2016.04.26

【株式投資の経済的本質】ハッキリ言って、株って何であって、何がどうなんだ?

経済社会における本質を見抜け。


さて、資本主義社会を生きる経済人が持つ“夢”で、こういったものがあります。

《労働所得がなくても、資本所得だけで生活していきたい。》


いや~、マジでそれ!!と思いましたか?
間髪入れず、そう感じた方は、現在従事している本業や仕事の目的、人生のKGI(Key Goal Indicator)を見つめ直すことから始めた方がいいかもしれません。


ところで、これは「働かずにメシを食っていきたい」という怠け者発言に聞こえなくもないですが、そういった“働かざる者食うべからず”的な精神論は置いておいて、ここでは純粋な経済話として、所有者と労働者の二元構造に焦点を当てていきます。


実際のところ、投資家と呼ばれる人の中には、資本所得だけで生活し、普通に働いて得る平均的な労働所得よりも稼いでいる方や、二足のわらじでダブルインカムを得ているような方がいらっしゃいますね。

資本所得というのは広く、利子や配当などから得られる所得を指しますが、細かい分類は一旦無視して、私たちが普段お給料として貰っているもの以外の所得だとイメージしてください。
中でも、おそらく思い浮かびやすいのが、株や不動産ですが、ここで頭に入れておくべきことがあります。
株や不動産から得られる収入というのは、それらの『所有者』だから得られるものであって、労働対価として得られる収入とは、全くの別物だということです。
身近のところでは、企業の社長や取締役陣が貰えるお金と、従業員が貰えるお金とでは、そもそも設計も種類も出所も、何もかもが異なるということですね。
このパラレルワールド的な捉え方が、経済社会を生きるうえで、かなりクリティカルになってくるので覚えておいていただければと思います。


そして、株を考えてみると、“所有者と労働者の二元構造”の意味合いを理解しやすいということで、今回のテーマは、株式投資の意義とその他オマケといった感じです。
数ある投資の中でも、株をピックアップして、ちょっとした経済の本質と、株のエッセンス的なものや株で勝ちやすい人の傾向を見ていきます。



ちなみに余談ですが、いわゆる“成功した”と言われる人たちに共通する事象があるのですが、「運」以外で、それが何か分かりますか?

それは、「人生において、リスクを取って行動したか否か」です。
そういう意味でも、株式投資は経済的な核心を突いています。

株を所有することの意義


これまでの流れを踏まえて、まず押さえておくべきは、株に対する考え方です。
株価が何円上がったから、何円儲けた!といったキャピタルゲイン目当ての感性だけでは、相当シンドイでしょう?ということですね。

株を持つことの真の意義は、そこにはありません。


株というのは、企業のオーナーシップであることを証明する手形であり証明書です。
特に日本においては、株式市場で売買するマネーゲームの側面がどうしても喚起されがちですが、それは二の次です。
ここでの重要ワードは「オーナーシップ」です。

株を買って株主になった人は、その企業を所有するオーナーです。
オーナーとは、ボスであり、「所有者」ですね。
そして、その逆が、「労働者」です。
労働者は「雇われの身」ですが、オーナーは「雇う身」ということになります。
もはや、視座が異なりますよね。


また、労働者は通常、給料やワーク・ライフ・バランスなどの短期的インセンティブで動くのに対して、オーナーはあらゆる経営資源を投入した先に、どんなリターンがどれくらい生まれるかという長期的モチベーションで動くものです。
株を購入した株主は、後者の立ち位置な訳です。
そして得られる報酬は、労働所得ではなく、資本所得だということになります。
さらに、労働所得というのは、自分が働くことで得られる所得で、資本所得というのは、自分以外に働いてもらうことで得られる所得だと考えられますね。

実は、労働所得内でも、この構図を当てはめることが可能で、企業のマネージメント層がプレーヤー層よりも多くの給料を貰えるのは、マネージャー自身が働いた成果に対するリターンに加え、マネージしているプレーヤーたちが働いてくれたことで生み出された成果に対してもリターンが支払われているからです。
少なくとも、理論上は。
本当にマネージャーのスキルと影響力でヒト、モノ、カネが有機的に動いて、ちゃんと付加価値が出ているのか?といったブラックボックスはひとまず抜きにすると、組織経済の設計としては、そうなっている訳です。
要するに、一人のパワーで生み出される成果よりも、より多くのリソースの掛け算によって生み出される成果の方が、基本的には大きくなり、ケタが違うということですね。



総じて、株を持つことの意義は、企業の所有者になれるところにあります。
ひいては、ヒト、モノ、カネに働いてもらう側になれるということです。
この発想だけでも、しっかりお持ち帰りください。


なお、当然ですが、労働者になるなという訳ではありません。
働く目的というのは、人それぞれ異なりますので、この場合、経済の構成要素として、その性質が全く異なっているという点に着目してください。
強いて言うならば、お金のために労働者として働いていると断言してしまうと、それは経済的に不合理ですよね?となってしまいます。

株で生活するために


では続いて、実地的な株の話に移ります。
株で生活するためのエッセンスを列挙します。

1)生活を安定させるには、キャピタルゲインではなく、インカムゲインを確保


株式投資で得られる利益は大きく、株の売買で得られるキャピタルゲインと、配当として受け取れるインカムゲインの2つに分けられます。
両者とも、資本所得です。
そして、“一山当てる”といったニュアンスの利益はキャピタルゲインになりますが、キャピタルゲイン狙いの株式投資は、当然ながら収支は不安定で、リスクが比較的高いです。
資本所得のみで生計を立てられる人は、インカムゲインで身銭を確保しながら運用している傾向が強いです。

2)資金は最低でも1,000万円は用意したい


そして、インカムゲインをしっかり確保しながら生活を成り立たせるには、最低1,000万円の元手は必要だとイメージしておきましょう。
例えば、ベトナム株は高配当株として投資家からの注目も大きいですが、それでも、配当利回り(1年間で受け取れる配当)は約30%です。
つまり、1,000万円の資金で、年間300万円、税金を差し引いて約240万円の利益を得ることができます。
一人暮らしの場合、個人差はありますが、年間で200万円弱の生活費がかかるとされているので、高い家賃の家に住んだり、浪費をしなければ、年間240万円もあれば、ひとり暮らしをすることは十分に可能です。
なお、投資先を日本株に限定するのであれば、日本株の配当利回りは高くても5~6%前後なので、5,000万円程度の資金は必要とされています。

ここで、セオリーと言いますか、ひとつ知っておいてほしいことがありまして、株に限らず、投資全般においては、元手がそれなりに大きくないと、純利益もそこまで膨らまない、というのがあります。

だから、元手が少ない段階では、レバレッジをかけて倍々ゲームで積み上げるという手法が採られることが多くなります。
これが、フランスの経済学者トマ・ピケティが書いた『21世紀の資本』にも出てきていた、資本収益率のお話にも繋がっていく訳ですね。
仮に、とある銘柄に1億円投資している人と、100万円投資している人がいたとしたら、5%株価が上がったとして、それぞれの利益はいくらになりますか?
そして、こういった構図から、近代資本主義は、お金持ちがもっとお金持ちになるシステムになっているのでは?といったアンチテーゼが唱えられることもあったりする訳です。
世界の上位1%の富裕層が、世界全体の50%の資産を保有している、といった話を聞いたことがある方も多いと思いますが、ここまで読んでくると、経済の仕組みに対する疑問が少しばかりは氷解してくるはずです。

とにかく、元手をいかに増やしていくか。
これ、非常にクリティカルです。

3)分散投資でリスク対策


少数の銘柄に集中して投資を行うと、投資先企業の経営が傾いてしまった時に大損が生じてしまいますので、株式投資においては基本的に分散投資を行って、リスクもできるだけ分散することを意識しましょう。
なお、比較的少ない資金で高配当株の運用を行うのであれば、ベトナム株、タイ株、中国株など、目下成長中のアジア複数国に投資先を分散させてもいいでしょう。
その一方で、日本株は配当利回りが世界的に見ても安定している優良株ではあるので、資金が豊富な方は、国内だけの分散投資の方向性でも問題ありません。

4)株主優待も視野に


株主優待には、家計の助けになるものが多数ありますね。
日用品や食料品を購入できる商品券、家電製品などの株主優待を受け取れば、生活費の大幅節約に繋がります。
投資先を決める際は、キャピタルゲインや配当利回りだけでなく、株主優待の内容も視野に入れましょう。

※もう居住地域を変えてしまう


金持ち理論としても、よく言われることですが、お金持ちになりたかったら収入を増やすことを考える前に、支出を減らせ!ということがあります。
「利益を増やす」というベクトルよりも、「必要経費を減らす」というベクトルの方が生産的に機能するということです。
そして極論ですが、住む場所を海外に移せば、支出を大幅に減らして、一瞬でお金持ちカテゴリに入ってしまうことがあります。
ここで改めて、日本は世界的に見ると、相当裕福な国だという認識は持っておきましょう。
日本の中だけで生活していると、相対的な目先利益だけで一喜一憂していまいがちですが、世界レベルまで視野を広げると、何か光明を見出すこともあるはずです。


株で生活できそうな人の素質


次に、株式投資では、情報収集力や眼力は当然ですが、そもそもの素質も重要です。
どのような素質を持っている人が、株で生活していきやすいか、おおまかに見ていきます。

【素質1】ちゃんと下落を想定できている


まず、株価は必ず下落します。
上昇もあれば、下落も当然ある訳です。
この与件を、しっかり頭の中に叩き込めるかどうかで勝率は大きく変わります。
そもそも株価というのは、市場の期待値であり、実体値ではないので、人間の思惑と感情の分だけ上下しまくります。
そして、なぜか自分が持つ株の株価は上がるはず!上がってくれ!という、希望的観測に支配されてしまうようなこともあったりするので、まず、株価は絶対下がるものだという前提で、前もって下落した時の対処を考えておきましょう。
どの段階で損切りをするのか、常に下落を想定して計画を進められる人は、失敗時の損を最小限に抑えられます。

なお、株を成功させるためには、利益を増やしていくと同時に「損をなるべく抑えていく」が、長い目で見たポイントになります。
攻めで勝つゲームもあれば、守りで勝つゲームもあるのです。

【素質2】継続できる


株式投資を成功させるには、様々な情報を継続的に収集しなければなりません。
銘柄チャートを確認するのはもちろん、会社四季報やインターネットなど多方面から効率よく情報収集を続けることが必要ですので、相当に地道な努力を要します。
これを継続できる素質が備わっていれば、前途洋々です。

努力できるのも才能だ。
この言葉、ものすごい破壊力です。

【素質3】客観的に物事を見られる


人間は主観的な生き物です。
そして、主観全開で株式投資を行っていると、「少しでも損を取り返したい」などの気持ちから、冷静さを欠いて、無理してしまうのが人間の性です。
今後損失がさらに膨らむ可能性があると、頭では分かっているにも関わらず、「また上昇するかもしれない」と言い聞かせて、損切りをしないといったことは典型的な危険例です。
利益を着実に増やし、かつ損失を確実に抑えるには、自分が思っている以上に客観的でいることが求められます。

【素質4】失敗しても何のその


株式投資だけでなく、人生においては、ほとんどの人が様々な失敗を経験します。
その度に深く後悔して、立ち止まってしまうような人は、重要場面での決断が鈍ってしまうことも往々にしてあるので、投資に向いているとは言えません。
仮に株で失敗してしまった時は、後悔するのではなく、反省しましょう。
失敗を貴重な経験として捉え、その後の投資に活かせる前向きな性格の方は、株においても成功する可能性は高くなります。
株式投資は、人生の生き方そのものに通じると言っても過言ではありません。

【素質5】他人に流されない


株式投資では情報収集が重要ファクターとなりますが、他人から得た情報を全面的に信用するのはNGです。
情報の信憑性が低い場合もありますし、時間が経過すれば情報の内容そのものが変化することもあります。
どんな情報であっても、まずはその情報に「自分なりの分析を1コ入れること」が株を成功させる秘訣です。
素材を一回料理して、美味しくしてください。
他人の意見に左右されずに、強い自我を持って行動できる人は、株でも成功しやすいと言えます。


最後に


以上、株を中心に経済的エッセンスを示してきました。


投資って何なんだ。
株って何なんだ。
株で生活することって現実的なのか。
どうなんだ。


これに対する回答と未来については、各々にお任せいたします。






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