公開日:2025年7月9日
自動車保険には、等級制度というものがあります。これは、保険期間中の事故の頻度や回数に応じて保険料が変わる仕組みで、ノンフリート等級制度とも呼ばれています。等級は1から20まであり、1年間保険を使わなければ、等級は毎年ひとつずつ上がっていきます。
等級が上がるほど保険料の割引率が高くなり、最も割引率が高いのが20等級です。では、20等級になると保険料はどれくらい安くなるのでしょうか? また、実際の保険料相場はどのくらいなのでしょうか?
この記事では、20等級の自動車保険の保険料相場や割引率について詳しく解説します。保険料を少しでもおさえたいとお考えの方は、ぜひ参考にしてください。
自動車保険の等級制度(ノンフリート等級制度)は20等級が上限
自動車保険の等級制度は、保険料の負担を公平にするための仕組みです。事故を起こした回数や内容に応じて、保険料の割引き率や割増し率が変わる制度で、ノンフリート等級制度とも呼ばれます。
一般的に、自動車保険は事故を起こしたときに適用され、保険金を受け取ることができます。そのため、事故を起こす可能性が低い方は、事故を起こしやすい方に比べて保険金を受け取る可能性が低くなります。
等級制度は、このように事故を起こす可能性が低い人の保険料を安くすることで、保険料の支払額と受け取る保険金のバランスを保ち、公平性を実現する仕組みなのです。
自動車保険の20等級は、もっとも高い等級にあたります。
自動車保険の等級制度(ノンフリート等級制度)は1等級~20等級に区分され、20等級が上限となるのです。
等級制度(ノンフリート等級制度)では、等級が上がるほど事故のリスクが低いと判断され、その分割引き率が高く、保険料が安くなるしくみです。したがって、保険料の割引き率は20等級がもっとも高くなります。
なお、一部の自動車共済では1等級~22等級の22段階に設定されています。ただし、20等級以上は割引き率が変わらないため、21等級・22等級は20等級と同じ割引き率が適用されます。
初めて自動車保険に加入する際は、通常6等級からスタートします(特定の条件を満たす場合は7等級からスタート)。その後、1年間保険を使わなければ、等級がひとつ上がり、無事故の期間が長ければ長いほど等級が上がり、保険料の割引率も高くなります。
保険会社によっては、初めて加入したことを示すために、等級の後に「S」と記載されることもあります。
前述のとおり、自動車保険に初めて加入する場合は、一般的に6等級から始まるため、1年間無事故で過ごすと1等級上がり、20等級になるには最短でも14年かかります。
また、セカンドカー割引き適用時(2台目)の自動車保険は7等級から始まるため、最短で13年かかります。
なお、一定の条件を満たすと、家族などが契約している自動車保険の等級を引継げることがあります。そのため、6等級よりも高い等級を引継いだ場合は、通常よりも早く20等級に到達できます。
20等級になった後は、無事故を続けてもそれ以上等級が上がることはありません。また、永久に20等級が維持されるわけではなく、等級ダウン事故を起こして保険を使えば等級が下がります。等級が下がると保険料の割引き率も下がり、翌年以降の保険料が高くなる可能性があります。
なお、等級ダウン事故には3等級下がる「3等級ダウン事故」と1等級下がる「1等級ダウン事故」があり、事故の翌年からは、ダウンした等級の「事故あり」の割引き率がダウンした等級数と同じ年数適用されます(3等級ダウン事故であれば3年間、1等級ダウン事故であれば1年間)。
したがって無事故で10等級になった場合と、等級ダウン事故を起こして10等級になった場合では、同じ等級でも事故有の割引き率の方が低く設定されているため、保険料は高くなるという仕組みです。
たとえば、20等級の方が3等級ダウン事故を起こした場合、翌年は17等級「事故あり」の割引き率が適用され、その後3年間は事故ありの割引き率が続きます。自動車保険を使うと、翌年の等級が下がり保険料が上がってしまう恐れがあるため、保険を使った場合と使わなかった場合の負担を比較して、保険を使うかどうかを判断することも大切です。
等級制度について詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。
等級制度(ノンフリート等級制度)では、等級ごとに異なる割増引率が適用されます。等級別割増引率の例は以下のとおりです。
自動車保険の等級による割引き率・割増し率
| 等級 | 無事故 | 事故あり |
|---|---|---|
| 20等級 | -63% | -51% |
| 19等級 | -57% | -50% |
| 18等級 | -56% | -46% |
| 17等級 | -55% | -44% |
| 16等級 | -54% | -32% |
| 15等級 | -53% | -28% |
| 14等級 | -52% | -25% |
| 13等級 | -51% | -24% |
| 12等級 | -50% | -22% |
| 11等級 | -48% | -20% |
| 10等級 | -46% | -19% |
| 9等級 | -44% | -18% |
| 8等級 | -38% | -15% |
| 7等級 | -27% | -14% |
| 6等級 | -13% | |
| 5等級 | -2% | |
| 4等級 | 7% | |
| 3等級 | 38% | |
| 2等級 | 63% | |
| 1等級 | 108% | |
出典:「自動車保険参考純率改定のご案内」(損害保険料率算出機構)
事故ありの割増引率とは、事故によって等級ダウンしたときに適用される割増引率です。3等級ダウンしたときは3年間、1等級ダウンしたときは1年間、有事ありの割増引率が適用されます。無事故で等級アップしたときや、20等級を維持しているときは無事故割増引率が適用されます。
自動車保険の保険料は、等級だけではなく保険会社や補償内容、運転する方の年齢、運転者の範囲、適用される割引き制度などによっても異なります。そのため、20等級の自動車保険の相場がいくらであるかは一概にいえませんが、一例として下表の保険料を参考にしてください。
20等級の自動車保険の相場の一例
| 車両保険の有無 | A社 | B社 | C社 |
|---|---|---|---|
| 車両保険なし | 1万6,380円 | 1万2,470円 | 1万5,850円 |
| 車両保険あり | 3万8,270円 | 3万3,740円 | 3万5,610円 |
A社、B社、C社はいずれも通販型(ダイレクト型)自動車保険
【共通条件】上表より、20等級の自動車保険の相場は、車両保険ありの場合、年間3万5,000円(月額2,900円)程度、車両保険なしの場合は、年間1万5,000円(月額1,250円)程度とわかります。
ただし、自動車保険の平均的な保険料相場は30代よりも20代のほうが高額な傾向にあるため、20代の方が申込む場合は、上表よりも高額になると想定されます。
また、同じ条件でも保険会社によって金額が異なります。上記はいずれも通販型(ダイレクト型)自動車保険の見積もりです。代理店型自動車保険では、これよりも保険料が上がるケースもあります。
等級ダウン事故を起こさなければ等級が上がり、保険料をおさえられます。そのほかにも、自動車保険の保険料をおさえる方法は多数あります。おもな方法を紹介するので、ぜひ実践してみてください。
ただし、保険会社によっては適用できない方法もあるため、事前に加入している自動車保険で確認しましょう。
「運転者年齢条件」とは、自動車保険の契約対象となる車を運転する方の年齢を限定することで、保険料がおさえられる仕組みです。補償対象となる年齢が若いほど保険料が上がるため、適切な条件かどうか確認しましょう。
たとえば、同居していた子どもの年齢にあわせて「全年齢が補償対象」の契約をしたものの、現在は子どもが独立して別居している場合、子どもの年齢にあわせた年齢条件の設定は不要です。
上記のケースでは、運転者の年齢条件を狭めることで保険料を下げられる可能性があります。ただし、範囲の限定方法は保険会社によって異なるため、事前に確認しましょう。
自動車保険は、保険会社によってさまざまな割引き制度を実施しており、たとえばゴールド免許割引きやネット契約割引き、新車割引きなどがあります。
これから車を購入する予定なら、エコカーや衝突被害軽減ブレーキが搭載された車を選ぶのもひとつの方法です。各条件を満たすことで割引きが適用され、保険料をおさえられる場合があります。
原則として、自動車保険の新規加入時に適用されるのは6等級、セカンドカー割引きの条件を満たした場合は7等級です。しかし、一定の条件を満たせば、家族などが契約している自動車保険から等級を引継いで、より高い等級からスタートできる場合があります。等級の引継ぎは異なる保険会社間でも可能です。
より高い等級が適用されると保険料の割引き率が高くなり、負担を軽減できます。等級の引継ぎができるのは、以下のいずれかの方が記名被保険者(契約対象の自動車をおもに運転する人)となっている契約を変更する場合です。
ただし、等級引継ぎの可否や条件は保険会社によって異なる場合があるため、ご自身のケースが引継ぎ可能か確認しておきましょう。
月払いをしている方は、一括払いに変更することで保険料をおさえられます。一般的に、月払いの保険料は一括払いの保険料よりも高く設定されているからです。
保険料の払込み方法によっては、手数料が発生することがある点にも注意しましょう。たとえば、銀行振込みの場合は振込み手数料が契約者負担になるケースもあります。
事故などで保険の利用を検討しなければいけない事象が発生したとき、自動車保険を使えば翌年の等級が下がり、それまでの負担額よりも翌年以降の保険料が高くなります。そのため、トータルの負担を考えると自動車保険を使わない方が良い場合もあるでしょう。
前述したとおり、事故で保険を使うと等級が下がるだけでなく事故有の割引き率が適用され、事故有係数適用期間中は無事故の場合と比べて同じ等級でも割引き率が小さくなります。たとえば、3等級ダウン事故なら、3年間は事故有係数が適用されるため、無事故よりも低い割引き率が適用されます。
自動車保険を利用した方が良いのか、自己負担した方が良いのか、翌年以降の保険料も考慮して判断するようにしましょう。
自動車保険には、対面販売型(対面型)と通販型(ダイレクト型)があります。対面型は代理店で申込み、通販型(ダイレクト型)はインターネットで申込みます。通販型(ダイレクト型)の方が中間コストがかからない分、保険料をおさえられる傾向があります。
なお、通販型(ダイレクト型)でも、チャットや電話などで手続きや補償内容について相談することができ、事故対応は対面型と同様に事故サービスセンターがおこなうため、遜色ないサポートを受けることができます。
補償内容を見直し、不要な特約を外したり補償対象の範囲を絞ったりすることでも、保険料をおさえることができるでしょう。
ほかに加入している保険と補償内容が重複していたり、状況が変わって今までは必要だった補償や特約が不要になっていたりする場合もあるでしょう。また、補償内容が幅広いと保険料も高くなることが一般的です。本当に必要な補償か検討してから、オプションや特約などを決めるようにしてください。
なお、家族で複数の自動車保険を契約している場合に重複しやすい補償として、個人賠償特約や弁護士費用特約、人身傷害補償(車外の補償)などがあります。もし、加入している場合は、重複していないかチェックしてみてください。
自動車保険の保険料は、車両保険の設定によって金額が大きく変わります。補償額が高くなれば保険料も高くなり、また免責金額が少ない場合も保険料が高くなります。
免責金額とは、契約車両が事故などで損害を受けた場合に、保険金が支払われる際、契約者が自己負担することになる金額のことです。この金額は、契約時に設定された免責金額に基づきます。なお、修理費用が免責金額を超えた場合に限り、超過分が保険金として支払われます。
免責金額を高く設定すれば、その分保険料が下がります。ただし、事故を起こした際の自己負担が大きくなってしまうため、補償額と免責金額のバランスを考えて保険料を決めることが大切です。
また、車両保険(一般型)ではなく、補償範囲が限定された「車対車+A(エコノミー型)」を選ぶのもひとつの方法です。ただし、自損事故などが補償されないため、慎重に判断しなければなりません。
自動車保険の保険料は、同じ20等級でも保険会社や補償内容によって異なります。自動車保険を見直して、ご自身の状況に合った補償内容にすることで、保険料をおさえられる可能性があります。
自動車保険を探す際に、1社ずつ補償内容の検討や見積もりを依頼するのは手間がかかるため、複数社の自動車保険を簡単に比較できる「一括見積もりサイト」の活用がおすすめです。
一括見積もりサイトであれば、車両の情報や希望する補償内容などを一度入力するだけで、複数社の自動車保険を比較できます。
自動車保険の20等級は、等級制度(ノンフリート等級制度)でもっとも高い等級のため、高い割引き率が適用されて保険料もおさえられます。ただし、無事故を続けても1年に1等級ずつしか上がらないため、6等級からスタートした場合は20等級になるまでに最短でも14年かかります。
自動車保険の保険料は保険会社によって異なるため、保険会社を見直すことで保険料をおさえられる可能性があります。ただし、保険会社によって補償内容に違いがあるため、ご自身にとって必要な補償がそろっているかは、加入前に確認しましょう。
なお、自動車保険を選ぶ際は、一括見積もりを利用して、保険料や補償内容を比較・検討しましょう。

RAPPORT Consulting Office (ラポール・コンサルティング・オフィス)代表。名古屋大学工学部機械・航空工学科卒業。証券会社、生損保代理店での勤務を経て、ファイナンシャルプランナーとして独立。お金に関する相談や記事の執筆・監修を通じ、自身のお金の問題について自ら考え、行動できるようになってもらうための活動を行う。ミニマリストでもあり、ミニマリズムとマネープランニングを融合したシンプルで豊かな暮らしを提案している。趣味はサウナ(サウナ・スパプロフェッショナル)。
【資格】
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP®(日本FP協会認定)
※CFP®、CERTIFIED FINANCIAL PLANNER®、およびサーティファイド ファイナンシャル プランナー®は、米国外においてはFinancial Planning Standards Board Ltd.(FPSB)の登録商標で、FPSBとのライセンス契約の下に、日本国内においてはNPO法人日本FP協会が商標の使用を認めています。
※このページの内容は、一般的な情報を掲載したものであり、個別の保険商品の補償/保障内容とは関係がありません。ご契約中の保険商品の補償/保障内容につきましては、ご契約中の保険会社にお問い合わせください。
※税制上・社会保険制度の取扱いは、このページの掲載開始日時点の税制・社会保険制度にもとづくもので、全ての情報を網羅するものではありません。将来的に税制の変更により計算方法・税率などが、また、社会保険制度が変わる場合もありますのでご注意ください。なお、個別の税務取扱いについては所轄の税務署または税理士などに、社会保険制度の個別の取扱いについては年金事務所または社会保険労務士などにご確認のうえ、ご自身の責任においてご判断ください。
(掲載開始日:2025年7月9日)
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