2016.09.06

【高速道路の渋滞原因と過ごし方】イライラせんでええで。してもええけど。

往く道は苦しい。渋滞は憂鬱なことだらけだ。そんな憂鬱に耐えて耐えて耐え抜き、精進を重ねて進む。それでも、目的地に辿り着いた時、とてつもない後悔の念と苛立ちが頭をもたげるかもしれない。それでもいい。それでもいいんだ。渋滞のない人生なんて考えられない。面白くもなんともないではないか。


<妻>
ねえ。

<夫>
おう、どうした?

<妻>
なんで高速道路になんか入ったの?

<夫>
時間を節約できると思ったからだよ。

<妻>
いやいや、今って帰省ラッシュの最盛期だよね。0.2秒考えれば渋滞してるって分かりそうなもんじゃない。1万歩譲ってなんで高速道路入る前に、スマホで渋滞情報を調べないのよ。

<夫>
うっせーんだよぉ!うっせーんだよぉ!

<妻>
アンタっていつも同じパターン。都合悪くなると声だけ張り上げて、2回同じこと言って、スベり芸に持っていく。もうちょっと冷静に思考しようとか思わないの?

<夫>
え、そこで“思考”って使う?スゴイよね。言葉の端々に頭の良さが表れてんだよ。頭の良さが表れてしまってんだよ。



高速道路の渋滞にハマり込んだ車内で繰り広げられるは、夫婦生活だいたい20年の夫と妻の会話である。
後部座席には16歳になったばかりの娘が乗っていたが、スマホばかりイジくって、親の会話など全く聞いていない。




<妻>
ねえ。

<夫>
おう、どうした?

<妻>
面白い話してよ。

<夫>
変な圧で入ってきたね。いや、暇を潰すものなんていくらでもあるだろ。映画でもネットでも。

<妻>
たまには家族サービスしようとか思わないの?後ろに座ってるのに、娘とも全然会話してないじゃない。アンタ、娘の彼氏のこととか知らないでしょ。

<夫>
マジで?!いんの?!マジで?!

<妻>
じゃあ、娘から情報は引き出しなさいよ、自力でね。

<夫>
おい!彼氏がいるって本当か?顔はどんな感じだ?しっかりした顔か?輪郭は?

<妻>
聞き方、単刀直入すぎてわろた。しかも、評価基準は絶対的に顔という可笑しみ。



夫は後部座席の娘に話しかけたが、娘は相も変わらずスマホに噛り付いてガン無視状態である。
夫は重い溜め息を吐くと、延々と続いている車の蛇行に目を向けた。
自らの純粋な判断ミスで渋滞にハマったことは認めざるを得ないが、妻が放つ冷やかな空気や、娘のマイワールドな態度に触れて、行き場のない怒りが込み上げてくる。




<夫>
もういい。それじゃ、渋滞のウンチクでも話してやる。

<妻>
いらんいらんいらん。いらん。いらんねん。アンタ、学生の頃からウンチクとか話し出すと長いんだもん。デートの時もやたらと自分の持ってる知識とかひけらかすクセあったわよね。老化以外で何も変わってないんだから。

<娘>
もう相当ムリ。お父さんとお母さんの付き合ってる時の話とかしないで。明るい未来を感じさせてよ。未来に懸けてよ。

<夫>
なんとも壮大なツッコミだね。いやいや、誰も聞いてなくても、俺はウンチクを語る。語らないとやってられん。


渋滞はなぜ起こる?

渋滞はなぜ起こる?


渋滞が起こる原因にはパターンがあります。
主には、道路内で工事が行われている場合に発生する『工事渋滞』、そして交通事故の影響で発生する『事故渋滞』です。

他にも、山間部のように地形上の問題で発生する渋滞もあり、上り坂のわずかな傾斜の影響により、車の速度が落ちて後続車に影響を与えてしまうものです。
特に、トラックのような大型車は傾斜の影響を受けやすく、後ろを走っている車は危険を察知して車間距離を取ろうとします。
その後ろを走っている車もブレーキを踏み、そのまた後ろを走っている車もブレーキを踏み、といった連続的動作が、自然と渋滞を発生させてしまいます。




<妻>
この辺りは山間部だから渋滞が発生してるのかしら?

<夫>
違う。おそらくサグによる影響だよ。ほら、遠くを見てみろ。下り坂から上り坂に変化してるだろ。ああいう風にすり鉢状になっている地形も、渋滞が起こる原因になるんだ。

<妻>
ふ~ん。わざわざ“サグ”とか訳の分からん言葉使わなくていいと思うよ。アンタの人生の縮図が垣間見えたみたいで寒いわよ。上着、上着。

<夫>
ははは。はは。は?



高速道路には「サグ部」と呼ばれる場所がいくつか存在します。
サグとは、下り坂から上り坂に差し掛かる凹み部分のことで、この付近では車は無意識に速度が低下する傾向にあります。
下り坂から上り坂への変化が緩慢な場合、ドライバーは気付かずに下り坂の調子のまま、アクセルの踏み込みを維持してしまうので、結果として速度が落ちていきます。
それが後続車両にも伝わって、渋滞が発生するのです。

その他、トンネル付近でも速度が低下してしまう傾向があります。
トンネルに入る時に明るさが変化するため、どうしても視野が狭く感じてしまうこともあって、ドライバーは入り口付近でアクセルを緩めて、渋滞を引き起こしてしまいます。
なお、一部のトンネルでは、トンネル外と内の明るさの差が出ないように調整しているところもあり、渋滞解消に一定の効果を上げている場所もあります。




<妻>
先頭がトロトロ走ってるから、渋滞が起こってるんじゃないの?

<夫>
まあ、原因はいろいろあるけど、やっぱり車の多さが影響してるってのが一番だろうな。ていうか、そもそも論、日本の国土の狭さだったら、1億何千万人も暮らしてるっていうのが結局は元凶かもしれないね。結果的に車も多くなるし、道路も狭いし混むし、公共交通機関だってパンパンになる。だいたい、合流地点とかで大量に車が入ってきたら、どうしても速度が落ちんだろ。こんな混んでる時期に高速道路に入ろうとするヤツが大馬鹿だよ。

<妻>
えらく張り切ってるわね。どうしたのよ。ていうか、オマエだよ、高速入ったのは。

<夫>
ははは。はは。は?え?“オマエ”?



渋滞を発生させる最たる要因は、交通量の多さです。
インターチェンジやジャンクションなど、道路の分岐点では、大量に車両の流出入が起こるため、全体的な速度低下に繋がります。
これに悪天候の影響、工事、事故などの二次的要因が加われば、渋滞の発生率はさらに跳ね上がります。
料金所付近では、たとえETC搭載でも、車を減速あるいは一旦停止させる必要があります。




<夫>
どうだ、オモロイだろ?まあなんだかんだ言っても、車の母数が減るか、道路が拡張されるか、はたまた周りと行動時間を変えるかしかないと思うんだけどな。

<妻>
アンタが典型的で古典的なサラリーマン体質してるから、こうなるんじゃない。もう、時間を切り売りするような働き方やめたら?まあ、それが出来るほど賢かったら、私と結婚なんてしてないだろうけど。

<夫>
おいおい、発言の意図が込み入ってる。入り組んでる。このまま自然体で会話続けて大丈夫か?

<娘>
あ、オモロイっていえばさ、この間お父さんの部屋に“動物カワイイ映像集”っていう、何言ってるかよく分からないブルーレイ見つけたんだけど。

<夫>
なんで何言ってるか分からないんだよ。そのままだろ。ていうか勝手に入ってんじゃねぇよ。何しようとしてたんだよ。目的はなんだ。ゴールはどこだ。

<妻>
気色が悪いわね。とうとう現実逃避か。

<夫>
ははは。はは。は?


渋滞を快適に過ごすために


<夫>
(俺は懸命に働いてきたんだ。ひとときの癒しを動物に求めて何が悪いんだ。あー、錦織圭になりたい。頭というよりも身体で金を稼ぎたい。)

<妻>
さっきから何ブツクサ言ってるの?もう渋滞に入ってから3時間は過ぎてるわよ。

<夫>
なんで心の声が聞こえんだよ。まあ、そうだな。おい、後部座席の君、ネットで渋滞の快適な過ごし方を検索してくれよ。

<娘>
なんで私がやらなきゃいけないの。

<妻>
ほら、1年に1回はお父さんの言うこと、聞いてあげなさいよ。

<娘>
チェッ、メンドくっせ。

<夫>
1年に1回すか!?やっべーな、それ。やっべーな。



渋滞を快適に過ごす方法はたくさんありますね。

◇書籍(小説、漫画、雑誌)
◇DVD・CD(映画、音楽)
◇スマホ・タブレット・ノートPC

特にスマホ・タブレット・ノートPCは通信環境が良好であれば、書籍やDVD・CDの代役も果たしますので、近年では渋滞時の必須アイテムとなっている模様です。
Huluなど動画配信サイトに会員登録しておくのもいいでしょう。




<夫>
運転している俺は、どうしたらいい?

<娘>
どうって、運転に集中するに決まってんだけど。ボケが粗い。私、ダウンタウンの浜ちゃんでもないし、良きタイミングで頭ドツけないから。

<夫>
おー、ボケたつもりは一切ないのだが、ドツくのはダメだよぉ。しかも運転しておりますぅ。ところで、そんなノリをどこで覚えたんだい、お嬢さーん。

<妻>
あ、次のサービスエリアに入って。

<夫>
え、いいけど、なんで?

<妻>
逆ナンしたいから。

<夫>
よっ!大胆で不埒なお姉さん!って、なんだこれ。どうした?お二人さん、さっきからどうした?



高速道路に入る前に飲み物や食べ物を用意しておくと、渋滞時にも役立つでしょう。
コーヒーやガムは眠気を解消するには割と効果的です。
なお、最近のサービスエリアは店舗リニューアルが進み、施設や商品も充実しているところが多いため、観光がてら利用してみることをオススメします。




<娘>
あっ、スマホのバッテリー切れた。

<夫>
えっはっは、いっは、おっはっは。それは、残念だったな。

<娘>
笑い方のクセがヤバイね。いや、充電器、車にないの?

<夫>
あるけど渡さん。

<娘>
なんで?シンプルになんで?

<夫>
シンプルにスマホがなくても優雅に振舞える女性になってほしいからだ。これはシンプルに教育だと思いなさい。

<娘>
ていうか、お父さんシンプルにブサイクだね。

<夫>
シンプルに今更?いや、シンプルにビジュアル関係ねえだろ。そしたらせっかくだし聞いておくか、お父さん、10点満点でシンプルに何点だ?

<娘>
シンプルに服着てるし、3点かな。

<夫>
いや、シンプルに意味が分からん。ボケの精度をシンプルに高めていってほしいね。



なお、仮にスマホ・タブレット・ノートPCで動画を視聴しているとバッテリー消耗がかなり激しいので、車に充電器を必ず用意しておきましょう。
このところはノートPCでも1回の充電で6時間~は扱えるようになりましたが、余裕しゃくしゃくなのは目安として2~3時間ほどだと思っておいた方がいいでしょう。



渋滞を回避するためのテクニックと経済的損失

渋滞を回避するためのテクニックと経済的損失


<娘>
ねえ。もういいから、充電器プリーズ。

<夫>
じゃあ条件がある。オマエが付き合ってる彼氏の名前と、ここから先の渋滞情報を調べて教えてくれ。

<娘>
イヤ。

<夫>
なら貸さない。

<娘>
デイヴィット・オリヴァー。サービスエリアでナンパされたの。

<夫>
はぁ?外国の方ですかぁ?!そして、サービスエリアでナンパァ?!とにかくエピソードのクセがスゴイね。で、どこの国の人なんだ?

<娘>
コンゴ民主共和国。

<夫>
ぶっは。はぁ?オマエいつからそんなグローバルな人間になったんだ?しかもコンゴの人で、名前がデイヴィット・オリヴァーって、ハンパないね。デイヴィットって、ヤバイね。



渋滞の事前情報は、ネットなどで調べればすぐに得られます。
また、カーナビに渋滞の回避ルートを調べる機能が付いていることも一般的になってきているため、どんどん活用しましょう。
なお、高速道路を利用せずに下道を走るというのも手です。
日頃から運転に慣れている人であれば、交通が集中する日中を避けて、深夜から朝一番にかけて走行するというのもいいでしょう。




<娘>
全部フェイクよ。学校の先輩よ。純日本人よ。

<夫>
一転、落差がスゴイね。全然オモロなくなったね。

<妻>
そんなことより、車の中で過ごす時間ってなんかアレよね。アレになってくるわよね。アレだわ。

<夫>
あーもう煮え切らないよぉ。この煮え切らない想いをどうしてくれるんだ?とにかく俺はちょっとした会話でも多少のコンセンサスは取りながら進めたいと思っているんだ。家族なんだからさ、トリプルボケでは収拾がつかないじゃないか。



走行中のテクニックとして、一番左の車線を利用するという方法もあります。
道路が混雑してくると、ドライバーは無意識に右側の追い越し車線を選んでしまう傾向があるため、渋滞の気配を感じたら、車の交通量が少なくなりがちな一番左の車線を走るのがいいでしょう。
また、ETCの搭載は必須で、料金所をスムーズに通るだけで、大幅な時間の節約となります。

そして、渋滞による経済的損失がありまして、渋滞の国民1人当たりの年間消費時間は「約30時間」と試算されています。
これを国民総数で換算すると、「年間38.1億人時間」の浪費となり、貨幣価値で考えて約12兆円が毎年損失される計算です。
また、渋滞は「CO2の大量排出による環境悪化」、「物流効率の低下」、「救急医療の生存率低下」、「ストレスによる経済損失」など、様々なデメリットを引き起こすため、国土交通省は渋滞対策をしっかり実施していく必要があると強く訴えています。


参照:効果的な渋滞対策の推進 - 国土交通省



<娘>
お、ようやく渋滞抜けたみたいだね。

<妻>
長かったわね。

<夫>
そういや、ポチを見かけないけど、トランクにでも入れてるのか?

<娘>


<妻>
連れてきとらん。

<夫>
そうか、ペットホテルに預けたのか?

<妻>
預けとらん。

<夫>
そうか、エサと水はたっぷり与えておいたのか?

<妻>
与えとらん。

<夫>
そうか。

<妻>
妄想をここまで引っ張り合ってくれる妻で良かったわね。それにしても総じて、アンタほんとに痛い人ね。男前でもないくせに。

<夫>
うわ、やっぱりビジュアル大事なんだなぁ。世知辛いなぁ。ていうか会話の流れと文脈からして、なんで俺と結婚したのかな?まあでも、そういうもんなのかね、恋愛って。




心躍る楽しい旅行やドライブを台無しにしないためにも、渋滞に巻き込まれないように事前準備は必要ですね。
もちろんトークも。

では、安全運転を心がけて、いってらっしゃい。






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