2017.11.17

国内Aライセンス、たった1日で取得できるってさ。

マイカーケーオツ


さて、国内Aライセンスというのは、有名ドライバーも出場するような国内レースに参加可能なドライバーズライセンスで、レーサーでなくとも、ちょっとしたステータスとして取得する人は割と多いです。

そんなAライセンスですが、なんと、たった1日で取得できて、しかも、サーキットでの実技試験は、マイカーで大丈夫です。
普段運転しているAT車や軽自動車でも受けられるのです。


ここで、Aライセンスカードを財布などにさりげなく忍ばせている自分をイメージしてみましょう。
そりゃもう、スゴいですよね。
スゴい自分ですよ。
人間界のレイヤー2層ぐらい上がった感じありますよね。
そして、更新手続きさえ続ければ、まさに一生ものになり得ます。


ということで、この度、実際に国内Aライセンスを取得してみたので、要点を記していきます。

国内Aライセンス

メルセデス


今回、この車で国内Aライセンスを取得しに行きました。
場所は、富士スピードウェイ。

真紅のメルセデス。
どうでしょうか。
サーキットが似合いますよね。
スゴくないですか。


まあ、それはそれで、Aライセンス持ってるべ!!と友人や知人に言えたら、シンプルにテンション上がりますよね。
いとも簡単に、この人はただの車好きではないべ!!という眼差しをゲットできてしまいます。


なお、Aライセンス取得者の年代は様々で、10代や20代の若者だけではなく、運転免許を所有する老若男女が講習会に集まります。
サーキットとは無縁の人でも、Aライセンスドライバーになれるのです。

富士スピードウェイ


また、これまでAライセンスを取得するにはBライセンスを事前に取得している必要がありましたが、2012年から、Bライセンスを持ってなくとも50分以上のサーキット走行証明があれば、Aライセンスを取得できるようになりました。


では、実際のところを簡潔にレポートしていきます。

国内Aライセンスってこんなもの

国内Aライセンス


国内Aライセンスとは、JAFが発給している4輪自動車競技用のモータースポーツ運転者ライセンスで、これを持っていると、レースやラリーなどの国内競技のほとんどに参加可能です。

ちなみに、JAFはモータースポーツに関するライセンスを多く発給しています。
大きく分けると、「4輪自動車競技用」と「カート競技用」のライセンスがあり、それぞれ「参加者(エントラント)ライセンス」「運転者(ドライバー)ライセンス」「審判員(オフィシャル)ライセンス」というように、競技への関わり方によって3種類に区分されていて、その中の「運転者(ドライバー)ライセンス」は、さらに国際と国内の2種類に分けられます。

国際ライセンスは、F1世界選手権に出るためのスーパーライセンスから、国際ラリーに出場するための国際Rライセンスまで計7種類。

国内ライセンスは2種類で、レースに出るために必要なAライセンスと、ラリー、ジムカーナ、ダートトライアル、サーキットトライアルなどに出るために必要なBライセンス。
※基準を満たしていれば15歳からライセンスの取得が可能(ジュニア国内Aライセンス、ジュニア国内Bライセンス)

ライセンス講習会を探す

ライセンス講習会


まず、JAFのモータースポーツ講習会のページにて、全国で行われているライセンス講習会の日程と場所を調べます。

なお、Bライセンス講習会は、Aライセンス講習会よりも多くの場所で開催しています。
自宅近くのレーシングクラブが主催する講習会があるかもしれないので、本格的にレースに参加したい人にとっては、地元のレーシングクラブを知る良い機会にもなりますね。

ライセンス取得条件


国内Bライセンス

●普通自動車以上の運転免許証、または外国のそれに相当する運転免許証の所持者であること

●JAF個人会員であること(非会員の場合は講習会場で新規入会可能)

なお、20歳未満は親権者の承諾書が必要です。



国内Aライセンス

国内Bライセンスを持っている場合
●ラリー、ジムカーナ、ダートトライアル、サーキットトライアルなどに1回以上出場し完走
●公認サーキットでのスポーツ走行の経験が25分以上

国内Bライセンスを持っていない場合
●公認サーキットでのスポーツ走行の経験が50分以上(1講習日に走行証明付きのサーキットトライアルを実施)



そして、繰り返しますが、これらのライセンスはマイカーで取得可能で、AT車でも、ワゴン車でも、軽自動車でも、サーキットトライアルと実技試験を受けられます。
レンタカーでもOKです。

また、合格率は、ほぼ100%。
筆者が参加した日は、受講者全員がAライセンスを取得できました。

講習の申込みと準備

申込み 申込書


JAFで調べた講習会の主催者に問い合わせ、空き状況を確認し、都合の良いところが見つかったら申込みを済ませます。

ちなみに、Bライセンス講習会の内容は、JAFの加入確認、レーシングカーの説明、ライセンス申請についてなどで、約2時間で終了します。
試験もなく、受講するだけで、国内Bライセンスは取得できます。

ライセンス取得費用


■国内Bライセンス取得費用(主催者により多少異なる)

・受講料
4,000円

・教材費
1,000円

・ライセンス申請料
3,100円

合計8,100円
(非JAF会員は入会金2,000円+年会費4,000=6,000円が別途必要なので全部で14,100円)


なお、JAF家族会員は、改めて入会する必要があります。


■国内Aライセンス取得費用
ここでは、今回取材を行った富士スピードウェイで講習会を実施している『Sonic Racing』のAライセンス取得費用をご紹介。

・受講料(Bライあり)
20,000円

・教材費
国内競技車両規則 2,800円
国際モータースポーツ付則H項 700円

・サーキットトライアル競技参加費
11,000円

・ライセンス申請料
1,000円(Bライあり)

・代行手数料
500円(希望者のみ)

合計35,500円
(代行申請ありで36,000円)

Aライセンス講習会で必要なもの

国内Aライセンス講習の教材


1.免許証

2.国内Bライセンス(あれば・仮カードも一緒に)

3.スポーツ走行証明書(あれば・50分以上の走行・24ヶ月以内)

4.教材3冊(当日受け取り・予約必須)

5.ボールペン、付箋、蛍光ペン

6.写真1枚(縦4cm×横3cm)

7.JAF会員証(本人名義・有効期限が切れていない)

8.ヘルメット

9.グローブ

10.車両ゼッケン用の養生テープ(塗装を傷めないテープ)

11.飛散防止用のビニールテープ(ヘッドランプがガラス製の車の場合)



また、サーキットを走行するうえで、以下のような服装の基準があります。
長袖(ナイロン不可)、長ズボン、ヘルメット、グローブ(軍手不可で指先が出ないもの)、ドライビングシューズ(スニーカーでもOK)。
なお、ヘルメットやグローブは、主催者からレンタルできる場合もあるので、確認および予約を。
Sonic Racingでは、ヘルメットは1,000円、グローブは1,000円でレンタル可能です。

教本の購入に関しても、あらかじめ申込みが必要なケースがあるので、お気を付けください。
そして、せっかくサーキットを走行するので、コースをあらかた頭に入れておくといいでしょう。
コーナーの角度やブレーキポイントをなんとなく覚えておくと、実践でより楽しめます。

保険


補足情報として、保険について少々。

プロのレーサーは生命保険に加入できませんが、アマチュアは生命保険に加入できますし、レース中の事故でも死亡保険金が支払われるケースが多いようです。
なお、実際にレースに参加する場合、主催者によっては加入している生命保険をあらかじめ申請しないとレースに参加できないケースもあります。

車両保険に関してですが、一般の自動車保険の場合、レース中の事故はほぼ免責に該当します。
つまり、レース中の事故での車両損害は補償されません。
海外にはレース中の車両保険がありますが、国内にはレース中の車両損害を補償する保険は基本的にありません。

一方で、富士スピードウェイのFISCO会員になれば、傷害・死亡事故等が発生した場合に見舞金が支払われる施設破損補償制度(免責あり)が適用されます。
また、仮にFISCO会員でなくとも、ライセンス講習会や貸し切りイベントなどで安心して走行したい人向けに、FISCOの1日会員というものが用意されていて、1名につき800円です。


富士スピードウェイ以外のサーキットでも、会員専用の保険が用意されているところは多いので、適宜問い合わせてみましょう。

講習会

講習会


いざ、今回の国内Aライセンス講習会には49名が参加し、内3名が女性でした。


タイムスケジュールは以下の通り。


-------------------------
09:25 Bライセンス講習(Bライなしの人)
09:50 参加確認
10:25 座学講義
12:05 昼食
13:15 筆記試験
13:55 ライセンス上級申請書類記入
14:30 基礎実技講習
15:00 ブリーフィング
15:30 ゼッケンと無線の貼付・着替え
15:50 車両検査
16:30 サーキットトライアル・実技試験
17:00 表彰式・合否発表・講評
17:50 解散

-------------------------

講習会


講義では、競技規則、車両規則、国際的マナーなどについて広く学びます。

そして講義後に、筆記試験が行われます。
時間は30分間で、3科目あり、それぞれ80点以上で合格です。
中には重箱の隅的な問題もあり、ちゃんと講義を聞いておかないと、ケアレスミスをすることもあるようです。
なお、テキストを見ながら受けることができるので、講義中に見たページに付箋を貼るなどしておくと効率的です。

サーキットトライアル

サーキット図


国内Aライセンス取得に必要なサーキット走行証明書を入手するためには、JAF公認競技会のサーキットトライアルに出場しなければいけません。


まずは、車の準備。
車内の不要なモノを取り出し、運転席のフロアマットの巻き込みでブレーキペダルが踏めないような状態になるのを防ぐために、マットも助手席に移動させます。
それから、ゼッケンを車体の側面に、ラップタイム計測用の無線を助手席のガラスに貼り付けます。
なお、ヘッドライトがガラス製の車には、飛散防止のためのビニールテープを米印状に貼ります。
ちなみに、GoProなどでの撮影は、運転に支障のない箇所に固定する限り可能です。


その後、車検の列に並びますが、チェックされるのは以下のポイント。

◆ヘルメット・グローブの携帯
◆ヘッドライト・ブレーキランプ・ウインカーの点灯確認
◆フロアマット・服装のチェック


車検に合格すると、ゼッケンにOKの印が付けられて、サーキットに入ることを許されます。

サーキットトライアル


サーキットトライアルと実技試験は、続けて行います。
なお今回、競技長の栗田さんが“初めてサーキット走行をする人は手を挙げてください”と言うと、過半数の受講生が挙げていました。
そんなものなので、経験ゼロでも、過度に心配する必要はありません。

また、Sonic Racingのサーキットトライアルでは、“遅い車は右側を走行し、追い抜く場合は左側から”というルールを定めてくれました。
その他、チェッカーフラッグや黄旗などが振られた場合はサーキットルールに従って走行すること、ラップタイム2周以上計測できるまでは走行すること、といった約束事がありました。

最後に


講習会のラストには、サーキットトライアルの表彰式も行われ、1位にはJAFの金メダル、2位に銀メダル、3位に銅メダル、6位までにクリスタルグラスと副賞が贈られ、肝心のライセンス合否については受講者全員合格でした。



ちなみに、軽自動車でAライセンス講習会に参加している人も結構いましたし、女性は3人受講していて、内2人は50代、1人は20代で“父がAライを受講すると言うので一緒に受講した”とのことでした。

というのも最近は、女性でもレースを楽しむ人が増えています。
女性ドライバーとして名高い井原慶子さんがアンバサダーを務めるFIA/JAF Women in Motorsportは、2017年6月25日に富士スピードウェイで第1回女性レース大会を開催しましたし、2017年11月25日と26日には、女性ドライバーのみで行われるラリー、L1 RALLY in 恵那 2017が、岐阜県恵那市公道にて開催される予定です。
なお、井原さんが2015年にレーサー、エンジニア、メカニックなどを募集したところ、18~68歳、約800人の女性からの応募があったようで、その中から選ばれた育成選手の中には40代の女性もいるらしいです。




とまあ、時事ネタをひけらかしつつの、国内Aライセンスについてでした。
とりあえず、スゴくいいものですよ。
結局スゴいですから。
こういうことですよね。
こういうことなんですよ。








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