2016.06.17

【インタビュー:江川達也:1】ノンフィクションの煌き/江川達也の放送コード

ひけらかす漢の美学 │ HERE COMES THE WORD


著名人やタレントさんに、愛車や車ありきのライフスタイル、保険、その他諸々についてお話を伺うこのコーナー。

今回のゲストは、『まじかる☆タルるートくん』(1260万部ヒット!?)や『東京大学物語』(2000万部ヒット!!?)など、大ヒット作を多数生み出した人気漫画家の江川達也さん。

絵に描いたような豪邸に住み、絵に描いたような高級車を所有し、絵に描いたようなゴージャス・ライフスタイルを体現されておられる、江川大先生に迫ります。


江川達也

■江川達也/えがわ たつや
漫画家・タレント

<プロフィール>
1961年3月8日生。愛知県出身。愛知教育大学数学科(応用数学専攻)卒。大学を卒業して中学校の数学講師を経験後、本宮プロダクションでのアシスタントを経て、1984年『BE FREE!』で漫画家デビュー。以降『まじかる☆タルるートくん』『東京大学物語』『源氏物語』など、数々の人気漫画を世に送り出す。現在は、数多くのテレビ番組に出演するなど、タレントとしても各メディアで活躍中。


メルセデス・ベンツ │ 惚れる │ ONE THING



春と夏が入り混じるハレの日。
場所は、江川達也の自宅兼事務所。

白亜の豪邸にある広大な駐車場には、SLRマクラーレン、S600、スマートと、メルセデス・ベンツがズラリ3台。
およそ4割は嫉妬込みで、図らずも歓声をあげた取材陣だったが…



江川達也

車と家にこだわるのは、俺が“名古屋人”だからなのかもしれないですね。名古屋人っていうのは基本的に、車と家にお金をかけて、その他はケチなんですよ(笑)。自分では全然意識してなかったのに、名古屋出身の人にそれ指摘されて、あ~当たってるわ…となった。そこからしばらくは、そんな自分がものすごくイヤでしたよね。…いや、だってさ、名古屋がイヤで上京したみたいな部分もあるのに、東京でも名古屋っぽいことを無意識にやってるっていう(笑)。ちょっと悲しかったけど、指摘されると確かに納得みたいな感じだったよね。




そう言って満面の苦笑、江川先生。

なお、SLRは、かつてドイツの自動車メーカーであるダイムラーが、メルセデス・ベンツブランドで展開していたスーパーカーだ。
現在は生産しておらず、日本には30台ほどしかないという貴重な車。



江川達也

SLRは、買った当時6,000万円くらいだったかな。でも、今はもっと安くで買えるって聞いたけどね。で、購入後も維持費が大変でさぁ。そりゃ貴重なんだけど、今思うと、SLKくらいでよかったなと(笑)。結構車体デカくて不便だし、乗り心地もそんなに良くないし、少なくとも都内で乗る車じゃないよね(笑)。ていうか、普通SLRで街走らないと思うよ。車庫で飾って見物して楽しむみたいな空気感あるもんね。もちろん、カッコいいんだよ、ものすごいカッコいいんだけどね。実際、なんでこんなん買ったんだ?って思う時もあるけど、高速道路をドヤ顔で楽しくクルーズできる点は気に入ってますよ(笑)。




最近はもっぱら、スマートを愛用しているという。


江川達也

今の普段使いは、スマートのフォーフォー(forfour)です。実はまだ1週間も乗ってないんだけど、初めて普通車に乗ってるな~って感じかな。ずっとチューンナップした車ばっかり乗ってきたんでね。大人しく乗ってますが、運転しやすいし、荷物もたくさん積めるし相当いい。すっかり夢中です。





ところで、江川達也がメルセデス・ベンツをチョイスする理由は何なのか。

それは、ブランド力というよりも、デザイン性と頑丈さだという。



江川達也

車は、もちろん機能も重視するけど、どちらか言うとデザイン重視ですね。直感で「欲しい!」と思ったモノを買います。あとは、頑丈で安全なモノに惹かれます。で、ベンツってどうしてもネームバリューが先行しがちだけど、その機能性が半端じゃないんだよね。本当に良いモノを作ってると思う。日本車もいいけど、ドイツ車はスゴイ。というわけで、なんで俺がベンツを選ぶのかと言われれば、結局、車乗ってて死にたくないから。これに尽きます(笑)。





父と車 │ 流れに乗り、削ぎ落として走る。 │ THE GREAT ESCAPE

江川達也




そんなメルセデス・フリークの江川先生は、父親の影響もあって、車は昔から身近な存在だったという。


江川達也

車は好きというよりも、もはや家業なんです。父親が車関係の仕事で、名古屋で大型トラックやバスの中古販売をやってたんですよ。それもあって、17歳の時に自動車学校に通って免許を取りました。しかも俺、大型免許も持ってるんですよ。教育大に行ってたんで、将来は教師になるのかな~とは漠然と思ってたんだけど、なんとなく漫画家になるような気もしてたので、つぶしが利くように取っといたって感じです。だから、トラックも運転できます。





初めてのマイカーは、三菱のジープ。
初心者が乗りこなすには難しい代物のはずだが、そこにはちょっとしたストーリーがあった。



江川達也

俺、大学1つしか受けてないし、しかも国立だし、塾も行ってなかったから、親からしたら安上がりな子どもでしょ?だから親父に、大学受かったら車を買ってもらう約束を取り付けたの。「好きな車何でも買ってやる!」って言うから、その頃に新しく出てたフェアレディZを買ってもらうことになった。で、実際に大学受かって、納車を楽しみにしてたら、ある日、車庫に中古のジープが停めてあったのね。「は、はい?」ってなるよね(笑)。「中古のジープ、100万で買ってきたから、コレに乗れ!」って、親父が言い出すわけよ。





ところが、そのトリック劇の裏には中古車販売業のプロである父親の狙いがあった。


江川達也

俺が散々乗ったジープを、最終的に売りさばいたんですが、結局いくらで売れたと思います??…なんとね、100万円で売ってるんですよ!結果的に、ゼロ円で済んだということですよね。親父は完全に商売人ですよ(笑)。ジープは、乗りまくっても値段が下がらないっていう算段があったみたいで。ただ、実際乗る側からしたら、車高が高くて乗りにくいのなんのって(笑)。しかも、乗った後はいっつも半端じゃない疲労感でしたね。まあ、だんだん愛着は湧きましたけど。





江川達也




そして大学卒業後、4ヶ月だけ教師として働いた後、漫画家を目指し上京。
本宮プロダクションでのアシスタントを経て、1984年に漫画家デビューすることになる。

そこから、コミックモーニングで初連載した『BE FREE!』が大ヒットし、その印税で初めて自分で車を購入した。




江川達也

お金が入ったから、ステレオセットとテレビと車を買ったんです。それが、ホンダのシビックSiです。シビックはすごくよく走る車で、100キロ位まで引っ張れる。あと、デザインも個性的だし、バランスがいい。実際、シビックはエンジンも良くて、乗ってて良い車でしたね。






その後も順調に連載を抱え、大忙しだった江川青年。
当時のストレス解消は、作画に飽きては高速をぶっ飛ばすことだったという。



江川達也

当時俺、首都高速都心環状線を周回する、いわゆるルーレット族のハシリやってたんです。漫画作る合間の気分転換でね。なんとなく漫画描くのに飽きてきた時に、ちょうどよかった。BE FREE!時代のことですね。C1(首都高環状線)をグルグル何十周もするわけ。知っている人もいると思うけど、あそこをレース場と思って周回する行為が、一時期カルチャー的に流行ってたんだよね。シビックSiで首都高まで行って、10周くらいして戻るっていうのを、結構な深夜にやってた。にしても、シビックは、ルーレットにはピッタリの車だったなぁ(笑)。





ところが、メルセデスがだんだん気になりだす。


江川達也

実家の名古屋に帰る時、シビックSiで東名高速をよく走ってたんです。で、ベンツの速さを見て、やっぱすげぇ……と。シビックでスピード出してカーブ切る時なんて、ブレーキと車体がちょっと危ない感じがするんですよ、感覚的にも。でも、横を走り抜けるベンツのスピードが余裕でシビック以上だから、ベンツ乗りって命知らずだなぁと思ってたんです。






その後、実際にメルセデスを試乗してみたところ、驚いた。


江川達也

なんて言うんですかね、どれだけスピード出してもスーーっと行くんです、ベンツは。乗ってても怖くもなんともないし、大げさに言えば、200キロ出してても体感が40キロくらいの感じで走ってる。おそらく300キロ出しても、シビックの180キロとかよりも気楽な感じで乗れると思うね。ブレーキの効きも素晴らしくて、どんだけ高速で走ってても普通に負荷なく減速できる感じ。まあ、ドイツのアウトバーンぶっ飛ばせるレベルで設計されてるわけだからね。値段の高さには、しっかりそれの意味があるんだと実感したよね。





そして1994年、34歳で初メルセデス・ベンツ、S600を購入した。


江川達也

その時、一応いろんなメーカーの車を試乗したんだけど、ベンツが一番良かった。例えば、セルシオ(※現在のレクサス)なんかは空飛ぶ絨毯みたいにスイスイ走るんだけど、勝手に走っていく感じっていうか、個人的に体感がつまらなくてさ。乗ってる移動時間がムダみたいに思えちゃって、運転してる感じがなかったんだよね。けど、S600試乗した時は、シンプルに楽しかった。あと、一度ベンツに乗っちゃうと、シビックとかはちょっと怖いよなって思えるくらいだった。安定感が違う。しかも、それまでに事故もちょこちょこあったから、安全基準がしっかりした車に乗らなきゃって感じていたからね。ちなみに、俺、事故には強いんですよ。というのも、自動車保険に関して、頼れる味方がいますから。



TO BE CONTINUED


保険?と身を乗り出したところで、前半戦終了。


ハイテンションな放送コードに乗ってきた値千金トーク。
後編へと続きます。




◇text:犬塚左恵
◇photograph:関根虎洸





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