- おすすめ
-
楽天車検
-
楽天証券
-
楽天オート
-
楽天銀行
自動車保険には、大きく分けて2つの種類があります。法律で加入が義務づけられている「自賠責保険」と、契約者が任意で加入する「任意保険」です。この記事では、「自賠責保険」について解説します。自賠責保険に加入していることで、万が一のときにどのような補償が受けられるのか、万が一の事故に備えて理解しておきましょう。また、実際に事故が起きてしまったときのための、保険金請求の手続きについてもあわせてご紹介します。
自賠責保険は、交通事故の被害者を救済する目的で、原付自動車を含むすべての自動車に加入が義務づけられています。そのため、強制保険とも呼ばれています。自動車の運行で他人を死傷させ、自動車の保有者や運転者が法律上の損害賠償責任を負ったときに保険金が支払われます。
すべての自動車が自賠責保険へ加入しなければならない理由は、自動車損害賠償保障法で自賠責保険に加入していない自動車は運行できないと定められているからです。(自動車損害賠償保障法第5条)
自賠責保険は自動車の運行に必要な保険なので強制保険と呼ばれています。違反した場合、1年以下の懲役または50万円以下の罰金に処され、交通違反の点数は6点、行政処分前歴が0回で他に違反のない場合は免許の停止処分となります(道路交通法第103条)。処分等の内容から、自賠責保険が重要な保険であることがわかるはずです。
※行政処分の前歴が0回の場合
自賠責保険へ未加入の自動車は、車検証(自動車検査証)の交付も受けられません。車検証とは、国土交通省の定める自動車検査に適合した際に交付される証書のことをいいます。
車検を受けるためには、車検証や自動車税納税証明書のほか「自動車損害賠償責任保険証明書(以下、自賠責保険証明書)」が必要です。そのため、自賠責保険に加入していないと車検が受けられません。車検証の交付を受けることができないので、自動車は運行することもできないのです。
仮に違反すると、6カ月以下の懲役または30万円以下の罰金に処されます。また、自賠責保険に加入していないと、自動車損害賠償保障法にも違反することになります。車検を受ける場合は、自賠責保険の期限切れに注意が必要です。
ちなみに、自賠責保険証明書を備えつけていない自動車は運用できないと定められています。違反した場合、30万円以下の罰金に処されます。自動車を運行する場合は、自賠責保険へ加入するだけでなく発行された自賠責保険証明書を備えつけておかなければなりません。
自賠責保険は、損害保険会社の支店や自動車やバイクの販売店など保険会社の代理店で加入できます。原動機付自転車を含む250㏄以下のバイクは、郵便局やコンビニ、あるいはインターネット経由で加入することも可能です。保険料は、車種と保険期間などにより異なります。
自動車保険は、自賠責保険と任意保険に分かれます。自賠責保険と任意保険の違いについて、詳しく見ていきましょう。
前述のとおり、交通事故被害者の救済を目的とする自賠責保険は、すべての自動車が加入を義務づけられている保険です。自賠責保険に加入していない自動車を運転すると、1年以下の懲役または50万円以下の罰金を科されます。
これに対し、任意保険は「加入する・加入しない」を自由に選ぶことができます。任意保険に加入していない自動車を運転したとしても、処罰を科されることはありません。加入を選択できるので「任意保険」と呼ばれています。
自賠責保険と任意保険では、補償の範囲にも大きな違いがあります。自賠責保険が対象とするのは、相手方への補償の中で人への補償(対人賠償)のみとなります。
※(傷害の場合) 120万円まで (死亡の場合)3,000万円まで (後遺障害)4,000万円まで
補償の範囲が限定されている理由は、自賠責保険が交通事故被害者の「最低限の救済」を目的としているからです。最低限の救済を目的としているので、対人賠償で支払われる保険金の限度額も低く抑えられています(具体的な限度額は後ほど説明します)。当然ながら、相手の財物に与えた損害に対する補償(対物賠償)、自身の損害に対する補償は受けられません。
一方、任意保険は、自動車に関する幅広いリスクに備えられる保険です。補償の範囲は、自賠責保険よりもかなり広くなっています。任意保険は、対人賠償保険、対物賠償保険、人身傷害補償保険、搭乗者傷害保険、車両保険で構成されます。これらを契約できるのは任意保険だけです。任意保険は、これらの中から必要な保険を選び契約します。強制保険である自賠責保険と比べ充実した補償を受けられる点が魅力です。また、任意保険は、自身に過失のある事故の場合、被保険者に代わり保険会社が示談交渉を行ってくれます。相手側と直接交渉しなくてよい点も、任意保険の魅力といえるでしょう。
自動車を運転中に人をケガさせてしまった、死亡させてしまった、という場合の自賠責保険の補償については、以下のように支払い基準が定められています。
自賠責保険の支払限度額 | ||
---|---|---|
損害の内容 | 支払い限度額(被害者1名あたり) | |
ケガ | 治療関係費、文書料、休業損害、慰謝料など | 120万円 |
後遺障害 | 逸失利益、慰謝料 | 後遺障害の程度により、75万円~4,000万円 |
死亡 | 葬儀費、逸失利益、慰謝料 | 3,000万円 |
補償の対象となるのは、上記の表にも記載のとおり、ケガによる損害、後遺障害による損害、死亡による損害等の対人事故の被害にあった方になります。
過去には、交通事故で高額な損害額が出ている事例があります。以下は、億単位での賠償事例が出て、特に高額となった判例です。
交通事故の高額賠償の判例 | |||||
---|---|---|---|---|---|
認定総損害額 | 態様 | 裁判所 | 被害者 | ||
年齢 | 性別 | 職業 | |||
5億2,853万円 | 死亡 | 横浜地裁 | 41歳 | 男性 | 開業医 |
4億5,381万円 | 後遺 | 札幌地裁 | 30歳 | 男性 | 公務員 |
4億5,375万円 | 後遺 | 横浜地裁 | 50歳 | 男性 | コンサルタント |
(出典)損害保険料率算出機構『2019年度(2018年度統計)自動車保険の概況』 |
自賠責保険の保険料は車種や加入月数によって金額が変わります。自賠責保険の保険料については以下のとおりです(自賠責保険の保険料は、毎年1月に金融庁で開かれる「自動車損害賠償責任保険審議会」によって4月1日以降の保険料が決定されます)。
自賠責保険の保険料 | ||||
---|---|---|---|---|
60カ月 | 48カ月 | 36カ月 | 24カ月 | |
自家用自動車 | - | - | 29,520円 | 21,550円 |
軽自動車 | - | - | 28,910円 | 21,140円 |
軽二輪 | 17,330円 | 14,990円 | 12,600円 | 10,160円 |
原動機付自転車 | 14,380円 | 12,600円 | 10,790円 | 8,959円 |
※令和2年4月1日以降始期の契約で、離島以外の地域(沖縄県を除く)に適用する保険料(共済掛金)。 |
自賠責保険における保険金請求の流れは、事故の加害者と被害者で異なります。自賠責保険では、ケガをさせた方を「加害者」、ケガをした方を「被害者」といいます。
※被害者の方は、被害者等に損害賠償金等を支払ったあとに、保険金を請求できます。
それぞれの請求方法は以下のとおりです。
加害者は、被害者に賠償金を支払ってから損害保険会社へ自賠責保険金の請求を行います。請求には交通事故証明書、事故発生状況報告書、印鑑証明書のほか、保険金・損害賠償額・仮渡金支払請求書などが必要です。具体的な必要書類はケースで異なるので、請求する損保会社で確認しましょう。加害者請求の時効は、被害者へ賠償金を支払った日から3年で完成します。
被害者は、加害者から損害賠償を受けられないときに、加害者が加入している損害保険会社へ自賠責保険金を請求できます。請求には、交通事故証明書、事故発生状況報告書、印鑑証明書、保険金・損害賠償額内払金・仮渡金支払請求書などが必要です。これらのほか、診療報酬明細書や通院交通費明細書などが必要になることもあります。具体的な必要書類はケースで異なるので、損害保険会社に確認するとよいでしょう。
なお、被害者請求の時効は以下のとおりです。加害者請求と被害者請求で時効完成のタイミングが異なるので注意しましょう。
被害者請求の期限(時効) | |
---|---|
請求区分 | 請求の期限(時効) |
傷害 | 事故が発生した翌日から3年以内 |
後遺障害 | 後遺障害の症状が固定した翌日から3年以内 |
死亡 | 死亡日の翌日から3年以内 |
続いて、自賠責保険の更新・変更・解約・還付手続きは以下のとおりです。
自賠責保険の保険期間が切れると補償を受けられません。また、自賠責保険の保険期間が切れていると車検も受けられません。保険期間が切れる前に更新手続きが必要です。更新手続きは、損害保険会社の支店や、ディーラー、自動車整備工場などの保険会社の代理店で行えます。
基本的には、車検とあわせて自賠責保険の更新手続きも行えると考えればよいでしょう。更新手続きに必要な書類は、自動車検査証と自賠責保険証明書です。なお、原動機付自転車(原付)や軽二輪は、コンビニやインターネットでも手続きが可能な場合もありますので、損害保険会社に問い合わせてみてください。
自賠責保険証明書の記載事項に変更があった場合は、速やかに変更手続きを行わなければなりません。変更手続きを行わない状態で事故が起きた場合でも、基本的に保険金は支払われますが、契約満了のお知らせなどが届かなくなる恐れがあります。自動車の名義を変更した場合や引越しで住所が変わった場合などは、忘れずに変更手続きを行いましょう。
変更手続きは、契約している損害保険会社などで行えます。必要書類は変更内容によって異なりますが、名義変更には自賠責保険証明書、自賠責保険承認請求書(譲渡人・譲受人の印が押印されているもの)、譲渡意思を確認できる書類などが、住所変更には自賠責保険証明書と印鑑などが必要です。詳しい必要書類は契約している損害保険会社で確認してください。
自動車を手放す場合、自賠責保険は必要なくなります。契約している損害保険会社に連絡し解約手続きを進めるとよいでしょう。解約に必要な書類は、自賠責保険証明書、印鑑、本人確認書類、保険標章(車検登録不要のバイク、原動機付自転車)、廃車を証明する公的な書類(解除事由証明書、一時抹消登録証明書、登録事項等証明書など)、金融機関の口座番号です。保険期間が残っている分の保険料は、解約返戻金として月割りで還付されます。つまり、1カ月以上、保険期間が残っている場合は、解約返戻金を受けられます。
自賠責保険にはいくつかの注意点があります。代表的な注意点を紹介します。
自賠責保険の保険期間が切れた状態で人身事故を起こすと、相手側へ支払う損害賠償金は全額自己負担になります。たとえば、被害者がケガをして損害額が80万円だった場合、80万円を自己負担しなければなりません。
自動車保険(任意保険)に加入している方も注意が必要です。対人賠償保険の保険金は、自賠責保険から支払われる保険金を超える部分に対して支払われます。たとえば、被害者が死亡して損害額が8,000万円の場合、3,000万円は自賠責保険から、5,000万円は任意保険から支払われるのです。自賠責保険の保険期間が切れていると、3,000万円は自己負担になってしまいます。自賠責保険、任意保険の両方に加入して、万が一の事故に備えておくことが重要です。
自賠責保険は交通事故被害者の救済を目的としているため、過失相殺の適用はありません。過失相殺とは、事故の被害者にも責任がある場合、損害額から被害者の責任割合分を差し引くことです。ただし、被害者に重大な過失がある場合は、その割合に応じて損害賠償額が減額されます。減額割合は以下のとおりです。
重大な過失による減額の割合 | ||
---|---|---|
被害者の過失割合 | 減額割合 | |
傷害の場合 | 後遺障害または死亡の場合 | |
70%未満 | 減額なし | 減額なし |
70%以上80%未満 | 2割減額 | 2割減額 |
80%以上90%未満 | 3割減額 | |
90%以上100%未満 | 5割減額 | |
100% | 補償の対象外 |
事故の被害者がケガをしたケースで被害者の過失が90%以上の場合、自賠責保険の保険金等支払基準で算出した保険金額が120万円であれば支払保険金額は「120万円×80%(2割減額)=96万円」となります。自賠責保険の保険金等支払基準とは、自賠責保険における保険金等の限度の基準です。
自賠責保険はすべての自動車に加入が義務づけられている保険です。自動車の運行で他人を死傷させ損害賠償責任を負ったときに保険金が支払われます。ただし、限度額は傷害による損害で120万円、後遺障害による損害で4,000万円、死亡による損害で3,000万円となっています。
自賠責保険だけで十分な補償を受けられるわけではありません。また、対人賠償のみを対象としています。重大な人身事故や物損事故などを起こすと、損害賠償金を自己負担しなければならないおそれがあります。自賠責保険だけで自動車に関するすべてのリスクに備えることはできないので、自動車を運転する方は自賠責保険に加えてより幅広いリスクに対応できる任意保険にも加入されることをおすすめします。
下記のリンクから一括見積もりをすることができます。
一括見積もりなら、入力は5分ほどでできますので、ぜひ気軽にお見積もりをしてみてくださいね。
いかがでしたか?
自動車保険は種類が多いので、この記事を読んでそれぞれの特徴をつかんでみましょう。
基本的な知識を身につけて、保険料金が割安なダイレクト型自動車保険を検討してくださいね。