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アニメやゲームの美少女キャラを車のボディにペイントする「痛車」。
この存在は今や、その筋のファンのみならず一般層にも認知されつつあるが、これを業務用に取り入れてしまったのが、かの有名な、通称“萌えタクシー”。
またの名を“痛タクシー”と呼び、この実に発音しづらいツワモノが各地に出没し始めてからというもの、ネットなどを介して度々話題になっている。
札幌市では、地元の長栄交通が2012年に北海道・洞爺湖で開催されたアニメイベントに合わせ、アニメのキャラクターやロゴを車体全面に施した痛タクシーを導入した。
これが予想外の好評を得て、イベント終了後も札幌市内を走り続けることになったという。
旬を狙った新作アニメや、人気アニソンシンガーの顔写真などのラッピングを次々と取り入れた結果、観光客らからの口コミが広がって、札幌の新たな名物になったのだ。
ちなみに、このアニソンシンガーは北海道出身とのこと。
主題歌を担当したアニメも大ヒットを重ねているらしい。
ただ、かねがね抱えていた経営環境の悪化に耐え切れず、長栄交通は2014年秋に残念ながら破産。
苦境を乗り切る苦肉の策として、何とか当て込んだ面もあった痛タクシーの効果も残念ながら力及ばず。
文字通りの痛手を負ってしまった形だが、全国のファンから、一度は乗ってみたかったと別れを惜しむ声が多く寄せられたらしい。
だが、萌えタクシーへの業界内の関心は決して冷めてはおらず、徳島県の徳島第一交通では2014年秋、同地の名物イベント“マチ★アソビ”の開催に合わせ、当時放送中だったアニメ『Fate/stay night』のキャラクターやタイトルロゴをラッピングした営業車7台を投入。
同番組が終了した同年末まで営業を行い、イベントの盛り上げに一役買ったようで、以降のイベント開催の際にも、よりサービスを充実させてラッピングタクシーを走らせてくれるだろうと、ファンは期待しているそうだ。
また、この企画には地元のベンチャー企業が賛同するなど、地元の活性化にも大いに役立っているという。
初音ミクをはじめとする有名ボーカロイドのイラストを施した、宮城県白石市のタクシーや、ひところ東京の北千住界隈で目撃された、ハローキティのぬいぐるみを車内に所狭しと並べた個人タクシーなど、痛タクシーは全国各地でゲリラ的に出没している。
クールジャパンの旗頭として、日本のアニメが注目される昨今だが、その種は、こうした地域密着型産業であるタクシー業界にも潤いをもたらしている。
街で見かけた際には是非とも、ご乗車してみてはいかがだろうか。
いざ乗車するときには堂々と。
そして、降車するときには颯爽とクールに。
これが合言葉だ。