2016.09.02

【東京秘境へ日帰りドライブ】奥多摩「日原鍾乳洞」はライトアップで神秘性マシマシ

◇新宿から高速と下道で約2時間


“東京にも~あったんだ~♪”と福山雅治が唄うように、東京にもネイチャー全開な絶景スポットがある。

皆さんご存知、奥多摩である。


そんな奥多摩エリアの中で今回ご紹介するのが、日原鍾乳洞(にっぱらしょうにゅうどう)。
そう、洞窟。
世の喧騒を遮断した非日常空間。


東京新宿から約2時間のドライブ。
まずは「初台」から首都高4号新宿線に乗って調布方面へと向かい、そのまま中央道と圏央道を進んでいき、「日の出IC」でおりて、下道をしばらく進むと到着。

高速道路で小一時間、下道で小一時間の道を行くと辿り着ける日原鍾乳洞とは、かつて山岳信仰のメッカとして栄え、今現在では東京随一の名所にもなっている観光スポットである。




道幅がおよそ車1台分しかない東京都道204号日原鍾乳洞線、別名日原街道(にっぱらかいどう)を、すれ違う車を横目に進んでいく。
途中、大型車両に遭遇した暁には崖から落っこちるのではないか的なスリルと共に登っていく。


GWや夏休み、紅葉シーズンなどには、たくさんの観光客が訪れる奥多摩だが、この日、8月の平日は幸いにも車は少なく、スムーズに鍾乳洞近くの駐車場まで来ることができた。

日原鍾乳洞近くの駐車場

駐車場は20台ほどのスペースで、そのうえ1台ずつしか通れない。進入路にいる誘導員さんの指示に従って進み、なんとか駐車することができた。


幻想的な爽涼の世界へ


駐車場に車を停めて歩くこと5分。
ついに、日原鍾乳洞が見えてきた。



見晴らし良好で、奥から顔を出す滝もダイナミック。
これぞ日本の原・風・景。

日原鍾乳洞が見えてきた



早速、入場券を購入し、中へと入ることに。


日原鍾乳洞の中へ




入ってすぐ感じるは、とてつもない冷気。
本当に冷たい。
汗が一瞬で引くレベル。


なんでも鍾乳洞の中は、1年を通して摂氏11℃に保たれているらしく、真夏であっても半袖で入ってしまうと後悔するほど。
ちなみに、この日は半袖シャツに薄手のカーディガンを羽織って行ったのだが、それでも寒かった。



暗く照らされた歩道を道なりに沿って進んでいくと、道が二手に分かれる場所に出る。
右に行くと新洞で、左に行くと旧洞。
案内によれば、まずは旧洞を見るべしとのことなので、左へ。



すると、『天井知れず』『地獄谷』『水琴窟(すいきんくつ)』といった、それぞれ特徴を有する岩や空洞があって実にオモロイ。
これが自然に出来たとは信じられん。



そしてさらに進むこと約15分。

少し開けた場所に出たと思えば、間髪いれずに心が揺さぶられる。

ライトアップされた岩肌



美しい。

ライトアップされた岩肌が、あまりに神秘的な空間を作り出していた。
おまけに一定時間ごとにライトの色が変化し、まさに異空間。



目の前の階段を上がっていくと、縁結びにご利益のある縁結び観音が置かれており、ここだけカップル登場率がやけに高かった。
一人旅であればだいぶ切なくなるので、要注意スポットなり。




異空間から少し進んだところにある十二薬師には、石柱が折られたような跡があるが、これは昔、心ない冒険家が折って持ち帰ってしまったらしい。
なんとも罰当たりな。
逸話さえも華を添える、懐の深さよ。


なお、天井一面にピカピカ光るのは全てお金だ。
計いくらになるか、とんでもなく気になるところだが、野暮な寸評はやめておこう。

縁結び観音




さて、次は新洞だ。
順路をいくと、先ほどの分かれ道に戻ってくる。


新洞は、石柱や石筍(せきじゅん)が多く見られるとのこと。



進んでいくと、傾斜角45°を優に超えているように思える階段。
いや、もはや壁だ。

傾斜角45°を優に超えているように思える階段



新洞を見たくば、ここを登ってこいという自然の力強さを感じる。

少しでも登りやすいようにと手すりは付いているのだが、そもそも急すぎて手すりに手が届かぬ。
優しいのか手厳しいのか、よく分からない造りである。



えっちらおっちらと階段を上がっていくと、落石の危険があるためか、旧洞とは違い、柵が設けられていた。
確かにここで岩に落ちてこられたら、純粋な生命のクライシス。
しかしながら、そんな想いがあるからこその探検なのだ。



見所を巡りつつ、しばらく登っていくと、今度は登った分だけ降りねばならぬ。
旧洞は地下で、新洞は地上に突き出した部分に当たるのだろうか、登ってきた階段よりも幾分どぎつい階段を降りて、頭を岩にこすりながら無事分かれ道に帰還。



いやはや、もう一周するほどの余裕体力も精神力もないので、外に出る。


ゆっくり一周して約1時間半ということで、適度な運動にはもってこいなのかもしれない。
夏場でも気温11℃。
避暑としては適している。




そうして鍾乳洞を後にしてから、せっかくなのでご当地グルメをいただこうと、駐車場そばにある食堂へとやってきた。

駐車場そばにある食堂



すでに観光を終えた人たちが昼食をとり、英気を養っている。

割と盛況。



すでに観光を終えた人たちが昼食



食堂のおばちゃんにオススメを聞いてみたところ、マスの塩焼き定食が人気とのこと。

この辺りで獲れたマスを使っているらしい。


マスの塩焼き定食



定食にはマスの塩焼きの他に、じゃがいもの煮物、刺身こんにゃく、たくあん、ごはん、みそ汁がついて、税込1,000円。

なるほど美味し!と洒落た勢いではなく、素朴でホッとする味。
雰囲気ありきで誤魔化したメシではなく、ちゃんとメシを食うという感覚が襲ってくる感じとでも言おう。

半ば欧米色に染まり上がった都会人はもとより、現代人というのは普段川魚など滅多に食べないもので、骨の処理に手間取りながら身を口に入れると、特に臭みもなく非常に食べやすい。
綺麗な水で育った魚は、かくも優しき、かくも色気あり。




食事を終えると、時刻は13時を回ったところ。
帰るのは若干早い気もするが、すでに鍾乳洞へ入る道は多くの車が並んでいたので、後ろ髪を引かれながらも日原鍾乳洞を去った。


あとがき


奥多摩には多くの観光スポットがあるが、どこも長時間歩くので、正直車では行きづらいという面もある。
景観が煌びやかだからとハイキングコースに入って、片道3時間などザラだ。

その点、日原鍾乳洞は広さもそこそこで、駐車場からあまり離れずとも観光できるので、日帰りドライブにはバッチリなのである。

山登りのように気合いを注入することなく気軽に往けることが、奥多摩は日原鍾乳洞の魅力のひとつだ。


なお、鍾乳洞内は坂道と階段が多く意外と足にくるので、帰りの車の運転は気を抜かずにいきたいところ。
最後まで素敵な旅色に染め上げよう。


◇text:日下部貴士/A4studio


日原鍾乳洞INFO

■住所
東京都西多摩郡奥多摩町日原1052

■電話番号
0428-83-8491

■営業時間
4月1日~11月30日/8時00分~17時00分
12月1日~3月31日/8時30分~16時30分

■定休日
12月30日~1月3日

■料金
大人700円
中学生500円
小学生400円






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