2015.12.07

【カーシェアリングが熱い】地球に優しく、経済的で合理的~車も時代と調和する。~

こんにちは。
毎度、経済何でも伝道師および自動車運転免許ホルダーのピタゴラです。


日本の自動車界隈では近年、「若者の車離れ」や「マイカーを持つことはステータスではなくなった」など、あまりハツラツとしない話題が目立ちますね。
都心部に居住する20代30代の若者たちは、そもそも車の免許さえ取得していない方も多いと聞きます。

一方、テクノロジー関連では、エコカー熱や自動運転熱がますます高まるなど、自動車は市場経済を賑わすセグメントであることに疑いはありません。


そんなこんなで今回は、自動車ネタの中でそのプレゼンスがどんどん大きくなってきている、カーシェアリングについてのお話です。

カーシェアリング(カーシェア)とは?

カーシェアリング

カーシェアリングというのは、(登録)会員の間で、特定の自動車を共同使用するサービスないしはシステムのことです。


かいつまんで言うと、『皆で車をシェアして無駄なコストを減らしましょう』という、至って合理的で、かつマイルド消費を美学とする現代社会の象徴のようなサービスです。

カーシェアリングのメリット&デメリット

まず、カーシェアリングのメリットについては、巷では経済的な利点が先行しています。

「マイカーでない他人の車を借りる」という意味では、レンタカーに近い存在に感じられるかもしれませんが、カーシェアはレンタカーよりも“ごく短時間の利用”を想定しており、レンタカーよりもフレキシビリティに優れていて、しかも価格がリーズナブルに設定されているところがポイントです。
基本的にはWebで予約状況が把握できるようになっているので、自分の予定に合わせて予約を入れるような利用が主流となっています。



一方で、デメリットは大きく2点あります。


■車を使いたい時に、すでに枠が埋まっていて使えない可能性がある。また、緊急を要する時に使えないこともある。

■レンタカーと違って、ワンウェイ(片道)で車が必要な場合などで、乗り捨てができない。


ただ、このデメリットは、いざとなればレンタカーと使い分ければいいだけの話なので、致命的なデメリットではなさそうです。

カーシェアリングはどこで生まれた?

ところで、このカーシェアリング、発祥はどこの国だと思います?



どうせ、自動車大国であり、合理主義大国であり、世界一の経済大国であるアメリカなんじゃないの…
と答えたい気持ちは大いに理解できますが、こればかりは違います。






正解は、スイスです。




なぜ、ヨーロッパのスイスからこのようなサービスが生まれたかと言うと、スイスでは1970年代、国民が所有する車両のほとんどが経済中心地である都心に集中してしまったことで、田舎街やローカル商店街が過疎化に伴って荒廃してしまい、逆に、都心部では車両流入の調整など大規模な規制が行われました。
そうして、都心で車を所有することが半ば厳しくなり、郊外に複数人で共有車を持つという手段が流行したのです。
これが、カーシェアリングの起源です。

日本でいうと、東京23区で車がどんどん多くなってカーライフの利便性が悪くなってしまって、その反動で、神奈川や千葉など関東近郊でカーシェアリングが勃興する、みたいなイメージですね。


「ビジネス」として儲かるからというスタートではなくて、「環境整備」の一環だった訳です。
そして、車を共同使用するシステムをサービスとして取り扱う企業が徐々に増えていき、世界中に波及して、現在のカーシェアリングと同形態のものが定着していくことになります。

カーシェアリングの国内トレンド

日本国内では、2008年に本格的にカーシェアリングサービスが稼働し始めましたが、それ以降のトレンドはどうなっているのでしょうか。


<台数>
2008年:510台
2009年:563台
2010年:1,265台
2011年:3,915台
2012年:6,477台
2013年:8,831台
2014年:12,373台

<登録会員数>
2008年:3,245人
2009年:6,396人
2010年:15,894人
2011年:73,224人
2012年:167,745人
2013年:289,497人
2014年:465,280人

公益財団法人交通エコロジー・モビリティ財団調べ(2014年1月)



数字を見ると台数も会員数も、文字通り、激増していますね。
成長分野の期待値としては、この伸び率は申し分ありません。

では、世界でもTOP10の売上を誇るモンスター企業であるTOYOTAを生み出すなど、比較的、車は共有よりも所有が優勢であると思われる日本で、なぜカーシェア利用が伸びているのでしょうか。



理由はおよそ2つあると考えられます。


●失われた20年の流れの中で経済が停滞し、労働者の所得がなかなか上がっていかない環境下で、自動車の維持費などのランニングコストが家庭のお財布をものすごい圧迫している。

●チョイ乗りなど、1日数十分~数時間の利用のために、わざわざ車をレンタルするという発想自体が強引で、だったら、ゆるくシェアでいい。



なお、この先こういった消費動向が劇的に好転するということは考えにくいので、カーシェアリングが、いずれはレンタカーと同等かそれ以上の規模を誇るサービスとして、日本の各地域に根付いていく可能性は高いと言えます。

ちなみに、自動車大国アメリカでは、配車サービスが芳ばしい。

自動車大国アメリカでは、配車サービスが芳ばしい。

ここで、せっかくなので、自動車大国アメリカはどんな感じなのかも見ておきましょう。



実のところ、アメリカでは「カーシェアリング」よりも「配車サービス」の方が人気の模様です。
というのも、そもそもカーシェアリングというのは、拠点が居住地近辺に限られてくるサービスです。
長距離移動の場合は、自家用車かレンタカーを使うのが一般的で、日本と比べ物にならないほど国土が広く、車は1家に1台以上は当然というレベル感にあるアメリカでは、カーシェアリングにそこまでの需要が生まれないのも無理はありません。

一方で、配車サービスは、元来タクシーと同じフィールドにあって、自家用車を持っていようが持っていまいが、その利便性の高さから大いに流行る余地がある訳です。



中でも、Uber(ウーバー)は有名かもしれませんね。

ご存じない方のために簡単に説明しますが、Uberは、アプリを使ってタクシーを配車するサービスで、2009年にアメリカで誕生し、日本では2014年3月に本格ローンチを果たしました。
一般のタクシーとの大きな違いは、“乗車するまでの道程”と“サービス品質”です。
普通のタクシーは乗客が自ら拾いますが、Uberでは乗客が指定した場所までタクシーが迎えに来てくれます。
そして、Uberで配車するのは、ハイヤーが主です。
Uberを利用したことのある方は分かると思いますが、アプリで何時にどこに迎えに来てほしいと設定すると、カッコいい車(高級車を指定すると、その分値段も上がる)がカッコよくやってきて、カチっとした運転手がドアを開けてお出迎えしてくれます。
車内空間も広々としていて、内装も豪華な車種が多く、言わばVIP体験の提供です。
ここが、Uberが市場の心を掴んだ最大のシークレットと言えると思います。

また、日本でサービスを開始した当初は、マーケティング施策の一環で、美容院やアパレルショップなどで、Uberを3,000円分利用できる乗車カードを無料配布していたような時期もありました。


なお、皆さんご存知のLINEも、2015年初めにLINE TAXI(ラインタクシー)をリリースしましたが、これもUberと同様のタクシー配車サービスですね。


「カーシェア」とは異なる「ライドシェア」っていうのも、ちょっとだけ紹介。

ところで、上記のUberなどのドライバーは、基本的にタクシー会社やハイヤー会社、もしくは、それと同等の権利および資格を持つ個人ドライバーに限られます。

そしてこの配車サービスへの傾倒潮流が、「カーシェア」とは少し異なる「ライドシェア」というサービス形態の進化をも助長しています。

ライドシェアとは、シェアリングエコノミー(→インターネットを通じて個人間でモノを貸し借りするようなサービス形態)の代表的なモデルケースで、個人の自家用車で相乗りサービスの提供を行うものです。
ここで押さえるべきポイントは、誰もが個人タクシーの営業主になり得るということです。
なお、当件は、日本でも実証実験を開始しましたが、国土交通省が「道路運送法に抵触する可能性がある」として中止指導されています。
というのも、アメリカにおけるライドシェアでは、ドライバー資格は不要で、会員登録的な手続きのみでOKなので、極端な話、犯罪歴がある人でもドライバーになれてしまうといったような問題点があったりする訳ですね。

ちなみに、シェアリングエコノミーの他の例として、家を貸し借りするサービスは前向きに浸透しており、Airbnb(エアビーアンドビー)などはかなり有名で、日本でも事業を展開していますね。
さらに、日本ではメルカリなどのフリマアプリが順調に拡大中のようですが、あれもシェアリングエコノミーの一種と言えます。
いわゆるCtoCサービスでは、シェアリングエコノミーの原理に沿ったビジネスが多いので、気になる方はチェックしてみてください。

車の未来

車の未来

日本は先進国の中でも指折りの車大国ですが、従来のように車体を生産するのみでなく、上記の事例をはじめとした、車に付随するサービスにおいても大きなポテンシャルを秘めていて、もっともっと世界に発信していけるはずです。


例えば、Googleなどが積極的に行っている、人工知能を搭載する自動運転車開発の提携交渉を見ていても分かりますが(※現段階で、TOYOTAやHONDAに声を掛けていると噂されている)、アメリカは自国の自動車メーカーではなく、日本の自動車メーカーの保有する生産技術や品質資産を欲しがっているように映ります。


何よりも、日本が戦後の高度経済成長を経て、世界第2位の経済大国にのし上がっていったのは、車やハイテク技術の隆盛があったからに他なりません。


今後は、自動運転、1人乗り自動車、電気自動車および水素自動車の更なる普及など、イノベーション面で大きくブーストがかかるだろう点も見逃せません。
そうなるともちろん、私たちの生活そのものが、ガラっと様変わりすることにもなります。


目下、交通インフラ改善が叫ばれる、2020年の東京オリンピック開催を迎えるまでの4年間で、果たしてどんな変化が待っているのでしょうか。
そのあたりの動向も含めて、注視していきたいですね。



今回はこの辺で。

以上、ピタゴラでした。





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