2017.03.29

自動運転車:猛きテクノロジー:21世紀の飛翔:新たなる自由への渇望

未来が好きだ


さて、クルマの自動運転は、世界の再編成を促す革新技術です。

自動運転車はほんの一昔前まで完全に絵空事でしたが、カメラやセンサーが加速度的にアップデートされ続け、法規制が整えられる中で、今や実用化の域に達しています。
また、アメリカやドイツなどの自動運転システム開発に積極的な国々では、一般道や駐車場設備のIoT化も合わせて推進されています。

そして2016年は言わば、完全自動運転の一歩手前、半自動運転が市場に投入され始めた年でした。
テスラは電気自動車モデルSを対象に、オートパイロット、オートレーンチェンジを利用可能にしました。
メルセデス・ベンツがEクラスに搭載したのは、方向指示器を押すだけで高速道路での車線変更を自動で行える新機能です。
日産はセレナを改良し、同一車線自動運転技術のプロパイロットを搭載しました。


中でも近年話題にのぼった代表的なところでは、テスラのモデルSが顕著です。

TESLA MODEL S │ 完全自動運転対応ハードウェア搭載

テスラ Model S


アメリカのテスラモーターズが販売するモデルSは、自動運転の評価基準でレベル2該当車として大きな注目を集め、法律で許可がおりたアメリカの州では、すでに公道を走行しています。
日本でもモデルSは販売されていますが、手放し走行は法律で禁止されているので、ハンドルに手を置いた状態で走行可能です。

なお、米国運輸省の国家道路交通安全局<NHTSA>が定義した自動化レベルには1~4段階まであり、レベル2というのは、車速自動追従機能と車線維持を同時に行い、車線変更せずに1本の車線を走行できるレベルで、操舵(ステアリング)、加速(アクセル)、制動(ブレーキ)操作を支援する程度に留まります。
そういう意味で、完全自動運転ではなく、半自動運転といった具合です。


自動運転システムの仔細ですが、カメラ、レーダー、超音波センサーの検知結果を、内部のコンピュータに伝えることにより自動操作を可能にしていて、この内蔵部はGoogle、Apple、NVIDIAなどのIT企業がシステム、ハードおよびソフトウェア開発に着手しています。
特にGoogleは地図検索分野での強みを発揮し、自動運転に欠かせないナビゲーション技術についてのアドバイスを業務提携という形で各メーカーに提供するなど、大きく幅を利かせつつあります。


この次のレベル3になると、ドライバーの操作なしで車線変更を行い、周辺監視もシステムが担うようになりますが、今年2017年以降、順次市場に出てくる予定です。
富士重工業は2020年に車線変更も含めた自動運転車を製品化予定、また、高速道路での自動運転という名目では、ホンダが2020年に、トヨタは2025年以降に製品化すると発表しています。

そして、ドライバーが行き先を決めるだけで、運転操作を一切行わず、緊急時に車両自ら判断して動くという最強のレベル4の自動運転車も、今後10年、20年スパンで市場投入される見通しです。
この段階になれば、運転操作はすべてコンピュータが行い、仮に事故を起こせば人間ではなく、システムの不具合として企業側が責任を負うことになります。
テスラは2020年を目処にレベル4製品を販売したいとコメントしていて、フォードは、ステアリング、アクセル、ブレーキペダルを持たない完全自動運転車を2021年に量産したいと表明しています。


ちなみに今後の自動運転車分野では、テスラモーターズを立ち上げたイーロン・マスクCEO、Googleの副総裁で技術者を育成するユーダシティを創立したセバスチアン・スラン氏、配車サービスの雄Uberの技術責任者アンソニー・レバンドウスキー氏あたりのインスピレーションとアニマル・スピリッツには要注目です。

※自動運転車の安全性追求


なお、テスラのモデルSは2016年5月にアメリカのフロリダで死亡事故を起こしています。
モデルSの自動運転システムであるオートパイロットが、前方に迫った大型トレーラーを認識できず、衝突事故を招いてしまったようで、当該事故後はオートパイロットの安全性について議論され、自動運転車用の法改正進行が遅れる要因となりました。
アメリカNHTSA(National Highway Traffic Safety Administration)は調査の結果、オートパイロットに欠陥はなかったという結論を出していますが、テスラは厳然たる安全性をクリアするために、開発チームを強化するなどの対策を講じています。


自動運転車の普及による影響


では、自動運転車がもたらす影響を、おおまかに挙げてみましょう。

いい感じ

渋滞を緩和

クルマが規則正しい運転を行えば、渋滞も自然と緩和に向かいます。基本的に渋滞というのは人間の運転技術、特にブレーキが影響して発生するものなので、ブレーキングをサポートする自動運転システムは、渋滞解消に大きく貢献します。

交通事故減少と保険料低下

各社が開発に力を入れる自動ブレーキや衝突回避などのセンシング技術は、いずれも未然に事故を防ぐことを目的としています。完全自動運転が普及するようになれば事故が激減するので、結果的に自動車保険料も大きく低下してしかるべきです。また、別形態の保険が登場するかもしれませんが。

駐車スペース確保

駐車場の確保は、クルマを持つ人の悩みの種のひとつ。特に日本の都心部みたいに土地が狭いところでは、駐車スペースを見つけるだけでも一苦労です。そこで、自動運転システムによる場所取りと駐車が効率的にスムーズに行われ、例えばクルマを奥から詰めて綺麗に並べられるようなことになれば、スペースを確保することに繋がります。

人工知能/AIの発達

自動運転システムの開発が進むと同時に、人工知能も発達していきます。自動運転を可能にするには、人間と同じようなレベル感で学習判断できる人工知能の発達が不可欠です。近年はGoogleやAppleなどが人工知能のプログラム開発に注力しており、新たな時代の幕開けを助長します。


課題ありそう

高価格

テスラのモデルSの新車価格は2017年現在、800万~2,000万円ほどです。最新技術をガッツリ搭載していることもあり、おもいっきり高級車レンジで、まだまだ一般的に気軽に手にできるものではありません。今後の普及度合いで、市場競争と共に低価格化が進んでいくかどうか、といったところです。

システム不具合やハッキング

自動運転車はコンピュータ制御なので、内部のアプリケーションに不具合があれば当然事故が起こりやすくなります。また、ウイルスにかかったり、ハッキングによる被害も考えられます。

仕事の代替

完全自動運転になれば、タクシーなどの運搬系サービスの提供者は半ば不要になり得ます。新技術の登場によって既存の専門性が失われ、産業構造がガラっと変わるといった歴史は繰り返します。近未来は多かれ少なかれ、人間の仕事が機械に代替されていく流れの中にあります。

自動車産業の構造変化

自動運転車の開発は、自動車メーカーだけの畑ではなく、IT畑のハードウェア開発企業などが積極的に関わってくるので、自動車産業がこれまで積み上げてきたノウハウや既得権だけでは成立しません。例えば、自動車開発に携わるエンジニアはクルマには詳しくても、IT関連プログラムやアプリケーション領域の知識は乏しいので、他業種の技術力に頼らざるを得ないのが現状です。総じて、自動車産業の枠組みに変化が起こることになります。


さいごに


FUTUREをMAKEする旗手、クルマの自動運転技術。
この先、業界の垣根を越えた開発競争はさらに白熱し、世界を大きく変える一種の産業革命が起こることになります。
現在はレベル2の段階に留まっていますが、そう遠くない未来に完全自動運転車もお目見えするでしょう。




というわけで、今回はとことんマジメで高尚な感じを気取り、インテリぶりました。
そうして、ひとつの笑いもなく、ここまで来たことを深く反省しております。

ジンマシン出てきそうです。






NEXT/STORY