「ついうっかり、沸騰したやかんに触れた」
「ついうっかり、煮え立つ鍋や鉄板に触れた」
「ついうっかり、タバコの火に触れた」
やけどの危険は、日常のいろんなところに潜んでいます。
誰だって、好きこのんで火の中に手を突っ込んだり、熱湯をかぶったりしませんよね。
中には熱湯に入りたがる人もいますけど、それは例外!
押してほしそうにしている人もいますけど、例外!
ここでは、やけどをした場合に思い出すべき、跡を残さないための処置法について、5つのポイントに分けてご紹介します。
やけどの重傷度は、「広さ」と「深さ」と「時間」によって決まります。
長い時間をかけて広く浅く焼ける「日焼け」は、アフターケアをしっかりすれば、ほとんどは綺麗になりますよね。
それに対して、範囲は狭いですが、時間をかけてじっくり深く焼ける「低温やけど」は、治るまでに時間がかかりますし、跡が残ってしまいます。
直接肌に触れるカイロや湯たんぽなどは注意が必要です。
やけどの深さは、以下の3つに分かれています。
■Ⅰ度(表皮のやけど):皮膚は赤くなり、ひりひり痛む
■Ⅱ度(真皮のやけど):皮膚には水ぶくれができ、強く焼けるような痛みがある
■Ⅲ度(全層のやけど):皮膚は真っ白か、炭化しており、痛みはあまり感じない
この中で病院へ行かなくても何とかなるのは、狭い範囲のⅠ度だけ。
それよりも明らかに深いなら、迷わず病院へ。
特に、乳幼児の場合、体表面の10~15%を超える範囲でのやけどは、浅くても重症になります。
迷わず救急車を呼びましょう。
瞬間的なやけどの場合、広範囲なら浅くても病院へ。
大人でも、例えば自分の手の平より広い場合は、すぐに病院へ行きましょう。
ごく軽いやけどの場合、衣服をスルリと脱げるようなら脱いで、やけどの広さと深さを確認します。
でも、皮膚の表面と衣服がくっついているような場合は脱いじゃダメ!
無理やり衣服を脱がせると、皮膚も一緒にはがれて、大参事になりかねません。
いわゆる「ズルむけ」の状態になってしまいます。
痛い・汚い・治らないの3重苦です。
特殊な薬品によるやけどの場合以外は、衣服の上から冷やすのがベストです。
重要なのは、「冷たい水でやさしく冷やす」ことです。
焦って強い水流をかけるのは、強い痛みを感じますし、水ぶくれが潰れてしまうのでNGです。
では、患部別に見ていきます。
●手や足先
水道水をジャーッと流しながら冷やす
●腕や脚(下腿)
氷水をはったバケツの中に突っ込む
●大腿部、背中、お腹
やけどの上にタオルなどを置き、その上からホースを使ってやさしく水を流す
冷やす時間の目安は、痛みが和らぐまでの10~30分程度。
それ以上冷やし続けると、凍傷になることもありますので気をつけてください。
冷やし終えたら、すぐに病院へ。
おばあちゃんの知恵などにありがちな「やけどをしたらミソを塗る」のは間違いです。
味噌ではなく、ネギ、ジャガイモ、馬油などもあるようですが、これらは全て根拠ナシ。
逆に、傷口からの感染の原因となるため、治療期間が長引き、跡が残ってしまうこともあるので厳禁です。
実は、やけどを負うのは皮膚だけではありません。
交通事故による火災や火事など、超熱い空気を吸い込むと、気道をやけどする危険があるのです。
皮膚と違って直接冷やすことは難しいうえ、そのままでは気道が腫れてしまい、重症の場合は、やがて息ができなくなってしまうという、命に関わるとても危険な状態です。
燃えさかる火から出る熱い空気を吸った可能性や、のどに強い痛みがある場合は、救急車を呼ぶ際にしっかり伝えましょう!
料理中、鍋料理・鉄板料理を食べるとき、タバコ…
そんな「ついうっかり」な軽いやけどなら、きちんと冷やせば何とかなります。
数日は痛みがありますが、水ぶくれがやぶれなければ大丈夫です。
しかし、それ以外のガッツリな場合は、なかなかキレイに治りません。
広く、深く、じっくり、どれかに当てはまる場合は、病院できちんと治療を受けましょう。