公開日:2025年7月9日
ひとりで2台の車の所有を検討している方のなかには、「自動車保険はどうなるのだろう?」と気になっている方もいるのではないでしょうか。
車を2台持ちする場合、1台目と2台目それぞれで自動車保険の契約が必要です。また、車が2台あると、税金や保険料、車検費用などの維持費が増えるため、自動車保険の保険料はなるべくおさえたいと考える方もいるでしょう。
この記事では、ひとりで車を2台持ちする場合に自動車保険の契約や等級がどうなるのかを解説します。保険料をおさえるポイントも解説するため、ぜひ参考にしてください。
自動車保険は1台につき1契約が必要になるため、ひとりで複数台の車を持つ場合でも、それぞれの車に個別の自動車保険契約が必要です。ただし、2台の車の利用頻度があまり高くない場合は、「2台目の車は、使うときに1日自動車保険に加入すればよいのでは?」「1台目の車の他車運転特約が使えるのでは?」などと、思われる方もいるかもしれません。
結論からお伝えすると、2台目の車に1日自動車保険や他車運転特約を使うことはできません。
1日自動車保険は、ご自身や配偶者以外が所有する車を運転する際に契約できる保険です。おもに家族や友人などから借りた車が対象であり、ご自身の車は補償対象外となっているため、2台目の車に関して1日自動車保険を使うことはできません。
また、他車運転特約とは、他人から臨時で借りた車を運転中発生した事故に対して、ご自身の自動車保険が使える特約です。なお、他車運転特約の補償対象となる「他車」に該当するのは、おもに以下の車です。
【他車運転特約の補償対象となるおもな車】
したがって、記名被保険者(契約の車をおもに使用する方)やその配偶者などの車は対象外となり、1台目で加入している自動車保険の他車運転特約で、2台目の車を補償することはできません。
前述のように、2台目の車を購入した場合、1台目と2台目の自動車保険はそれぞれ別の契約となります。それぞれ個別に自動車保険に加入する必要があるため、2台目の車に1台目と同じ等級は適用されません。
自動車保険では、事故の内容や回数に応じて、契約者ごとに「等級(ノンフリート等級)」が設定されており、この等級に応じて保険料が割引・割増されます。等級は1等級~20等級に区分されており、等級が高いほど保険料がおさえられ、等級が低いほど保険料が高くなるしくみです。
初めて自動車保険を契約する場合は6等級※から始まり、1年間事故がないと次年度の等級が1等級あがって7等級になります。したがって、2台目の車を購入して自動車保険を契約する場合は、適用される等級は通常6等級です(ただし、一定の条件を満たすとセカンドカー割引が適用され、7等級からスタートできる場合があります。セカンドカー割引については後述します)。
等級制度(ノンフリート等級制度)については、以下の記事もあわせてご覧ください。
※2台目以降の自動車の契約で、一定の条件を満たす場合は、7等級から始まることがあります。
前述のとおり、2台目の車を購入し、新たに自動車保険を契約すれば保険料の負担は当然増えます。税金や車検費用などの維持費もかかるため、自動車保険の必要な補償はしっかりと確保しつつも、保険料はなるべくおさえたいものです。
車を2台持ちする場合でも、自動車保険の選び方や補償内容の見直しによって自動車保険の保険料をおさえられる可能性もありますので、確認しておきましょう。おもな方法は以下のとおりです。
【2台目以降の自動車保険の保険料をおさえる方法】
上記について、それぞれ詳しくみていきましょう。
セカンドカー割引とは、すでに自動車保険に加入している方が2台目以降の車で初めて自動車保険を契約する場合に、一定の条件を満たすことで保険料が割引かれる制度です。
2台目以降の自動車保険を契約する場合、セカンドカー割引が適用される可能性があります。1台目と別の保険会社で契約しても、セカンドカー割引は適用されることがあります。
セカンドカー割引が適用されると7等級からスタートするため、セカンドカー割引が適用されない6等級でのスタートと比べて保険料をおさえやすいでしょう。一般的に、新規契約時の6等級の場合は保険料が3%割増されるのに対し、新規7等級の場合は38%の割引となります。
セカンドカー割引の適用で保険料がおさえられる

セカンドカー割引が適用されるのは、1台目と2台目の車の用途・車種が「自家用8車種」で、1台目の等級が11等級以上の場合です。また、2台目の車に関して、所有者・記名被保険者の条件を満たす必要があります。
2台目の車の所有者・記名被保険者の条件
| 所有者の条件 |
所有者が①~④のいずれかで、かつ個人である
|
|---|---|
| 記名被保険者の条件 |
記名被保険者が①~③のいずれかで、かつ個人である
|
適用条件は保険会社によって異なる場合があるため、詳しくは保険会社に確認しましょう。
なお、「セカンドカー割引」という名称ですが、条件を満たせばひとりで3台目の自動車保険を契約する際にも適用されます。
セカンドカー割引については、以下もあわせてご覧ください。
自動車保険の保険料を算出する要素のひとつに型式別料率クラスという区分があります。型式別料率クラスとは、自動車の型式ごとに設定された自動車保険の保険料率を指します。そもそも自動車保険の保険料は補償内容や等級以外に型式別料率クラスによっても異なるため、型式別料率クラスが低い車は保険料が安く、型式別料率クラスが高い車は保険料が高くなる傾向にあります。
事故のリスクに応じて、型式別料率クラスは区分されています。自家用乗用車の場合は1~17の17段階、軽自動車の場合は1~3の3段階の料率クラスが設定されており、数字が低いほど保険料がおさえられるしくみです。
同じ車種でも型式によって異なるため一概にはいえませんが、2台持ちする場合に料率クラスが比較的小さいコンパクトカーや軽自動車を選ぶことで、自動車保険の保険料をおさえられる可能性があります。
なお、自家用乗用車(普通・小型)の場合、クラス1とクラス17の保険料率には約4.3倍の差があります。軽自動車の場合には、クラス1とクラス7の保険料率には約1.7倍の差が生じます。
型式別料率クラスは損害保険料率算出機構により1年に1回見直されます。そのため、ご自身の車が1年間無事故であっても、その型式の事故が増えたことによって料率クラスが上がり、保険料が高くなる場合があることを理解しておきましょう。
また、損害保険料率算出機構が算出した型式別料率クラスは参考純率上の料率クラスであり、保険会社によっては異なる料率クラスを使用している場合があります。料率クラスについては以下もあわせてご覧ください。
2台目の車で新たに自動車保険を契約する際、1台目の車を2台目の車に変更(車両入替)することで保険料をおさえられる場合があります。
たとえば、1台目の車を親(40代)が所有しており、20等級が適用されているとします。同居の子ども(20代)が車を購入して自動車保険を契約する際、子どもの車を1台目の契約車両(親の車)と入れ替えることで、子どもは親の20等級を引継ぐことが可能です。
10代や20代の運転者は一般的に事故のリスクが高いことから、30代や40代と比べて自動車保険の保険料が高くなる傾向があります。そのため、車両入替によって子どもが親の等級を引継ぎ、親がセカンドカー割引を受けて新規契約した方が保険料をおさえられる可能性があります。
ただし、すでに自動車保険を契約している2台の等級を入れ替えることはできません。一般的に車両入替ができるのは、新たに取得した車に入れ替える場合や契約の車を廃車・譲渡・返還した場合などに限られます。
1台目の補償内容を長期間見直していない方は、1台目の自動車保険も含めて運転者限定や年齢条件が正しく設定されているか確認しましょう。
運転者限定とは、補償される運転者の範囲を限定するしくみです。限定する運転者の区分には「本人限定」「配偶者限定」や「家族限定」などがあり、同じ補償内容の場合、補償される運転者を限定するほど保険料がおさえられます。
補償される運転者の範囲

※上記の分類は保険会社によって異なります。
ただし、限定した運転者以外の方が運転中に発生した事故については保険金が支払われないため、実際に運転する方にあわせて正しく設定しましょう。たとえば、「本人限定」に設定した場合、限定しない場合と比べて自動車保険の保険料はおさえられますが、本人以外が運転中の事故は補償されません。
また、運転者の年齢条件によっても保険料が変わります。保険会社によって異なりますが、「年齢を問わず補償」「21歳以上補償」「26歳以上補償」「30歳以上補償」などの区分から選択できるのが一般的です。
たとえば、子どもが独立して運転しなくなった場合、運転者限定や年齢条件を現在の状況にあわせて見直すことで保険料が下がる可能性があります。
また、年齢条件を長期間見直しておらず、以前の年齢区分のままになっているケースもあるでしょう。たとえば、27歳の方が「21歳以上補償」に設定したまま見直していない場合、「26歳以上補償」に設定し直せば保険料をおさえることができます。
運転者限定や年齢条件の区分は自動車保険によって異なるため、各保険会社にご確認ください。
なお、運転者限定については、以下もあわせてご覧ください。
2台以上の自動車保険を契約する場合、補償内容の重複に注意しましょう。補償内容が重複していると、いずれか一方の自動車保険からは保険金が支払われない場合があります。
ご自身や家族で複数の保険を契約している場合などに、補償が重複している可能性が考えられます。複数の保険に加入している方はそれぞれの補償内容を確認し、重複をなくすことで保険料をおさえましょう。
重複しやすい補償のひとつとして、人身傷害保険があげられます。人身傷害保険とは、契約車両に乗車中の方が事故で亡くなった場合やケガをした場合の補償です。一般的に、人身傷害保険の補償範囲には以下の2種類があります。
人身傷害保険の補償タイプ・範囲
| タイプ | 補償範囲 |
|---|---|
| 車内のみ補償型 | 契約車両に乗車中の事故で補償される |
| 車内+車外補償型 |
契約車両に乗車中の事故だけでなく、以下の事故も補償される
|
2台の自動車保険が、上記の人身傷害保険のタイプ2つのうち、「車内+車外補償型」である場合に注意が必要です。どちらか一方の補償範囲を「車内のみ補償」に限定することで、重複を防ぐことができます。重複が発生しやすくなるのは「車内+車外補償型」の“車外補償”の部分だからです。
「車内+車外補償型」では、記名被保険者やその家族が歩行中や他の車での自動車事故も補償の対象となります。このような「車外」の事故はいずれか1台の契約でカバーできていればよく、複数の契約で「車内+車外補償型」を選択されている場合、「車外」の事故の補償が重複します。したがって、2台以上の車を持っている場合には、補償が重複していないか、チェックしてみるとよいでしょう。保険料をおさえられる可能性があります。
また、ご自身が契約している自動車保険の補償が、家族が契約している自動車保険の補償と重複している場合もあるため、よく確認しましょう。そのほか、重複が生じやすいおもな補償は以下のとおりです。
【重複しやすい補償】
自動車保険の保険料は保険会社によって異なるため、複数の保険会社を比較することで、よりお手頃な保険料で契約できる可能性があります。
自動車保険は、大きく分けると「通販型(ダイレクト型)」と「対面販売型(対面型)」の2種類です。
自動車保険の種類と概要
| 種類 | 概要 |
|---|---|
| 通販型(ダイレクト型) | 代理店を介さず、保険会社に直接加入手続きをおこなって契約する自動車保険 |
| 対面販売型(対面型) | 代理店を介して保険会社と契約を結ぶ自動車保険 |
通販型(ダイレクト型)は、人件費などのコストがおさえられている分、対面販売型(対面型)と比べて保険料をおさえられる傾向があります。
2台目の車を購入して新たに自動車保険を契約する際には、1台目の車と同じ保険会社で契約することもできますし、異なる保険会社で契約することもできます。
また、1台目と別の保険会社で契約していても、条件を満たすことでセカンドカー割引が適用されることもありますので1台目と同じ自動車保険にした方がよいか、別の自動車保険にした方がよいかは加入する人や契約車両によっても変わってくるため、いちがいにどちらがよいとはいえません。
以下で、1台目と同じ保険会社で契約するメリット、別の保険会社で契約するメリットについてそれぞれみていきましょう。
2台目の車で新たに自動車保険を契約する際、1台目と同じ保険会社を選ぶおもなメリットとデメリットは、以下のとおりです。
【同じ保険会社で契約するメリット】
1台目と同じ保険会社で契約すれば、自動車保険の契約先をひとつにまとめられるため、管理がしやすくなります。また、各保険会社のウェブサイトへのログインなども個別におこなう必要がないため、契約内容の確認や更新手続きをスムーズに進められるでしょう。事故が起きた際、どちらの保険会社に連絡すべきか迷う心配もありません。
なお、保険会社によっては、セカンドカー割引とは別に、「ノンフリート多数割引」を受けられる場合もあります。
ノンフリート多数割引とは、2台以上の車をひとつの保険会社にまとめて契約する場合に、条件を満たすことで保険料が割引かれる制度です。一般的に、台数に応じて保険料が割引かれるため、2台目より3台目の方が割引率は大きくなります。ただし、割引の内容や条件は自動車保険によって異なるため、詳しくは各保険会社に確認しましょう。
【同じ保険会社で契約するデメリット】
一方、他社の自動車保険を十分に比較せずに、そのまま同じ保険会社で契約すると、別の保険会社で契約する場合と比べて保険料が高くなる可能性がある点はデメリットといえます。
2台目の車で新たに自動車保険を契約する際、1台目と別の保険会社を選ぶことによるメリット・デメリットもあります。
【別の保険会社で契約するメリット】
別々の保険会社を選ぶメリットは、車ごとの用途や運転頻度に応じて、より適切な補償、サービス内容で契約できることです。たとえば、毎日使う車は事故時の対応を重視する、長距離運転用の車はロードサービスが安心できる保険会社を選ぶなど、状況に応じて別々の保険会社で契約すれば、よりご自身に合った自動車保険を選択できます。
また、保険料は保険会社や契約車両、補償内容などによって異なるため、それぞれの車でよりお手頃な自動車保険を探した方が保険料をおさえられる可能性があります。
【別の保険会社で契約するデメリット】
一方、別の保険会社で契約すると、自動車保険の契約先が2つになり、管理の手間が増える点はデメリットといえるでしょう。
前述のとおり、2台目の車を購入して自動車保険を契約する際には、必ずしも1台目と同じ保険会社を選ぶ必要はありません。一括見積もりサイトを利用することで、ご自身に必要な補償を備えつつ、各保険会社の自動車保険の特徴を見比べて、できるだけ保険料をおさえた自動車保険を探すことができます。
一括見積もりサイトでは、取扱いのある各自動車保険に一括で見積もりを依頼できます。そして保険料や補償内容を比較でき、事故対応や付帯サービスの内容、口コミなども確認できるため、よりご自身に適した自動車保険を選びやすいでしょう。
ひとりで2台の車を持つ場合、1台目と2台目でそれぞれ個別の自動車保険の契約が必要です。別々の契約となるため、2台目の車で自動車保険を契約しても、1台目と同じ等級は適用されません。ただし、2台目の車で自動車保険を契約する際、一定の条件を満たせばセカンドカー割引が適用され、7等級からスタートできる場合があります。
車を2台持ちすると、自動車保険の保険料だけでなく、税金や車検費用などの維持費も高くなります。セカンドカー割引の適用を受ける、補償の重複をなくすなどのポイントを知り、できる限り保険料の負担をおさえて自動車保険を契約しましょう。
なお、自動車保険の一括見積もりサイトを利用すれば、複数の自動車保険に一括で見積もりを依頼できます。よりお手頃な保険料かつご自身に合った自動車保険を選びたい方は、ぜひご活用ください。

株式会社アスト 代表取締役
大手生命保険会社に12年勤務後、2003年にファイナンシャルプランナーとして独立。2007年に株式会社アストを設立。現在、「わくわくの明日と共に」をモットーに、子育て世代、リタイア世代のライフプラン作成や家計相談、相続相談などのコンサルタントとして活動中。また、各種マネー講座の講師や執筆も担当。2015年度金融知識普及功労者として金融庁・日本銀行から表彰を受ける。
【資格】
CFP®(日本FP協会認定)、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、相続診断士、終活カウンセラー、住宅ローンアドバイザー、住宅建築コーディネーター
※CFP®、CERTIFIED FINANCIAL PLANNER®、およびサーティファイド ファイナンシャル プランナー®は、米国外においてはFinancial Planning Standards Board Ltd.(FPSB)の登録商標で、FPSBとのライセンス契約の下に、日本国内においてはNPO法人日本FP協会が商標の使用を認めています。
※このページの内容は、一般的な情報を掲載したものであり、個別の保険商品の補償/保障内容とは関係がありません。ご契約中の保険商品の補償/保障内容につきましては、ご契約中の保険会社にお問い合わせください。
※税制上・社会保険制度の取扱いは、このページの掲載開始日時点の税制・社会保険制度にもとづくもので、全ての情報を網羅するものではありません。将来的に税制の変更により計算方法・税率などが、また、社会保険制度が変わる場合もありますのでご注意ください。なお、個別の税務取扱いについては所轄の税務署または税理士などに、社会保険制度の個別の取扱いについては年金事務所または社会保険労務士などにご確認のうえ、ご自身の責任においてご判断ください。
(掲載開始日:2025年7月9日)
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