、ドライブレコーダーの機械ごと提出すると、信用性が高くなるとされています。

ドライブレコーダーの角度

ドライブレコーダーの視野角は限られているので、ドライバーの視界の全てが映像として記録される訳ではありません。
決定的な瞬間を記録できなければ、当然証拠として認められることは難しくなります。

ドライブレコーダーを取り付ける際には、「位置と角度」の2点に注意する必要があります。
車種や車高によって、ドライブレコーダーの適した取り付け方は若干異なるため、実際の映像を見ながら確認しましょう。

また、上記の例のようにフェンダーミラーが付いている車の場合は、フェンダーミラーが映るように調整することによって、視野角をある程度カバーすることができます。

客観性の欠如

事故の当事者は、当時の状況を自分の目で確認していて、先入観を持っている可能性があるので、当事者がドライブレコーダーの映像を見ながら意見を述べたとしても、場合によっては「客観性に欠けている」と判断されてしまうことがあります。

例えば、強引に割り込んできた乗用車が原因となり、接触事故が発生したとします。
こんなケースでは、当事者の車だけでなく、周りの交通状況も映像に映り込んでいないと、強引に割り込んだかどうかを第三者は判断することができません。
つまり、事故に巻き込まれた側が『強引な割り込みだった』と主張しても、その主張が通らない可能性があるのです。

そのため、中には映像鑑定のプロに鑑定を依頼し、鑑定書と一緒にドライブレコーダーを提出するようなケースもあります。

ドライブレコーダーはあくまでも証拠品のひとつ

実際の裁判では、ドライブレコーダー以外にも重要視される情報がいくつかあります。


重要視される主な情報は以下です。

●警察の実況見分調書
●第三者の目撃情報


もちろん、当事者の意見が判決に影響することもありますので、ドライブレコーダーで鮮明な映像や音声が記録できたからといって安心することはできません。
積極的に警察などに対して協力し、当時のシチュエーションを具体的に伝えることも大切なポイントになります。

おわりに

いかがでしょうか。

ドライブレコーダーで記録された映像や音声は、時に重要な証拠として扱われることがある訳ですが、証拠として認められるためには、映像の角度や鮮明さ、提出時期などが重要なポイントとなります。
設置する際に実際の映像を確認し、効果的な映像や音声が記録できているかどうかを確認するようにしましょう。


なお繰り返しになりますが、今回ご紹介したドライブレコーダーは、今後テレマティクス保険の普及に伴い、装着率が高くなってくるはずです。
現段階でドライブレコーダーを所有していない方も、このタイミングで少しでも頭の片隅に置いておきましょう。






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