2015.04.24

事故の責任は100%「加害者」が被らないといけないの?自動車事故の「過失割合」の基本


歩行者が赤信号で横断歩道を渡ってきた、右折禁止なのに右折されて衝突したなど、『自分は悪くないのに!』と思えるような場面が、交通事故には付き物です。

このような場合、被害者の過失と自身の過失の割合に応じて、負うべき責任の内容は変わってきます。
これが、いわゆる「過失相殺」と呼ばれるものです。
そして、過失相殺される場合に、負うべき責任の割合のことを「過失割合」といいます。

ここでは、過失割合の基本的な考え方、そして、車対車、車対歩行者の代表的なケースにおける過失割合の考え方について解説していきます。

過失割合の基本的な考え方

交通事故の損害賠償について、被害者の過失がどんなに大きかったとしても、裁判官はそれを損害賠償の「額」を決めるにあたって考慮するに過ぎません。
加害者側の損害賠償責任を免除することはできないのです。
当然ですね。

そして、被害者側の過失をどの程度考慮するかは、裁判官の裁量に拠ります。
ただ、裁判の公平性を保つために、一般的・客観的な基準に基づいて過失割合を決めることが求められますので、保険や訴訟の実務では東京地裁が作成した基準が参考にされています。

ここで注意していただきたいのは、あくまで基準は参考程度にしか用いられていないということです。
事故の状況は、実に千差万別だからです。

『車 対 車』の事故の場合

車どうしの事故では、過失判断はおよそ以下のようなイメージになります。


交差点を直進する者同士が起こした事故で、加害者が青信号、被害者が赤信号で進んできた場合には、基本的に加害者の過失はないと言えます。
しかし、加害者側に前方不注意や速度違反などが認められ、それがなければ事故を回避できたという場合は、加害者側に過失が認められることになります。

交差点の侵入速度と道路の幅員がほぼ同じで、同時侵入で事故が起きた場合は、左方優先の原則が働くため、過失割合は通常、左方車が4割、右方車が6割とされています。

右折車と直進車の事故では、直進者の進行妨害をしてはいけない、という道路交通法のルールにより、過失割合は、右折車が8割、直進車が2割とされるのが通常です。

追い越し禁止となっている場所で、対向車同士が起こした衝突事故では、それぞれ、センターラインをオーバーした側、追い越した側の過失が大きいと考えられており、過失割合は、前者を10割、後者を9割とすることが原則となっています。

『車 対 歩行者』の事故の場合

一方、横断歩道上の歩行者に衝突した場合には、原則として過失相殺はされません。
しかし、信号機が設置されていて歩行者が赤信号で通行していたケースでは、一般的に7割程度の過失となります。

車と歩行者の事故では、車自体が持つ危険性が大きく考慮され、一般原則として歩行者の保護が優先されます。
歩行者が赤信号で通行していた場合であっても、運転者の前方不注意を否定することはできず、責任自体を否定することはできません。
また、歩行者が横断歩道以外のところを横断していた場合は、歩行者の注意義務も重いと考えられます。
そのため、歩行者について、通常、2割から3割程度の過失が考慮されることになります。




以上、示した過失割合は、あくまで一般的な見解で、実際には道路の幅員や交通量の多さ、歩行者が高齢者、障害者幼児などの交通弱者だったか等、事情によって変わってきます。

老婆心ながら、くれぐれも自動車事故には注意するようにしてくださいね。
ドライバーのときも、歩行者のときも。





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